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その日を過ぎると
君の背中から栓が抜け落ちて
とろとろと水、のようなものが零れていった
舐めてみると、海の味がする
帰っていくんだな、なんて思う
薄いお酒を飲みながら
時計の針を見ていた
 ....
       1
純白の太陽が沈まない世界で、峻険な断崖が水平な時間の裂け目に現われて、素肌が剥き出しになったやまびとたちが戸惑っている。首のない禿鷹の幽霊に急き立てられて、断崖を昇りきると、空 ....
(くもはしろいだお
と、ノンちゃん色鉛筆の箱をひっくり返す
あいにく白い色鉛筆は
どこかに失くしてしまって
ノンちゃん覗き込むけど
箱はからっぽ
みつからない

ノンちゃん白い画用紙広 ....
すぎる光が
雪を揺らす
返らぬ応え
進みゆく火


安らぎに失われる言葉があり
ひとりの歩みに降りてくる
青く尾をひく虹彩の
重なる軌跡に降りてくる


赤い布 ....
夕暮れにはまだ早い

君は窓辺にもたれながら
溶けてゆく陽射しに
目を細めている

僕はこたつに入ったまま
足元でまるくなる
猫とつま先で会話をする

「オリンピックも終わった ....
逢いたやあなたと浜千鳥
緋と思しき爪折れは
叶わぬ侭の夢吹雪
いつかなりたや恋女房


待てど暮らせど来ぬ文を
遠い都と香り立ち
揺れる簪 手の鳴る方へ
棗に忍ぶ 恋は霞と


 ....
予鈴のずるさを聞く前に
抜け出してしまいたかった
靴に滑り込みながら
私は少しずつずれていく
それでも、毎日に所属している自分の姿に
ほっと、息が漏れてしまうのは
私のずるさ、だろうか
 ....
生きてきた
ということと
生きる
ということを
つなぐ接着剤を探してみた
奇妙なことよと
笑われた

愛だの恋だの
言葉を環にして
誰かの指に通してきたけど
水に濡れた紙のように ....
春は
思いがけない記憶を呼び覚ます

 フリージアの花びらが揺れていた
 恋に幼い心も揺れていた
 サヨナラの理由を
 頬伝った涙をさらう風のせいにして
 強がる笑顔で背中を見送った
 ....
ぜーんぶ わたし


よるのうたを うたうときも

ひかりのあめを およぐときも

ゆうやけのこだまを きくときも

なないろのかぜを ねがうときも

ほしといっしょに お ....
放置された畑 咲き並ぶネギボウズ
バコン バコンと
プラスティックバットを振りぬいては
浅緑を空の彼方に弾き飛ばした
なぜそんなことをするのだと叱られたが
ネギボウズの高さが
ちょうど僕ら ....
そこで溶ける人々の道に
石化する人を送り出す空に
いつの間にか帰ってきた人たちの
懐かしい声がただ優しい
私たちはとても弱くなってしまった

工事現場の迂回する
道の分だけ余計に
呼吸 ....


幸せなら手を叩こう
部屋の中で 便所の中で 電車の中で
幸せなら手を叩こう
朝焼けの街で 夕暮れの街で 星月夜の町で


**

教会の中で祈りを捧げる人々
幸せそうじゃな ....
あなたの論理ばかり振りかざす唇と

抱きしめるのを止めてしまった腕と

ちゃんとあたしの話を聞かない耳と

まっすぐ見つめ返さなくなった瞳を

角の八百屋でみかんと交換して ....
いつまでも、それを手に入れたいと
弱々しい手で、僕らは汲む

井戸の底に微かに照らし出される
月の光の輪郭のようなものを

  楽しいといっては  ひとつ汲み
  愛しいといっては  ひ ....
うるうると  ながれては  こおりにかえり

うるうると  みたしてゆく

つちを  かぜを


たちのぼる霧は
こおりをむすび
春待つ木々を
冬に還す


光 ....
涙腺にふやけた朝雲が
ぬるく飽和している
もうこれ以上
隠しきれずに
雨滴は春を含んで零れ
しとしと
しとしと


あ、
頬、
ぬるい春を
塗られた頬、の
わたし ....
そっとあなたを見つめる
自分勝手に

わたしは思い出が欲しいの
わたしだけの

だからなるべく気の無いふりをして
あなたに近づいてみる
【椿】

花嫁の紅を着飾って
貴方を待っているのです
この純潔が叶わぬならば
首を落として
夢に果てましょう


【水仙】

明後日の方向を見ているのは
白いうなじを見せるため ....
目の前に桜の老木が立っていた

土の下深くへと 
無数の根を張り巡らせ 

空へと伸びる
無数の枝を広げ 

( {ルビ薄曇=うすぐもり}の雲間から 白く光る日輪が覗いた

太い幹 ....
ひらひらり
ひらひらり
なんと翻る
雫に映る視線

あざやかに澄んで飛び立つ冬の真中へ
ねぇ、そもそも、
からだの中心ってどこに
あるのかしら?

ただ、
丸くなって眠るきみは
ドーナッツのなかま、みたいねぇ

まんなかの空白のふしぎがやがて
きみの中心のような気が ....
スーパーのレジで
おつりのコインを数枚受け取ると
「わあ、お金が増えたね」
と娘は目を輝かせる

自動ドアから出るときも
「あのおばさん、きっと親切な人なんだよ」
ふわふわと歌う
 ....
雪の降った夕暮れ
すっかり冷え込んだ空気の中で
黒いコートのポケットに手を入れると
黒い皮製の手帳にいきあたりました


そう
全てはこの手帳が始まりでした


死神の僕にとっては ....
宿命でも運命でもなく
それはタンポポ

土手に降りそそぐ
季節の日差しに
僕は目覚める
旅立ちにはもってこいの日だ

風は南南東
ロウソク工場の煙から推測するに
風速は2メートル
 ....
雨が降る。
傘はいらない。

雨が好きな月もあれば、
雨が嫌いな月もある。

二月の雨が、
どちらなのか。

それはこの雨と、
君だけが知っている。

 ....
前後不覚に陥る。
前へ前へと思えば体は少しづつ前へ。
後ろへ後ろへと思えば体は少しづつ後ろへ。
カクカクカクカクと小刻みに動く身体。
全身の力を抜いて尚小刻みに動く腕や体。
身体の ....
樹の中に大きな穴を開けてやる
啄木鳥のように朝から晩まで
喧しく叩いている

壁の中に丸い穴を開ける
電気ドリルの電池が切れるまで
喧しい振動が続くまで

地面に大きな ....
 
ににんがし
にさんがろくで
にしひがし

いちたすいちも
ろくでなし
37までよめが来ぬ

来ない間に日が暮れて
クレタ島からニューギニア
ギアナ高地の贋蛙
ギアナギアナと ....
傘を
返してほしい

名残りの雪は
綿のコートには冷たすぎて
ひとりで帰れる自信がないから

あの桜もようの紅い傘は
ほんとうはすこし空々しいから
好きではないのだけれど

 ....
千波 一也さんの自由詩おすすめリスト(6385)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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