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真夜中の浜辺に独り立つ
君の{ルビ傍=かたわ}らに透明な姿で{ルビ佇=たたず}む 詩 は
耳を澄ましている
繰り返される波の上から歩いて来る
夜明けの足音
君の胸から{ルビ拭=ぬぐ} ....
パレード。パラーデ。歩いているものを集めて、ただそれだけのこと。川のような世界で、素数のようにひとりぼっち。2、3、5、7、11、とそこまで数えたときは、最盛期たる朝。いっそのこと、きみは世界をよく見 ....
少しづつ 咲く花も
少しづつ 枯れる花も
同じ時の中で 生を流れる
めざめて
めばえて
よりそい
続かなくなる息なのに
止める事に こだわり
いつまで夢をみるの
....
あなたの黒髪を
巻き付けて
どんな電流を流せば
私は磁石になるのか
あなたのコイルで
包まれて
熱が生まれると
それは法則だ
磁場の中で
迷子になり
熱が冷めても
....
草原を駆け抜けるのは
怠惰な 者
名は 丸く
彼は 賢い
自由へと 紫煙が
上がっていく中
5月の 幽霊が 発した
大麻の 香りが
彼の 名を 汚していく
たがいに ガラスの顎を
つきだして うちあった
なかまたち 言葉はいつでも
致命傷になるから タフネス!
生きていたら また会おう
生まれたことを
ふだんから考えているかわからないで
生まれたことにささる月影がきれいで
わたしはここにいました
犬が吠えていて
寒くて
でも
少しずつ
結晶になる世界
お母さ ....
喪中はがきのイラストに
スズランの写真をのせてみる
あの人は 花が好きだった
だから もう
それでいいよと親がいう
何十年払い続けた
「年金」を
あともう少しで受け取れるというときに ....
眠る、寸前の浅い水温に
浸す指先の薄い心音
誰かが残していった空間の
点と線と、構成しているすべてを
場所も、時間も、爪先が触れているうちに
遠くに行かない、そのために
世界はきっ ....
1.
かみさまはいるよ、
って
教えてくれた人は
もうすぐ死んでゆく人だったけど
それは黙っておいた
だって、あいしてるんだ
2.
きのう、かみさまを見か ....
言葉を紡いでいる人がいるという
言葉の繊維を解きほぐし
紙にしたり
糸にして布にしたりしてから
その上に文字というものを書くのだという
最近は、
言葉が不足しているから
誤解 ....
なんでだろね
分かり切ったことを聞かれる
分かり切ったことを聞かれて
分かり切った返事をしても
なんでだろは安心しない
ひとばんじゅう
なんでだろって
うるさく呟いて
それで安心して眠 ....
先生
唇が、
ふるえてしまいます。
電線に
飛行機雲が斜線して
雨上りが地上をうっすらとはいでいきます
あの日
陽炎で生まれました
わたし
浮遊する
夢みるからだで透けていき
....
夢に
おばあちゃんが出てきた
おばあちゃんは
わたしに
お餅をたべさせてくれた
おばあちゃんの家の匂いがして
座布団と
掘り炬燵が
暖かかった
背中から風邪を引くからと
手作りの襦 ....
思い出してごらんよ
あなたが
遠い冬の日
誰かの
寝息がそばにあるだけで
それだけでよかった
あの日を
思い出してごらんよ
あなたに
はぐれた毛布を
....
水圧に耐え得るように
甲殻を得て
暗闇を
当たり前と思えるように
その目を 潰した
正しいと思えることを
ここは深海
届かない砂の底
尾びれを
左右にゆっくりと
振る
....
いつか歩いた並木道
ちいさな歩道橋
あのとき
夕暮れ色に染まる
傾斜をみて
黒いコートに
溢れる
さみしい色は
木立の陰
カーブの辺りに
おちていた
黄色い葉
どこか
忘 ....
冷たい手
温もる場所をさぐる
しんしん
しんしん
時計の針を
止めないままで
布地に残る
甘い匂いを手繰り寄せ
指先をからめる
しんしん
しんしん
時計の針の
....
小学校の夏休みの宿題だった絵日記
大嫌いだったな
なのに、今嬉々として
ブログを紡いでいる私
喰わず嫌いと
切っても切れないようで
嵌ると抜け出せない
....
{引用=
九番線、午前六時四十二分。急行「銀河」はEFに牽かれ
}
終着駅に東京駅を選ぶのは、旅として最悪の結末だ。それは旅人がこのホームに立ったとたんに旅が死んでいくから。地下深くにまで ....
ただいまー
あける しめる
ひまやなー
あける しめる
なんかないかなー
あける しめる
そろそろねよかなー
あける しめる
冷蔵庫って僕の何!?
三日月を笑う
瞳の奥には
最果ての傷がひそむ
傷つくことをおそれて
前へ進めるのか
団地の裏の
十字路を
青やかな銀河の右旋系
空き地の{ルビ草原=くさはら}に影が伸びる夕景
....
眠っている、舟の
漕ぎだすその先の朝が、
眠っている
イメージが形になっていく、その
次の瞬間に
雲は切れ、空の裏側にはおそらく
比類なき明日が
ただ 立っている
としても、底 ....
本当に悲しい音楽は
マイナーコードでは
表現できない
やるせなくなるくらい
明るいもの
山田くんから、年賀状が届く
終業式の日
みんなから 住所と、名前と、郵便番号を聞いて
国語のノートの 使っていないところに
せっせとメモをしていたんだけれど
多分 山田くんから、年賀 ....
ちょっとお茶でもしようよ
マックの珈琲じゃなくて
ルノワールにでも行こう
ふかふかの椅子で
お茶でもしようよ
ちょっとだけ
時々自分自身が嫌になる
自殺したいような
誰かを殺したい ....
星たちが雲のむこうに
眠りしずまるこんな夜には
ロバート
あなたの残した写真を見る
弾丸が撃ちぬいた兵士のからだ
永遠に崩れ落ちるように
ロバート
あなたの見ていた瞬間を見る
....
雨と雪の数えうた
青と金の飾りの手
かたびら かぐら
しずくのふるえ
色と色の板たちが
音の無い地に鳴り響き
しずくの上に羽を描いて
空を少しずつ明るくしてゆく
....
都会で飲み干すレモンティーの味は
遠い昔に知った苦い夏の香りがした
冷えた手のひらを何度も拭いて
汚れていない事を何度も確認した
もしも世の中の全てが
黒く
艶めかしいハンカチ ....
昨日の高い 高い空から
ハッカの香りを感じた のです。
それは 甘くなく
気道から凍るような
冷たさだけ残して
昼には そっと
消えてしまったけれど
これから何度と無くやって ....
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