すべてのおすすめ
ふってくる 蝉の声に閉じ込められ
みどり色にとけていく
こんもりとした緑の隙間から
容赦ない光が照りつける
白と黒のかげの中 一陣の風
あおと蒼のあいだに
ぽっかりと浮かぶ しろ
ひと ....
僕は陽に晒されて良く焼けた肌を
君に見せつけるように
ビキニのスイムパンツに履き替える。
丸出しのおへそから地続きでつながる
僕の思いやり
君は、はにかみながら指先で弾く。
えっ、 ....
彼はいるのだ
明るさ―この時期には場違いな―の中に
まるで透明で小さな箱に押し込まれたように
彼は縮こまっているのだ
ただ、昨年、一昨年、と
思い出せるだけのこの時期の思い出を ....
地球の上をキスが回る
西サモアで、島の祭りに酔う恋人達が、夕闇にまぎれて初めてのキスをする頃
ブエノスアイレスの酒場では、疲れ果てた中年の男に、ウェイトレスがやさしいキスをし
セーヌ川の ....
もう少し近くで
聴かせてください
微熱の片すみに降りそそぐ
この音の連なりが 唄であるのなら
夏の底
透けた木の葉を揺らす
あるかなしかの風
古ぼけた木のベンチに
ゆっくりと
時 ....
涙がつたっていた
朝のことだ
見ていたのか
夢を
(思い出せない)
遠くから鈴の音
昨晩のことだ
届いたのか
手紙が
(治らない)
涙がつたっていた
朝の風が
....
あなたが海を歌うとき
わたしの瞳は波になる
愛していたと
告げる言葉が悲しくて
静かに揺れる波になる
あなたが空を歌うとき
わたしの胸は波になる ....
ぼくたちがみた
いくつもの風景は
今にもあふれそうなのに
それでもぼくたちは
未来をみようとしている
閉じ込められた魚たちは
ぶあついガラスのおくで
海の夢をみるのだろうか
そとにでると
すこしだけ
雨の匂いがたちこめていた
....
たとえば
君が僕の背後に忍び寄り
両手で目隠ししても
見えちゃうものは見えちゃうよ
君の指先は細くてやわらかいから
ついでにぺろりとしてあげる
隠すから見たくなる
子供には毒って言い ....
帰ってくるよ
夏が帰ってくるよ
この火で埋められた季節に
死者たちが帰ってくるよ
*
ただ白いだけの変な鳥がいます。暑い夏の日差しを受けて、きらきらとその翼が輝いています。飛んでいる ....
今日も額に汗を滲ませて
門前払いは覚悟の上
蝉の鳴き声しか聞こえない
住宅地のあちらこちらを歩く私は一匹のありんこ
無数のピンポンを押して
ようやく玄関のドアは開いて
満面の笑みと話術 ....
届けられたのは
便箋にして二枚の
こころの欠片でありました
丁寧な挨拶の他には
少しの友情のような気配
けれど
こころ火照らせるには充分な
あなた ....
どこからか
うまれた
しあわせは
てをつなぐように
であって
すなをくずすように
かわっていった
かくとは
どういうことだ
なまくらの安包丁
長く使い過ぎ
先がひん曲がって
薄肉を切るにも逸らされる
研石を買ってはみたが
いま切るのには役立たない
天井に匂いが立ちこ ....
いのちあるものを
司る月の満ち欠け
この8の月は
月が二度満ちる
その不可思議に
神聖な月は
青い月と聞く
頑なな心の闇夜も照らし出す ....
ヒュー シュッパーン パッ パッ パッ パッ パン
たま〜や
夏の宵闇を貫く大輪の華
ラムネの瓶に沈んでいく
タップ タップ タップ タップ ....
バスルームに聞えて来たのは
ベランダのふうりんの音
さんど ちり〜ん ちろり〜ん ちり〜ん
急いでバスタオルに身を包んで
ふうりんを見に・・・
短冊は揺れてるけれど音は出ない
カーテン ....
今時マニュアルシフトなんて流行らない
二人の行為はオートマチックで
燃えあがる
ハンドルは君の肩
僕がアクセルを踏み込んで
君の肩を軽く揺らせば
甘くさえずる君はカナリアになって
....
ある日の夕方
ポチは神妙な顔をして
私の前におすわりをして
喋りはじめた
ねぇ。
ボクはずっと前から考えていたのだけど
どうして人は平気で人を傷つけたり
いがみ合ってみたり
....
どんなに薄めても
悲しみは消えませんでしたから
少しずつ明日を
塗り重ねてゆこうと思いました
悲しみは複雑すぎて
はじめとおわりの区別もつかないけれど
晴れわたる空に喜びは
....
ロケット花火に夢を託して放り投げたら
其れは真っ逆さまに落ちて
地面を這うように飛んで行ったんだ
ひゅるるるるるるるるる
どうでもいいデブな女に無理矢理欲情して
広末や長谷川など ....
(どうしたってニンゲンは破滅に向かっていて
それは特定の誰かの所為じゃないけれど)
(だからこそ世直しヒーローに憧れて
惜しまれて涙の中に死んでいく世直しヒーローになりたくて)
....
もし僕のマワリを吹く風に
色がついていたら
たくさんの場所で
数え切れないほど
なまえをもたない
色に出会うだろう
そのとき僕は
シロツメクサの
....
きのうのかけらが
とぎれそうないきおいで
僕のからだをとおりすぎる
Z
それはアルファベット最後の文字
26番目の崖っぷち
これから先に見える文字はない
Zと聞いて思い浮かぶもの
車好きなら
迷わず240Z
湾岸を疾駆する刹那の記憶
ツェットと読め ....
ひらいた おやまの
むこうの おそらに
ちいさく てをふる
おにのこ つちのこ
とんとん とんのに
とうせん はなおに
とんから とんから
とうそう はなおに
ひらいた ....
一日終わる 堕天使達の
かくも短き 一夜の宴
折れた翼を 探しつつ
心の氷 溶けざらん
旨き肴と 旨き水
膳に集いし 一時や
心に羽根が 生まれる如く
話し弾 ....
朝、男が目を覚ますと
マリーの姿はもう無かった
寝不足の物足りなさと疲労感
抜け殻のようなシーツの微睡みを残して
マリーは何処かへ旅立っていった
シブセンの朝は
怪しいキャッチの声に引 ....
金八先生の股下が
あと3センチ長かったら
どことなく銀八先生
101回のプロポーズが
あと3ミリ男前だったら
がんばって91回のプロポーズ
かっこうよさの
遥か遠 ....
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