ゆきのしたに
ねむっているのは
だれか
ゆきがつもると
さくもつがよくそだつと
そぼがいった
ゆきのしたには
おばあちゃんが
ねむっている
むらさきにしずむみずうみの
せをはしるあめのかげは
せつなのおもいつなぐための
ひびわれのなかにひかる ....
街は凍りついていた
遠くで元血統書付きの野犬が唸り声を上げている
路上に放置された氷点下の水槽では
オレンジと赤と黒の模様の金魚が固まり
夏向きのお洒落なスイーツに見える
この冬の寒さは ....
カンザシの
椿の花に
メジロ来る
あの子は
人間樹木になって
森へ還っていきました
さあ
嘆き悲しむのは
もう止めにしましょう
春には
芳しき白い花を咲かせ
やわやかな緑の新芽を指先に這わせ
虫や蝶を友とし
秋 ....
今朝も
様々な具材を乗せて
すし詰め電車が
発車していきます
季節は冬ゆえ
暗い彩りになることは
ご容赦いただきます
味は
休日明けゆえ保証します
たらふくご馳走を腹に溜め込 ....
どんなキレイゴト並べても
確かに
変えられなくて
替えられなくて
苦しくて
自分を変える意味。
探して
もがいて
足掻いて
言葉の積み重なりに拒絶
それはあなた ....
最初に
魚影がよぎる
同時に
背骨が見つかることもあるが
大抵は時間がかかる
次に
尻尾が見つかるが
順番が逆の時もある
頭はどうでも良い
後で取って付ければ良いのだ ....
記憶いがいに興味ない
目に映るものが
生まれて初めて見るものだとしたら
気がおかしくなっちまう
記憶があるから認識するのだ
目に映るもの
記憶を刹那のうちに総動員して
認識しているぼくら ....
今ごろ何しているのかな
きっと趣味のデジイチを首から提げて
お気に入りの被写体を求め
谷根千あたりを自転車で走り回っているのかも
そんな感じに好きなひとを想ってみる
なんか幸せな ....
約束に目を向けるんだ
苦しみに目を向けるな
約束に目を向けるんだ
大物ぶらなくてもいい
継ぎ接ぎだらけでいい
約束に目を向けるんだ
にじみつづける
みじめ ....
食べると元気になる
食べると温かくなる。
食べると沢山食べたい
沢山食べてももたれない。
作る人は疲れるけど
美味しいと言って食べてくれれば
全てが吹っ飛ぶ
嬉しくなる。
全て ....
寒鴉ココロの隙に嘴を
笑えないギャグを飛ばして滝凍る
大寒に愛を深めて寒からず
冬深し電車が走る日の出前
狩人が狩人を狩る月曜日
たい焼きをナイフフォークで食うマナー
....
カンニング竹山がいた
おっさんというオーラは出ていた
竹山さんだ、というひとはいたが
立ち止まるひとはあまりいなかった
メガネをかけた女の子に
畳み掛けるように喋っていた
撮影がおわると竹 ....
あきらめる
あきらめない
いくら言葉にしたって
変わることのない現実
春はまたくるよ
そう言う君
だいすきな桜の木の
並木道今は寒くて
うつむいてばかりの私も
春になれるかな ....
ゆうぐれに
流れおちる黒い髪
首すじをつたって
とびたっていった夏の
影を踏んで
わたし、
あなたの
掌にそっと
針を刺しました
あらゆる
温度がならされ
あますことなく
....
音だけが交差する 黒い海
波間にキラキラ 海蛍
お願いだから消えるなんていわないで 海蛍
{画像=120128221115.jpg}
それは
青空を巻いて
大きく旅立って行ったのだった
遥か眼下に
広がる世界は
大きく変わろうとしている
幼い頃
見 ....
深緑色の小葉が群れる枝に
金の果実が十幾つ
花瓶に挿して眺めていたら
子供の頃に読んだ
セルビアの民話を思い出した
夜更けに鳥が盗みに来る
王宮の金の林檎
鳥は綺麗な女性に変 ....
ひとには
信じようと
信じまいと
神に祈るしか
ないときがある
聞こえるのは
屋根から滑り落ちる小さななだれの音だけ
加湿器からもくもく白い蒸気が上がって
湿った空気がじゅうまんする
だるいからだとひどい頭痛
おでこだけがひやりとして
細胞がた ....
すれ違う言葉に
疲れてしまうことが
疲れ、の原因
ひとの心を気遣うはずが
我が身がもっとも大切だから
我が身のつぎに
うまく他人を愛せないか、と
右往左往で今日が行く
....
夜のドックから走り出す多機能な女
関節を裏側にまわしてステンレスのホイッパーを固定する
ふるえる卵黄と小麦粉がはねつく
すべりだしたパーツからコルク抜きが選択されると
シールドはしぶく
....
検査が終わったら美容院に行こう
きょうの予定にふたつめのイベントを入れる
夜はいっしょに食事をする
今朝の地震は最近のいつものとは違った
浜通りが揺れずに山梨が揺れた
....
一月二十五日
「私の兄弟たち、さまざまな試練に遭うとき、それをすべて喜びと
しなさい。あなた方が知っているように、こうして試される信
仰の質は忍耐を生み出すからです。」―ヤコブ書1の2・3― ....
帰れる場所なんてなかった
みんなを傷つけた報いだろうか
果たして帰れる場所なんて
最初からなかったのではないか
一人で楽しいことや面白いことを
見つけられる天才だった僕じゃないか
帰れる ....
しがない サラリーマンとか
しがない 主婦とか
しがないということは詩が 見つけられるということだ
ピカリ と
詩が
夢に浸るのは
無駄だと
いい加減に気付け
と自分に言い聞かせる
夢のなかぐらい
いいじゃねぇか
構わんだろ
と自分に言い聞かせる
朝に目が覚めれば
思い出になって ....
よわくてつよい
ひまでいそがしい
いきてあいしてたたかっているんだ
ぼくたちは
いきてあいしてたたかっているんだ
某地有人
誰かがどこかで
雪かきされなかった雪が
日陰で凍って
ひ ....
冬夜のアメリカ大使館
湿っぽい澄んだ星空が覗いた
ビル群の明かりのなか
棲息する命たちが星のようだ
星とはなんだろう
唐突に現れる別れのようなものか
それは無限 ....
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