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パリのオペラ座のすぐ横のキャフェ
ぼくが好んで座った席の
もうギャルソンと呼んではいけないムッシュは
ドラキュラ伯爵で有名なクリストファー・リー氏
そっくりのパリジャンだった

でも笑った ....
きみと最後に観た十五夜は
もうどのくらい前だったのだろうか

きみは教えてくれた
中秋の名月はもともと中国から
伝来したものだと

ぼくはそれは知っているよときみに答えた
じゃ十三夜は ....
気がつくと窓から射し込む
光の色が朱から濃い藍に
変わっていこうとしていた

ああ、もう陽が落ちる時間が早くなった
ぼくは窓に眼を遣るだけで
ソファから立ち上がらなかった

此処に移っ ....
人生はだれに取ってもほとんどが
ハッピーじゃないから

それを骨身に沁みて知っているひとは
ハッピー・エンドを愛する

それがどんなに絵空事であったとしても
ハッピー・エンドを愛する
踊らないか ぼくと一緒に
踊り尽くして一生を終えないか
そうすればきみの一生もぼくの一生も
意味あるものとしてこの世を去れる

だからぼくと踊らないか
壁の花になることはなく
ホールのセ ....
雑草にも




名前はある
生あるものすべてに
訪れる【死】
それは公平であるかの様に想える

だが去し方は
安楽もあり
突然もあり
残酷もあり
凄惨もあり
その【死】は
ひとそれぞれ

故に【死】は不公 ....
ある用事があって久しぶりに
母校の大学の図書館を訪れた帰り坂

どこかから何かを燻らしている様な
芳しいとも苦っぽいとも想える

懐かしいような想い出したくない様な
薫りが否応もなくぼく ....
希望と呼ばれるものに
過剰な期待をしてはならない

希望だってぼくら以上に忙しいんだ
あちらに希望を失いそうなひとがいれば

どれだけの遠い距離であっても希望は駆けつけ
そのひとに寄り添 ....
これはあくまで

ぼくの私的見解だけど

床上手は

明らかに

料理上手や

掃除上手や

その他 家事上手に較べて

差別とまでは言わないけれど

見下されていると ....
暫々 努力を称える名言として
エジソンの残した

天才とは1%の閃きと
99%の努力だとの言葉が
引用されるけれど

それをぼくなりに解釈すると
99%の努力をしても
1%の閃きがな ....
ぼくは競馬をギャンブルだと言う奴を
どんな非難を浴びせられても大嫌いだ

競馬馬が背負っているのは騎手じゃない
彼らが乗せているのは
多くのひとたちの夢や希望や人生の投影なんだ

その馬 ....
映る風景はモノクローム
桜の薫りも漂うことなく

また春の一日が暮れてゆく
黄昏のなかへと溶けてゆく

誰とも逢わなかった一日が
誰とも話さなかった一日が

昨日と同じように無表情で ....
風吹くな
心が寒い

風吹くな
手足が凍える

風吹くな
誰かを抱きたくなる

風邪引くな
寝込むことになる
赤ん坊は何故生まれてきてすぐ泣くのだろうか

それは優しい世界から厳しい世界へと来たことを

すでに知ってしまっているからなのだろうか

生の悲しみをすでに知ってしまっているからなのだろう ....
なぜあなたは顔を少しだけ見せて
ほかの所へ行ってしまうのですか
諭吉先生は僕を嫌ってるのですか

聖徳太子はそうじゃなかったのに
僕に寄り添いつづけてくれたのに
聖徳太子は僕を愛してくれた ....
ひとには


信じようと


信じまいと


神に祈るしか


ないときがある
テレビのニュースで古いビルが
爆破で解体されるシーンを観た

ビルはぼくが生まれた年に
建設されたものだと知った

解体の理由は老朽化ですと
アナウンサーが喋っていた

ビルも古くな ....
ひとはいつ自分の間違いに気づくのだろう
だれかが去っていってしまったときなのか
深夜に目醒め眠れぬ夜を過ごすときなのか
満員電車で家畜の様だと想ったときなのか

あなたはそれに気づいたこ ....
帰る故郷を持たない
それは誰からも同情されないひとつの不幸

行き場を失った男は
街を彷徨い帰る場所を捜す

しかし もともとなかったものを
どうやって見つけるのか
それは判っているの ....
熱帯雨林の奥深くで
一本の樹が音もなく倒れる
遠い北の冬の海で
雨は海面を音もなく叩きつづける

彼が深夜 唐突に眼を開けるのは
そのどちらかの音を聴いた時だ
その瞬間 眼は闇の漆黒しか ....
subaru★さんのHALさんおすすめリスト(21)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
おもてなし- HAL自由詩6*12-11-3
片見月- HAL自由詩11*12-10-3
黄昏- HAL自由詩4*12-9-23
絵空事- HAL自由詩7*12-9-18
ぼくらは踊る- HAL自由詩6*12-8-23
- HAL自由詩3*12-8-2
公平と不公平- HAL自由詩4*12-5-29
燻製- HAL自由詩11*12-5-15
お務め- HAL自由詩7*12-5-8
私見- HAL自由詩112-4-23
天の邪鬼- HAL自由詩6*12-4-23
競馬(競馬篇Part.2)- HAL自由詩5*12-4-21
ささくれ- HAL自由詩18*12-3-30
冬風- HAL自由詩3+*12-2-26
出産ともうひとつの意味を。- HAL自由詩4+*12-2-24
おそれながら- HAL自由詩912-2-14
祈り- HAL自由詩512-1-28
ニュース- HAL自由詩4*12-1-17
彼の名残り- HAL自由詩5*12-1-14
_Deracine- HAL自由詩5+*12-1-14
寝息- HAL自由詩11*12-1-13

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