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揃いの浴衣 鼻緒の赤
ミルクの河に浮かぶ きっと螢

源氏と平家が 仲よく飛び交うなんて
霊的な 絣の紺みたいです

(アトミックボムのランドマーク
鐘楼流し と間違えた外国人の夫婦の涙 ....
姉は鏡を持って出てきた
お母さんは?
と聞くと
買い物に行った
と言った

彼女は看護士をやっていて
だから、医者とは絶対に結婚しないそうだ
まだ、結婚に可能性のある姉が
希望をひと ....
私待ちきれなかったの
あの頃の情熱はもう私にはないけれど
あの頃のときめきは
今でも私の中に生きているわ

また私の好きな季節がやって来て
あなたと出会った頃を思い出したの

鮮やかな ....
同じフロアの同じ間取り
南西向きの小さなワンルーム
好きなひとの去ったベッドに横たわり
ひとりの男の死を想ってみる

駅前のスーパーで買い物を済ませ
近く有料になるとかのレジ袋をぶら下げ
 ....
なまなましい透明な輪郭ばかりが
声をともなって底からわきあがってくる。
止めようと思ってもとまらない
体が、ふるえる、ふるえる。ふるえながら
私はあなたのゆびばかりをしゃぶった。
止まらない ....
「モクテキは何か」
「今 何をユウセンすべきか」
「シテンをどこに置くかが重要だ」


(なんて
 ゴシドウくださるおかげで)


くちゃくちゃの紙クズみたいな
オツムの中は
ひ ....
湿り気のある空気が押しつけて

暗い灰色の空から落ちてくる
細い糸のような雨
歩道にあたり
無残に砕けて

この大地を黒く潤す
雨の残骸が田畑で生きて

静かな雨脚に日本の雨季はし ....
爪先で掻き分ける、
さりり、
砂の感触だけが
現実味を帯びる

ひと足ごとに指を刺す貝の欠片は
痛みとは違う顔をして
薄灰色に溶けている


こころの真ん中が
きりきりと痛んで
 ....
以下略とかかれた中に
コトコトゆれながら
姿をととのえて
目線を前に向ける

遠くからくるものの予報と
今から行われる今日は
ゴールの前に立たせながら
端から走れと耳打ち

涼しい ....
喜びのかたわらに悲しみはあって

そしてときどき
僕は盲目になる

あなたの細いゆびさき
ピアノをはじく繊細なおと
それはきっと記憶のなかでのこと
あなたの器用なゆびさき
ヴァイオリ ....
サバンナの毛並み 期待のランナー
どこまでも駆けて行けって 願ってる
今までこれたのだから、これからもいける
わかったその日に ランナウェイ!

太陽光線の気持ちよさ 夏の日の匂い チーズみ ....
顔に影さし

世界を影絵に

ぼくが見たのは

宇宙の空

黒かった

淋しくて

自由だった

腰をつかい

恥骨を

きみの草むらに

撃ちつけた

顔 ....
夕暮れ、薔薇は香っていた
まだ残る夕光の中で
私は花びらをそっとむしりとる
指先がいとしくて
何かを待ちわびて


ふっと夏の透き通る波が
心に押し寄せて来て足先を濡らし
すべてを呑 ....
散り塗る おお 若い青年酔 っているかい。 ABC知ってるかい。 砕けろ もし
断続的に続く♯や♭の波
下す腹の拡散 ダンスするなら今 闇の中の渦 この呼吸器に 慰謝料を請求してみよう
ド ....
{引用=
きみのうたううたがすきだった
なまえもしらないうた、
ぼくのむねをかきたてる
きみのうたはそう、
だれのものでもないやつだった
いつもなんのまえぶれもなく、
はじまるのだった
 ....
ジャングルジムを覗くマンションが
瞼の裏に座標を描く
月から見えない場所で
星もない悴んだ空間を占拠する
空っぽのブランコを一瞥し
ポケットの中 手を突っ込み
旋回して竜巻を生み
つま先 ....
リスカする少女は
美しい海鼠を生むだろうか

海は流産ばかりしていて
今夜も凪いでいる
荒れる波の記憶はもはや遠い彼方
リスカする少女の腕は今夜も乾く

悲しい歌を名づけるもの悲しい行 ....
一面の草むらから、湧きあがる青い空。
向き合うわたしの窓は、青い空をもたない。
手にした一枚の写真を見て、
水を得た魚のように泳いだ海は、
黄ばんだ家族の笑 ....
自ら築いた家庭を守る
そんな当たり前の事ができなかったのだと
あのひとは言った

幸せそうな笑顔の傍らをすり抜けるとき
言い知れぬ悪寒を覚えるのだと
あのひとは呻いた

家族のために自 ....
世界が生まれて消えるまで
それをはかる時ならばいらない
、どこまでいっても自分
それを刻む鼓動の美しい機械に

     {ルビ内燃機関=エンジン}
    {ルビ回転速度計=タコメーター ....
重たい言葉を呟きながら
折った鶴はくずれた格好でした
尾なのか頭なのかわからない
二本のツノは怒っていました

指がふるえて
上手に折れないのですから仕方ありません
せめて淋しくないよう ....
長いこと 時間はたった


ずいぶんと 睫毛も 声も 痩せてしまったね、と笑う

それすらも

全部両手で抱えて持ってゆきたい 日常の風景のひとつだった



おぼつかない足取り ....
―あたためますか?


コンビニの店員から言われた。


恋をあたためてくれるなら
それはどういうものなのか
 ....
(サンタマリア)

あなたが女神だと
何かの本で読みました
あなたが女神でなくとも
その名前はきれいだと思いました

(サンタマリア)

いつか人は人の汚れにまみれて
いくつかの罪 ....
一念発起でもしたのか
寝ぼけ眼をこすりながらも
真新しいランニングシューズに足を通す

ちょっと昔だったら
恰幅が良いともてはやされた下腹を揺すりながら
近所の公園に出かけていった

 ....
キラメく 水を飲む朝の
ゆっくりとした 点滅球が
ぼやけて見えない

白 いイヤホン で 遮る笑い声
雨粒の 微動 もしくは波形
ぼんやりと眺める

踏まれている 足の痛み
知らない ....
心変わりをしたい
あなたなんか忘れて
知らないひとについてゆきたい
青い嘘だと知りながら
甘い言葉をささやくひとに
さらわれて夜の向こうに
ジプシーなんかのように
なだれこみたくて
誰 ....
プール清掃の前 ヤゴ捕り大会があって
捕まったヤゴたちは巨大なペトリ皿に移される
ヤゴはそれぞれの教室に置かれ、トンボになるまで観察される

子どもたちが最初に目にしたのは、なんと共食いだった ....
たっぷりとあふれんばかりに湛えて
こぼさないように歩く
ネットの海に棲む詩人が紡いでいる
いつまでも色褪せない
磨きこまれたナイフ
のような綴りに痺れ
少しでも掬い取ろうとつかんでも
手 ....
雨上がり
屈折した気持ちで見上げた空に
描かれた虹

一つ悲しみを乗り越えるとき
失くしてしまうものがあるとしたら
それはある種の光なのかもしれません

水分を透過して
感情の成分を ....
atsuchan69さんの自由詩おすすめリスト(7942)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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