あるだけの色を使った絵も
覚えたてを書き並べた字も
すべてきみの詩(うた)になる

一枚一枚
大切に束ねて
詩集はきっと
ベストセラー

表紙はきみの似顔絵
母さんが描いてあげる
 ....
明日に何かが変わるそんな幼稚な占いをしてみたが

旅人、と言うにはあまりにも違和感を感じる
この翼
翔ぼうにも言葉が無い

昔、叱られた
送電線の一羽に孤独を感じてはいけないと
彼は孤 ....
自己暗示「かわいい、綺麗、美しい」歪んだ鏡割れて星屑 雨音で起きる朝

ひんやり冷たい水族館にひとりいる

水槽には何もいない

雨音だけが響いている

水槽に手をあてると飴細工のように

脆く崩れて

雨が横殴りのように降ってく ....
始発のホームに立ち竦んで

イヤフォンからは柔らかい歌

夜明け前の空はどこまでも暗く

寝不足の目に痛い蛍光灯

私は一体何を切り売りすれば

世界と繋がっていられますか
おそろしいものに
心あたった朝、

月は
黙って
灰色でした



わたしの言葉は
薪のようです

誰かの夜を
あたためうるならば、と

みえない炎を
見つめかねな ....
枯草の中に埋もれた 
名も無き花のつぼみが 
こちらに口を開いていた 

花の声に耳を澄ましていると 
自らのつぼみが 
開いてゆきそうな気がする 
出勤を道草はたの霜ばしら
自堕落の浮腫みづら張る朝すがし

駐輪場サドルに銀の宇宙苔
コンビニに寄れば家路の月は肥え
自分の手のひらを見て思うんだ。

僕に、何かが出来ないかなって。





この手で何か、人のために

作ったり

奏でたり

守ったり

描いたり
 ....
だれに
味方をするでもなく
秋はしずかに燃えている

わたしが
ひとを敵視するのは
燃えようとする
哀しい加速

はなはだ容易い
弱さの
露呈



いっそ
水にな ....
鳥が啼いてゆく
いつか、いつか、いつか、
赤い夕陽がしたたり落ちて
心を焦がす イタイホドニ


{引用=近づけばまた遠ざかり
遠ざかるとまた近づく
蜃気楼 日々は}

そしてまた ....
心のなかに埋まっている この磁石が 
引き寄せる

たとえばそれが砂漠に転がっている石ころだろうとも
たとえばそれが海を漂う明日をも知れぬ泡だろうとも
たとえばそれが誰も見向きもしないような ....
残酷なギャングスター

銃口をむけながら

若いふたりと談笑している

こころでは泣いている

目では笑っている

顔では遠く考え込んでいる


みんな帰ってゆく

どこ ....
言葉は何処までも流れてしまう

僕は君とあんなに語り合った
というのに覚えていないんだ
何も


無数に星が瞬く空を見上げていると
なんだが吸い込まれそうで
目を逸らしてしまったんだ ....
               

ふかくふかく沈んでいく
ひかりが ひとつひとつみえなくなり
一番遠くのほうで白い水仙がゆれている
たびたび あわがすこしずつのぼっていくと
呼吸しているこ ....
カンヴァスに描いた静物画に
わたしは真っ赤な色を置く
油絵を描く時は
その目に映るものの色と
正反対の色 ....
トントントンって叩いたドアを
あなたは開けてくれますか





いつでも家は暖かく
家中きれいにしておいて


わたしを優しく迎えてね


勇気を出して
あなた ....
青い水いろの空

公園からはみ出たさくら木

電信柱と電線が

拮抗しながら騒がしかった


世界はじっとしていない

何通りもの風景を

何通りもの異世界を

僕らはただ

奇跡のなかに浮かんで

 ....
冬から葉書が届いた
朝日に輝く美しい手作りのたより

菊の葉の はがきの裏は 秋絵柄

冬のやつ
まだ すぐには遊びに行かないから 安心して待っていなて言っている


しかし 葉書と ....
 テレビにおやすみなさい
 
 パソコンにおやすみなさい

 
 夜ごはんの残りものにラップをして
 おやすみなさい
 
 あしたが賞味期限の豚肉を冷蔵庫に
 しまっておやすみな ....
洗濯機はまだ回っている

時折カラカラとおかしな音がするのはきっと
いつもみたいにポケットに入っていたピックだろう

薄汚い壁に手をついて歩いている夢を見ていた
冷蔵庫は唸りを上げて冷やす ....
西日に向かって
歩いてく

まぶしい光に
眼を伏せる

道の上に
日の残像

進むゆくさき
人しれず



明日が背後から
やってくる

肩をたたかれ
振り返る ....
冬の玄関にはわたしにいちばん近い花を置くたとえば蒲公英

辿り着いた岬に根をおろして君は海をみていたね昨日も今日も

陽だまりを送ってくださいとあなたが言う十一月の蒲公英を送る

今年最後 ....
薔薇のような汗をかいている 希望とは失うものと教えられ翼を脱いで宇宙を爆破 静かにそうっと放っておいて

小さなカタマリは

片隅で

少しだけ浮く

なぜ浮くのかしら

小さなタマシイは

わたしの耳の裏で

そっと囁く

いいことかしらと
 ....
霙と嵐と雷鳴で
十一月の夜が揺さぶっている
手のうちなんざ知れたもので
瞳は渇いたまま空を切る

初雪が覆った小さな棺
添い寝をしたくてもできなかった
小さな棺がゆらゆらと
時の浪間を ....
  痩せた熊が
  水底に沈んでゆく
  両の眼を開けたまま



  だだっぴろい冬は
  晴れた日の砂漠のようにきらめき
  しろい女は
  しろい男の唇に
  海より ....
夢や希望がないと
生きられない
どんなに苦しくても
ご褒美があれば生きられる。

どんなに大変でも
人の笑顔を思えば
生きられる。
支えてくれる人が
いれば生きられる。

勇気と ....
文字では
なにも言い表せられないし
音では
踊らせることはできないし
絵筆と色では
なにも
描くことができない

あなたが
どれだけわたしに近づいても
あなたに
触ることもで ....
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