ハリー、ハリー
霜天

奥まった場所に入ってみると
未開封のまま使われなかった気持ちがあって
いつだってつまずきながら走り抜けてきたこころだから
止まらない雨に洗い流されてみたいときもある

ハリー、ハリー
誰かが言ってる
急かされるように加速する時代だから
手にとって眺めることもできなくて
走りながら使い切れなかった気持ちが
この世界には積もり始めてる


止まれない僕は止まらない世界で
未開封のまま使えなかった気持ちを
どうしてもどうしても届けようと
止まらない雨に出会っては
押し戻されるみたいに流されている

ハリー、ハリー、ハリーアップ
誰かが叫んでる
急かされるように加速する僕等だから
深呼吸することもできなくて
僕等には酸素が足りない
もつれる足を確かめることから
止まらない雨に洗い流された気持ちを届ける
あなたにあなたに 急げ急げ


ハリー、ハリー
内側で響いてる
急かされるように加速する世界だから
明日には止まってしまう なんて
無いなんてとてもいえなくて
だからだから
あなたに
ハリー、ハリー


とりあえず
この紐を解いてみることから始めようよ


自由詩 ハリー、ハリー Copyright 霜天 2004-07-11 18:54:39
notebook Home 戻る