その泡は未来を保証するものではなく
ただ覚悟を映すもので
眠りから覚めたとき
えがいた夢から突き飛ばされた
触れられぬ茨に
落ちた涙は意味をなさない
溶けるまぼろしは
....
鳥も帰らぬ街の残骸
その真上にも空が拡がる
空には厚い黒雲が犇めき(ひし)
雲の凹凸にたくさんの泣き顔が
泣き出す雨の一粒一粒が
いのちのかけらであったため
泣き出す雨に佇んだ
涙袋が途 ....
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撤退する? しない?
引き際ってあるのかな?
方向転換? 戦略的撤退?
心が悴んだ?
景色が急に日陰した気分?
....
いっせいに
電気がきえたので
きょうは
星がみえた
痛みは
たくさんあるけれど
間違いは
ひとつもない
かなしむひとには
....
やわらかく
冷たく
甘い
蜜のかおり
深々と吸いこむ
吐く息に
漏れる体温が
表面をかすかに湿らせる
そっと
唇をあててみる
....
鮮やかになる
きみのこと
越えてしまう
傷口
焼かないで
冷静に唄う
ゆらぎの途中
ひらいて
むすんで
折り鶴は
灰になる
緩やかに
時は
さみしさと
むかいあいながら
深呼吸する
いろいろな隙間に落ちている
優しさを拾います
たとえばこんな糸くずにも
思い出がからまってます
洋服の裏についた
予備ボタンみたいに
ある日必要になったからといって
どこに置いたかな ....
イマジナリー スーサイド
マニック ヴァン ヴェートーベン
ノイズ エクスペリメンタルミュージック
指揮は ぼくが執る
前髪を垂れ流し 身を屈め 全身全霊を
指揮棒へ注入する
充填さ ....
白骨の風車がくらりと回りきいと短く鳴く音を
追い吹く風の層を縫ってゆく錐揉み状の脊髄の
末端の熱っぽい鋭さから染み込んでくる甘苦い味の
粘付くまろやかな思考感触が忘れられない
蒼黒く鋼 ....
悲しみが止まらない夜
涙をおくる腺がどこかで
切れてしまったようで
泣こうとしても涙が出ない
悲しみだけが
ぶくぶくと腹の底から
湧いてきて
行き場をなくした涙が
身体の隙間を埋め ....
あの頃
なんて根拠もなく
幸せになれるって
信じてたのだろう
また
友達が自死した夜明け
陽は射した
前触れは
あったのに
解けない知恵の輪
笑顔で育てた雨雲
陰影を這う蜥蜴
心電図と信号
今朝からの気温
変わらない気がする
私の今日をふとふりかえる
足跡があると
思いたいのも認めて
暮れる空みる
みな帰れよ
それぞれに帰れよ
祈りとかくのもおこがましく
指 ....
タコ焼きやさんは足ぱんぱん
寒い日、雨の日、足ぱんぱん
市役所さんから立ち退き命令
とおりすがりの常連さんたち
ゆるい反対してくれるけれど
タコ焼きやさんは足ぱんぱん
....
行方不明のオーパスは
タリーズコーヒーにもスターバックスにも寄ることなく
ファーストクラスで西へ向かう
上空には虹が
虹という漢字はなぜ虫偏なのだろう
空から魚やカエルが降るって
....
引き潮の方が
こわいんだよね
あの日
つぶやく君の瞳に
夕やみが射す
たとえば
雲が割れて
四次元の
強い力で
そんなふうに
君の心は
全霊の
海の総意だ
引 ....
ツイッターで
熱が出ました
暑気あたり
傍若の海
嗚呼
欲しいのはリアル
ことばでも
停電でもない
ぴったりと
隙間もないくらい
肌とはだ
重ねてたいよ
お叱りとか ....
朝が降り
からからと
ブリキのバケツを揺らすと
ふいに
言葉がかなしくなって
ぼくはきみの舌に
しずかに鋏をいれた
泣かな ....
今朝は寒かった
故郷の朝を思い出した
近づいては遠ざかる 除雪車の排気音 タイヤチェーンの音
サカモトさんと うちのとっちゃがやっている 雪かきの音
屋根からの小さな雪崩が サ ....
あしたはさ
天気になあれ
鮮やかに
空を射れ下駄
今は雨だが
ぼくは きみの手に 導かれ
太陽に 触れる
太陽が輝いている まだ 何色でもない
太陽が 沈む ぼくに
巨大な 火 焔
太陽が 沈む ぼくに
太陽の 中の ぼくの 中で 太 ....
.
数の世界はその抽象にこそあるのです
具体をいかに豊富に積み込んだ抽象
を構成するかが数を究める者の課題
ここに数とは宇宙を開示する抽象のすべてをいう
.
それならば詩とは数なの ....
私のかいてるものは
ほんとうに詩だろうか
詩に見せかけたいいわけじゃないだろうか
あのひとが離れていったのも
そのせいじゃないだろうか
昨日地球はまるかったけど
それもほんとうなの ....
牙を剥き出しにして
笑う貴方を
私は恐怖としか
感じてはいない
歪んだアナタを
大切にしたい
穏やかに笑いたい
かなしい
そういったきり
うごかないきみ
ネジがきれたのだと
せんせいがいっていた
ゆるがないじぶん探して
ひとは旅にでる
そうだ、ひとは
だれもがじぶんの人生の
じぶんが主役なのだから
ゆるがないこと
じぶん以外にゆるがされてしまう
じ ....
動ける者に告ぐ
動いてくれる事を
批判する者に問う
今必要な事は何なのかと
この言葉が届けばいい
言ノ葉よ言霊よ
どうか私の気持を運んでおくれ
風にのって
丘の向こうへ
....
ほら横なぐりの
ぼたん雪のなかを
回送バスがはしってゆく
窓を曇らせ
満員にひしめいた乗客の気配だけを乗せて
がらんと無人の灯りを点して
回送バスがはしってゆ ....
転がった寝床は宇宙の底で
手帳の残りページは一桁になった
時代を象る歌手が耳元で泣くのに
チョコレートを食べたあとの罪悪感は
どこにもいかない
銀河は君の傍にいて
僕は一人
多次元座標に ....
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