ビーズ
霜天

街にはビーズが散らばっていて
きらきら きらきら
あちこちに染み渡っている
信号待ちの隙間に
自分の色を
みんな拾い集めている

窓には夏がはめ込まれていて
静かに 静かに
深い青を重ねている
ガラスに反射している香りを
深呼吸と一緒に吸い込むと
遠く懐かしい街の匂いがした


そっと通り過ぎた雨の後で
夏の始まりを手繰り寄せると
アスファルトの上でビーズが跳ねた
ばらばらと ばらばらに
自分で自分を探してる
季節の流れに乗りそこねた飛行機が
ごうごうと
僕等の頭上をかすめていった


自転車で昨日を振り切りながら
きらきらと 散らばっているものを
どこから零れてきたのか なんて
眺めている
拾い集めてる
自分 を

信号待ちの隙間で


自由詩 ビーズ Copyright 霜天 2004-07-13 02:11:58
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