あの歌が気軽に歌われていたころ
あの歌のことはみんなが
わかっていた
あの歌が
気軽に歌われていたころ
あの歌は
線路の上で寝そべったって平気だった
あの歌は
いくらお酒を飲んでも
 ....
無量無辺のこのことを
寄る辺なき時代の卵白が包んでいる

さかさまつげを背にして眠る
わたしたちの
やさしい負けはいつの日も決まっていて
いつか必ず
だれの目にもとまらない場所で
 ....
朝日の足跡はみんなのあくび

夕日の足跡はみんなのただいま


とことことこ


雪の足跡は清水

花の足跡は蜜

夏の足跡は実り

北風の足跡は落ち葉


ぱたぱた ....
ドアを開けるとそこは青く燃える森

新緑が手招きする

音をたてずに消えるドア

風が吹き込み髪と遊ぶ

進む度に木々が芽吹く音がする

足跡から植物が生まれ枯れていく

手を ....
ゾウのすむ森
という名の運動場
いちばん小さいウタイは
頭を振っている
振り子みたいに夕暮れ時
歩いてやり過ごす二頭をよそに
空中に鼻をしならせ
耳朶で風を鳴らすよう
右に左に頭を振り ....
女子マネがいるとこには負けない 何のことはない

君自身が落し物なのだ



たとえば君が左のエレベーターに乗る時

右のエレベーターから降りてくる

すれ違ってばかりの斜に構えた運命が

今日も君を捜してい ....
風が冷たい
身体が冷たい
だけれども街から溢れだす明りは
なんだか暖かそう
溢れ出す人々は優しそう

私がぽそぽそとつぶやく
他愛のない言葉に
そうだよねと
頷いてくれているようだ
 ....
 外山先生はまた、立ち上がるとホワイトボードのまえでしばらく考えてから、青い字で、

 わたしはここにいます。

 ……と、書いたの。

「たった、一行ですが、これでじゅうぶんだと思います ....
光について語ろうとして
君について語ってしまうわたしを
どうか許してください

闇の中を歩くのは怖い
すくんでしまう足を
立ち止まる背中を
導いてくれる光

君はやっぱり光なんだ
 ....
 
紅白歌合戦に誰がでるのかとテレビは繰り返し

コタツに老婆がひとり

印刷された年賀状に「今年も健康でありますように」と、娘に書き添えた



 
大海原は苦手だ
小さな滝壺を庭にしてひっそり暮らした
時々、「見晴らし岩」に座り、遠くを眺めた。

渡り鳥のような大空は苦手だ
見捨てられた小さな神社が裏庭だった
時々、「千年杉」の枝から ....
晩飯は王将にしよと詠んだら餃子ぐらいはタダにならぬか 法則を聞いてみる

雲のうえに

青空に

ひかりに

法則を

発見せずに

決めつけずに

雲のうえに

青空に

ひかりに聞いてみる


市電がとおる
 ....
風が
やすやすと
国境を越えて
やってくる

クリスマス寒波に
背中を丸めて帰りを急ぐ人の
ひとりにひとつ用意された家路をたどれば
夜に沈んだ土地に
ぽつり、ぽつりと
灯りがともさ ....
いま
言われたいことが
転がっていない夜
灯りは決まって
白色の町
自転車で抜けて
風も無い
向かいっ風も
追い風も
泣いていい理由ばっかが
ダイヤモンドの原石かのように
水を掬いましょう
ただひとつの命も救えないのなら
水を掬いましょう
掬って
飲みましょう
ただひとつの命も救えないのなら
せめて
この命だけは救いましょう
なにくそと
 ....
ただ見ているしかなかった

こんなに弱い俺なのに

なんでかそれを見つめていた

そんなつもりもなかったのに

しがみついていたのだと

押し流されるのを見つめていた


理不尽?

無常?

離別
 ....
吹雪く雪の中 飛ぶ白い羽音
ひき風 ひと飲み
とどろく 心臓の火

まつげに擦られる 粒氷
ひりひりと まっすぐに溶ける
荒れるな 空
痛めた体を 巣に眠らせるために

銀河吹雪 渦 ....
濡れた千円札 自販機の前 月はあなたのように
影をしたがえて夜を照らす

夜はあなたのように昼をしたがえて
星のもとに戻す

愛は醸成された悲しみの塊で
いつもその貌を変える

僕の道程は幅広く豊かで優しい表 ....
ぼくは立派なあほでありたいが、生憎まだただのあほだ。



 ぼくは幼少期の頃から、「ありがとう」と「もうしわけない/ごめんなさい」が正に、漢字の「謝」のように表裏と感じられて、どう ....
どうしても言い出せずに
降り積もってしまった言葉の灰を
掻き出す術もないまま
人気も疎らな遊歩道をそぞろ歩く

いつまでも辿り着けずに
色を失くした街を漂う吐息の白を
飲み込む術もな ....
 
奥の虫歯が痛かったので
バスに乗った
バスなんてないのに
歯なんてとっくの昔に
なくしてしまったのに

強風波浪注意報の町で
希望、という名の音楽を買った
嬉しいことが
少しだ ....
(ようやく、外山先生の絵本教室が始まった……)



 鈴木さんの絵はおそろしくヘタだった。
 画用紙だと思った紙はよくみると、カレンダーの裏紙で、そこにクレヨンと水彩絵の具でわけのわからな ....
メロディーは まばたきに似て

吐く息は 山をさまよう霧に変わり

心のきらめきは 星よりも激しく燃える

遠く町の灯火が やさしい

やがて静かな会話がはじまり

凍りつく 寒気 ....
去年のバーゲンセールを思い出す この時期は いつも
街は人気のない朝を迎えることが望ましいと思える
毎日のように目黒川から発散される吐き気のする匂い
ぼんやりと 女や子供に似た 不気味で 不 ....
いつからか
いつからなのか
延長戦に突入した
そのときを見過ごした
イルミネイション
唱えるたび
蒸気の純度が増してゆく
過剰にいきてる
いきすぎてる
その確信を
嗤うイルミネイシ ....
良い人は扱いやすさで軽んじられる
良い人は時に利用されて捨てられる
良い人はもてない分だけ深みが増す

男女交際において
良い人という呼称は決定的なダメージの象徴だが
良い人が好きだ

 ....
あしたも朝から会社だった

こころやからだを使う仕事だった

思考や感受性をフル回転させながら

自問自答や己の正当化をくりかえしながら

反省や確信を行ったり来たりしながら

お ....
subaru★さんのおすすめリスト(5159)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
線路- 藁谷 正 ...自由詩512-12-28
陰をあたえる- 平井容子自由詩1712-12-27
足跡- 小原あき自由詩11*12-12-27
幻森- 暗闇れも ...自由詩312-12-27
振り子- salco自由詩10*12-12-26
女子マネがいるとこには負けない- 北大路京 ...自由詩612-12-26
気休めという天使に足を踏まれた聖夜- ただのみ ...自由詩19*12-12-26
街の明りは溢れだす- 灰泥軽茶自由詩6*12-12-25
あずきの恋人_(連載⑤)- たま散文(批評 ...11*12-12-25
光について- 小原あき自由詩8*12-12-25
コタツ- 殿上 童自由詩25*12-12-24
日々の物語- 空丸ゆら ...自由詩1912-12-24
- 北大路京 ...短歌512-12-24
信じる- 吉岡ペペ ...自由詩812-12-24
No_Country- そらの珊 ...自由詩1512-12-24
風の無い町- もっぷ自由詩812-12-24
すくう- 小原あき自由詩17*12-12-23
離別- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...312-12-23
雪とナギ- 砂木自由詩10*12-12-23
濡れた千円札_自販機の前- 北大路京 ...自由詩212-12-23
ムーンフェイズ- 梅昆布茶自由詩1112-12-23
ぼくは立派なあほでありたいが- すみたに散文(批評 ...412-12-23
雪になればいいのに- nonya自由詩28*12-12-22
さよならの町から- たもつ自由詩1212-12-22
あずきの恋人_(連載④)- たま散文(批評 ...11*12-12-22
クリスマスツリー- ぎへいじ自由詩14*12-12-21
受けいれた暴力- 番田 自由詩212-12-21
イルミネイション- 三田九郎自由詩2*12-12-21
良い人- 梅昆布茶自由詩19*12-12-21
いつか分かる日が- 吉岡ペペ ...自由詩612-12-21

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