昨日と今日の記憶があれば
社会人としては上等なのさ
二日酔いでも三日目だってさ
会社に行けば金はもらえる
何に使うんだ
どこに捨てるんだ
好きなことはあったけど
好きじゃなくなっ ....
月は日のふりをして
夜道を照らしている
日のふりをする月を
ひとは明るいと呼ぶ
明るいひととは日を
受け止めているひと
月は日のふりをして
夜道を照らしている
日のふりをする月を
....
例えばこの手が動かせなくなった時
わたしはあなたに触れたくなる
例えばこの足が動かせなくなった時
わたしはあなたに会いたくなる
例えばこの耳が聞こえなくなった時
わたしはあな ....
ひょいと見ると出窓の内側で
そいつはいつものように
出窓に置いてある
真空管式の古いラジオに
じっと耳を傾ける
ビクターの犬のようだが
そいつは黒猫だ
出窓からは朝の港町の風景が広が ....
紅鶴をご存知だろうか
災厄という災厄を一気に引き受け
苦笑いをしている
あの嫌な鳥である
この鳥はしかしなかなかに美しい
羽など一枚も生えていないし
尾もない
何よりこの鳥には頭部が ....
炎天下を汗だくで歩いて
デパートに入ったら
ひんやりとして、幸せだった
しばらく涼んでTシャツの腕が寒くなり
外へ出たら
暖かくって、幸せだった
人の幸せなんぞというも ....
駅までの道にはなかった
信じられない
が
ホームでは
ゆっくりと背中を押す
きっと
迷惑がかかる
という被害妄想を
する人は
足を引っ込める
逃げ出すための
手段としては ....
いたずらな風にでも煽られたのか
薄桃色の世界が一瞬目の前にひろがった
※
男のひとは女性の下着に恋するものらしい
くしゃっとした
小さな布切れなのにね
でもそれは男の ....
いのちにあらわれる
きけんなものはいろにあらわれる
おとに
かなしくなるとねむたくなるねん
すいがらすてるやつ
そうなりたいそうでありたいそうってなに
ねころんで扇 ....
名前がない
出かけなくちゃならないのに
服装バッチリ決まった筈なのに
名前がない
急いで引きだし全部開けたのに
押し入れの布団まで出したのに
名前がない
ポケ ....
小さな頃は
空は遠い存在で
夕焼けに真っ赤に染まるとき
なぜかさみしくなりました
いつから
こんなに近くなった
手を伸ばしてつかめそう
雲がもくもく語りかけ
すいこまれてゆきます
....
確かめながら傷ついて
もう眠りたいって口癖
つかれきった憧れのしわを
今日ものばして額に飾る
寛大な理想
すきなようにいじってた
ちゃんとわかってるさ
だれかがみつからないだけ
....
右の輪と 左の輪を
ゆっくりと 近付ける
磁石のように 反発し合って
上手く 絡み合わないけど
元は 同じ 光の輪なんだ
算数の時間は 良かった
1+1=2
これに 疑問 ....
じぶんの柔らかなところや
じぶんの弱いところを知ってしまったひとを
それでもいいのだと教えてくれたひとを
うしなってしまったら
僕はどんなふうになってゆくのだろう
七年まえから
六年くら ....
give your love,
take your love.
泣いてるけどさ
君もどこかで泣いてるのかな
そんな想いさえ届かない
空は配達なんかしない
願い事だけ
かけられて星は重そうに
震えているから
笑っちゃうね
同じ数だろう人びとの数
....
<種類別> アイスクリーム(自称)
<体脂肪> 22.0 %以上
<内臓脂肪> そこそこ
<原材料名>
怠惰、臆病、猫背、妄想、未練
安定剤(貧乏ゆすり)、乳化剤(溜息)
....
道をしへ山の小川の調べかな
{引用=※ 「 道をしへ 」とは、「 はんみょう 」の事である。}
ピリピリとした緊張感
ジリジリとした外気圧
タラタラと落ちる
粘度の高い汗
ズブズブ沈み込む
液状化したアスファルト
ユラユラと揺らめく
水蒸気の先の遠景は
妖怪の吐く息 蜃気楼
....
未曽有の災厄のせいで
全ては灰燼に帰した
荒廃に阻まれて
再生までは長い道程が必要だろう
しかし
僕には一縷の希望が見える
新しくやり直すことが出来るんだ
....
貴方の
書いたものに
触れると
エロティックな気持ちが
じわっとする
冷房の効いた部屋で
素肌に
猫を抱くように
太陽の匂いのする
真っ赤なトマトを
果汁が滴るのも ....
あなたの 一言で
浮かぶ 情景
風情が 有るね
夏になると
風鈴 チリリ
虫の声と 相まって
か細く けれど
心には 強く 響く
江戸風鈴の
番組を 見ていた
職 ....
あなたがはしごを外してきた
ぼくがそこから落ちずにいるのは
愛なのか意地なのか
エヘンと黄と茶と黒の顔をして
ぶっとい緑の背を見せて
おおきな葉っぱで
おいでおいでをしておいて
あな ....
楽しいのもぼくひとりきり
悲しいのもぼくひとりきり
宇宙の
太陽系の
第三惑星の
そんな炭素の塊の
土くれみたいなぼくだった
守れるのはぼくひとりきりしかいないと思った
傷つけるのもぼ ....
7年まえもそうだった
心がわりにはじかれて
ぼくは駅の構内で
ひとりぼっちになってしまった
拒否すれば現れる
注げば閉じられる
ぼくはこんなに幸福なのに
7年 ....
回線の影が鳴り始める
たくさんのおまじないを用意して
咲かせたい花があった
くるくるとダイヤルをまわす
つながらない番号はないはず
私だけ 年をとってしまったわ
陸橋を運転しな ....
箪笥の整理をしていて見つけたTシャツ
ぎゅっと胸に抱くと
懐かしいあなたの香りがしました
それはずっと昔、あなたからもらったもの
少し色褪せた白い布地に大きく描かれたオレンジの花
「この ....
ゆれうごいては
もがいていた死人が
たしかにわたしだった
となりでふるえているだれかが
だれなのかさえしれない
くるしい、
くるしいとうなだれて
はげしくおうとした
なつのあつさがじり ....
助けたい
気持ちはあっても
自分には
助けられない
ときもある
そんなとき
自分が可愛いから
何もしなかった
とは思わないで
救えなかった
ジブンを
責めないで
運 ....
たぶんあのとき
奪って逃げなかったのが
答えだった
ぼくのなかの
ぼくたちの
晴れた日で
季節が傾いて花は咲いていた
たぶんあのとき
立ちすくんだことが
答えだった
わ ....
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