私は油性ペンが好きな時もある
泣きながら書いた手紙
泣きながら書いた詩
涙がこぼれ落ちても
にじまないから
私は油性ペンが嫌いな時もある
「これは私のものです」という印に
布に名前を ....
広葉樹の多い樹林の中央に
高さ二〇メートルほどの榛の木が一本
屹立するその根元はジメジメとした地面が広がり
いち早く裸木となった榛の木は
次の春に暗褐色の花を付けるため逼塞する
あたり一面紅 ....
雨がやんだ
塹壕に 糞尿のにおいが」もどってきた
雨のほうがましだ
・
複葉機が雨雲のしたを飛んでいきやがる
俺たちのことを 見棄てるのか
....
{画像=121112003029.jpg}
人はみな心の中に
自分の花園を持っていて
色々な花を育てている
私は一つの花壇に飽き足らず
ネットを彷徨い
この花園を見つけた
私 ....
ト
タトン
タタ
雨が大気にあふれ出す
地は吸い込んで
水流が闇にあふれ出す
ヒトはみな小動物
家のなか
葉陰の小鳥たちの夜を案じ
明朝の我が身を気に病む
石くれになる傘の中
....
人の心に耳を澄ませた金曜日
聞こえてくる様々な声に
目頭が熱くなった
人の声に耳を塞いだ土曜日
何度も繰り返した同じ言葉
口にだしてしまえば、泣いてしまいそうで
唇をぎゅっと噛みし ....
ラジオで誰かが言っていた
「小さなことからコツコツと」を
「小さな琴から骨骨と」なんて変換していた翌日
ご近所でお骨発見のニュース
家族すら知らないうちに家の中で骨になるのなら
たぶん友 ....
最後にはジキタリスの色を塗った
幼児期は三叉路で堕落
その手足ばらばらで踊る
むこうずねで待つ
最初には赤い頬
サボテンに棲む昆虫を
こまかくくだいて夕日色
ママはしばらくおそくなる ....
皺くちゃの子ども
緑色の鋏を手にして
揺らめく雲の端を断った
いま、
目覚めの時
山の連なりは遠く
朝焼けに縁どられ煌めく
森のどこか ....
老いた母に
追い詰められる
じわりじわりと
追い詰められる
壁際まで
追い詰められる
涙と鼻水
叫びを上げ 壁を叩く
翌朝
軽い内出血した手
私の中に留まった血 ....
生存率1%の1%で今日も生きている
文句が有るなら言ってみろいいえ別にありません
お前の態度が気に食わない文句があるなら言ってみろ
いいえ今日は用事があるのでライン長様に文句なんて
我慢だ、足軽社員は我慢が命と心の叫び ....
さよなら
と言いながらつむじ風
くるりと巻いて
さよなら
ともう一度
こんにちは
とは言わないで
何度も
何度も
さよなら
止まらない銀河鉄道
開かない窓からアンドロ ....
春に生まれた掌が
今 燃えている
血管に赤い血をめぐらせて
秋の沸点はとても低い
燃え尽きたあと
何もつかめないまま
地に落ちる たったひとつの
例外もなく
執着もなく
燃え ....
見上げると木の葉はもう染まっている
風もずいぶんと冷たい
そうして
風で葉が落ちているのを
何も考えずに眺めていると
いつのまにか私が大切にしてきたことも
こうして ....
僕は 詩を
どんな風に書けばいい
書くと 疲れた
だからその絵を見ていた
運動は 僕に
疲れを与え
睡眠は 僕に
死を近づけてくる
死体が落ちていた
道ばたの角の ....
もう、十一月だ。
現フォもすっかりサボッてるけど、ここんとこ畑仕事もサボってる。
十一月は関西では玉葱の植え付けシーズンです。休日の朝、買ったばかりのラパンに乗って、玉葱の苗を買いに行きました。十 ....
美しさがある見えない糸の整列にあるなら
その糸の端っこをちょっと引っ張ってみたい
その僅かなゆるみが美しさを引き立てるのだろうか
謎解きが残された人生が美しいように
言い切らない余韻も ....
最近ね
やっと小さな…
小さな小さな…
夢が出来たんです
人に話す程じゃ
ないんだけどさ♪
この歳になって
やっとこさだよ…。
いつか…
僕という ....
いちばん大切なことがなんであるのか。
そんなことは分からない。
たぶんケースバイケースであるに違いない。
ただ、正しいことは絶対ではない。
この遠い絶望を認識するところから、理 ....
綺麗な花よ
綺麗なまま咲いてくれ
いつでも
いつまでも
私の心の中で
その内に
どんなことをも秘めたまま
海に心を映してみれば
おんなじだよと
波がいう
満ち足りぬ
満ち足りる
くりかえす
やさしい
さざ波
きみのことばは
秋の冷たい雨のようだね
仄かな愛の燃えかすを
ひとつ ひとつ 丁寧に
つまむように消して行く
夏の陽射しに彩られた
一輪の記憶が今しがた
明け ....
立冬の一日分のバイト代
捨てる神あれば
拾う神あり
命を拾われた
一人だったら
死んでいた。
皆よってたかって
励ましてくれて
会ってくれる。
見ず知らずの人を誘ってくれた。
皆ネットの人だ
一人 ....
色とりどりの家屋の間から
寒そうに青褪めた電柱が
天に向かって一斉に
我も我もと、腕を伸ばしている。
十一月の風は冷たかろうな。
そうして彼らは、その短い指で不器用にも懸 ....
こんな夢を見た
わたしはぼたぼたと
血を滴らせながら
部屋中を歩き回っている
わたしには、
左手がないのだ
鋭い刃物ですぱんと切られ
血が止まらない
母親はいつもの ....
消えた家族のその後は誰も知らない
あのあたりの地主だったという 長男が
次々とこさえた借金を返済するために
土地を売り飛ばし とうとう最後は自宅まで
手放したらしい
跡地にはマンションが ....
ぼくにだれかが運を運んでくる
だれかとは
人かも知れないし
鳥かも知れない
石かも知れないし
木かも知れない
なんであろうと構わない
運とは
なにものか ....
家にどうしてもチューニングのあわないギターがあって
まあ中古のフェンダーステージキャスターというやつのアンプ内臓ミニギター
先輩のショーさんにきいたら直すとけっこうかかるんじゃないって答え
....
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