愛してるとか
大切だとか
大好きだとか
どれもがぼくの気持ちに
足りないようなそんな気がして
おんなの声に救われて
ぼくは明かりをつけないで
布団のうえに ....
腐ったってがらがらへびなんだよ
抜け殻だなんていわせない
赤外線探知装置のついた最新鋭の進化論さ
きみの白い指のぬくもりなんていらない
金子みすずのお月様なんて絵本の
せかいのデザー ....
振り返ることを止めれば幸せに?
満ちてると思ったものは失せている
どの国も君には同じ風を吹く
自分より遥かに伸びた影を返る
濁点の混じらない名にさせてほしい
浮かんでは消 ....
こんな日だ
薄曇りがやんわり晴れ
暑くもない、寒くもない
欠伸がよく合う昼下がり
うたた寝みたいな日曜日
乾いた目やにを払いもせず
裸足の男がリビングで
ぼんやりと窓を見ている
昨 ....
蝉が鳴いてると思ったら
お隣の山田さんだった
いつものように挨拶すると
蝉になるしかないですね
と、いつもの声で山田さん
その後ふたたび
蝉の声で鳴きはじめた
わたし ....
この部屋の窓からは
雨の降り始めた{ルビ靄=もや}の向こうに
遥かな山々の緑があり
眼下に一面の畑は広がり
歩道には、レインコートを着た犬と
飼い主が歩調を揃えて、歩いていった
....
息子もいつか
フルーツパフェに登りたい
などと
わけのわからないことを言って
この家を出ていくんだろう
わたしもかつて
プリンアラモードに登りたい
と言って家を出たけれど ....
赤いサンダルと
傷だらけの膝小僧
くくく っと
笑いをこらえた君の影が
僕の靴をはらりとかわした
日曜日の太陽は
すぐに傾いてしまうから
それぞれの
背中に淋しさを背負ったまま ....
大好きすぎて
淋しさに震えるくらいだった
何億もの声を
あなたに聞いて貰いたかった
承認欲求が満たされれば
つぎは自我欲求のステージさ
愛を受け容れて貰えれば
....
セイタカアワダチソウは
アレロパシーによって
攻撃物質を出して
他の植物を全て枯らしてしまう。
しかし、そのうち、その毒で
自分自身も枯れてしまう。
自分の事ばかり考えていると
自滅 ....
夏の始まり
山へ向かって
坂を駆け上がり
坂の上の神社から
振りかえった僕の目の前には
静かな港の防波堤の内側
鏡のような水面が見え
防波堤の外側には大きな青い海が広がる
水平線に見え ....
文字が空から降ってくる
あられみたいに降ってくる
だけど地面は乾いたままで
溶けることなく積み重なる
文字、文字、文字、文字…
文字が空から降ってくる
僕らの周りに降ってくる
それは ....
海岸沿いをレンタカーで走った
波しぶきが空にあがってゆくのが見える
それが雲になって風を待ちかまえている
すべての雲が
そんなメカニズムでできている訳ではない
でも二 ....
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小さい頃の僕は
捜している物はいつも
手の届くところにあって
幸せだった
それが一段背が伸びた頃から
少しづつ遠くなった で ....
春が来るたびに
色が褪せて行った
女はテーブルに きいちのぬりえ を開き
サクラクレパスで塗って行く
夏が来るたびに
心が剥がれて行った
何ひとつ帰り来ぬ家の 何ひとつ得られぬ部屋で
....
白紙のラブレター炙ろうとして燃える
あなたがくれたのは、ムーンストーンのピアス
ほんとのお月さまがなくなったら寂しいだろ、だって
ちょっと救われた、そんなこと言わないけどさ
※ちょっと蛇足
君の笑顔
柔らかな手
涙に濡れた頬を
君のハンカチが拭う
もう会えなくても
いい
震えている声が
君の胸をえぐる
君は僕の友達
君は詩人
想いのたぎりを
言葉に現そう。
....
ふるさとは選挙のときだけおもうもの
震災より選挙にそなえる身の軽さ
国民のためってどこの国だっけ
国会中継やるたび下がる視聴率
議員報酬出来高制にしたらいい
金バッジ相続 ....
小川のような楽譜を背泳ぎして
フルートを手にする君
瞳を閉じた音色は
君の夢をまさぐって青い湖に案内する
歌詞はそこで一隻のボート
僕は向かう方向に背を向けて
ひたすら歌いながら漕ぐ
....
梅雨の晴れ間を見つけたら
迷わずそこに走っていこう
雨の季節は確かに素敵だけど
この晴れがとっても素敵だって分かるから
ないものねだりは人の常
他人の芝は何色 ....
四谷のルノワールの2階で母に会ってから十年がたつ
立派になったわたしを見つめながら珈琲を飲む母が
そのときはたまらなく悲しく寂しく辛かった
今朝からの豪雨がいまは晴れている
....
「怒」
怒れ
とりあえず怒れ
開けろ
風穴を開けろ
亀裂でもいい
そこから侵入しろ
浸透でもいい
じっとり考えながら浸透しろ
正義ではない
生活だ
....
釣り堀の釣られる魚釣れぬ人
JR三鷹で降りて桜桃忌
短夜や痴豚のラジオ聞いており
南天の花に雨粒直撃す
夏至の日が一番嫌い吸血鬼
藻の花や子供に会えぬ日は続く
....
黒い木陰に巣くう羽根音
砕いた殻墓 添うて鳴く
まみれた草にのけられた
くちばしこもり 膝の上
はばたき とどまり うちふり さえずる
影に塗る 黄緑 黒 音は チチチッ
うま ....
この世でいちばん無用なものはなにかというとじぶんなのだが
それでは書き手がいなくなってしまうので
とりあえず駄文を綴れるうちは生かしておこう
いつも思うのだがじぶんを生存的に維持するだけなら ....
雨いくつか
ふりそそぐなかで
思いだしている
傘をさすのをあきらめて
抱きあった
抱きあえば
しんまで濡れて
雨ふるふる
あきらめる
いまごろどこかで
かわいて ....
雨のあとが
ヘッドライトに黄色くなって
たぶん労りのこころを照らしている
ワイパーが運動している
ゼロに戻ろう
この空虚に
茫然としつつ
雨の横断歩道を見 ....
ケント紙の家の中で
リンゴを煮ていると
蟻が集まってきて
椅子の傾きを直してくれる
サーカスのあった夜
話もないのに
冷蔵庫を開けた
‬
お金を数えていたはずなのに
気がつくと
銀行の人は星を数えていました
こんなにたくさん
どうやって集めたんですか
と尋ねるので
生まれた頃からあったと言いました
使いきれない ....
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