薄暗い理科室には真っ黒な机が並んでいて
白衣の教師は訥々と…
橙の柔らかい光を放つ豆電球を見つめる
とても明るく
少女と目が合わぬように
見つめる
そして思い出す
暗い部屋にポツンと浮か ....
よるは毎日 くるものですから

みなさんどうぞ おきをつけください

よるはいつも たいようのあと

ゆめを見せに やってきます

ゆめというのは よるの現実 昼の残り香

すべて ....
死が芽生える時刻は
まよなかだけではない
少年の空想の内でも

子を産むこともまだ知らない
子宮の中に 細胞
は もう芽ぶいていた
医者が論文を書いている間に、
家族が茶漬けを食ってい ....
当てが外れた日曜日

キミという人物に


わたしは

また放浪の旅人だ


明日は

海の日だそう


ヒグラシが鳴かないことに

誰もまだ気づかない


た ....
希望の光を見た
間違いなく
失望の光を見た
間違いなく
今はこの手に
何一つ
彼女の体は
まったく
綿飴のように
消えてしまって
なるほど
あの岬で見た
あの夕日は
希望の光 ....
ささやかな私たちは
長い夜、ごとに膨らんでいく
収まりきれない部屋の、隙間に涙を込めて

名前を、呼ばないで
私たちを訪ねる人たちの
声がはぐれていくから


 月夜に
 ゆっくり ....
月のようでもなかった私は
君にうすぼんやりとした影を
もたらしたり
することもなかった

輪郭を
持ちはじめた気持ち
境界を求めてはいけなかった
あいまいなまま

分針が何度、 ....
昼間の学舎から見える
土の校庭に一人の少年が鉄棒に
跳んでは回って空中で止まった
入道雲の眩しく飛んで
彼は青い空に吸い込まれて消えた

壊れたラジオの蝉の鳴く
汗に滲む目が二重に響く
 ....
ぎざらめな夜に
公園の外灯で
待つ宵草の照らし出され
冷たいお茶を
とくり
とくり

間もなく携帯が鳴る
僕の悲しみに花が咲くよ
硝子越しに見た世界の
何かに 憧れたのか
足下に限られた世界の
何かに 追われたのか

求めた水場に
たどり着く前に
力尽きたことは
確実で

黒炭に足が生えたような姿は
かつて ....
地上から数十メートル上の星たちが
夜空の光を奪った

月は疲れた顔たちを照らして
電灯に負けそうな自分の存在証明を

セメントの大木はちっとも動かないでいる
そよいだ夜風を冷たく跳ね返す ....
星たちを耳に手首にぶらさげて羨望の矢をへし折る少女


「牛乳をスプリンクラーで噴射して虹がでるのを待ってるの。あ」


「おつかれさま。今度はあたしと遊ぼーね」蝶は埋められ、そして天へと ....
火の大輪が 咲きほこるのを 待った

ふたり 森蔭の 薄明の ベンチで...





おおきな 火祭りのピエロ 花火よ





ひかりの 満ち潮を ください ....
                      1997/03/19
もうじき刈り入れの始まる一面の麦畑の中を、

パラソルをさして散歩するのは誰かしら。

ミラージュ戦闘機のように、
 ....
ショーウィンドウを飾る
真夏のアイテムたちは 
誇らしげに季節を謳歌する

けれどそこには灼熱の光線も 
砂浜の輝きも届きはしなくて 
街の雑踏はただ息苦しくて 

日焼けした肌を ....
幸福を求めて空を見上げる
しかし空には何もない
幸福を求めて空を見上げる
そしてあるとき小石につまずく
ひざをすりむき大地を知る

私が愚直なのか
小石が賢いのか
地面が鋭いのか

 ....
どんな蝶でも蜜を求める花に
好き嫌いがあるように
あなたの望む花と
わたしのなりたい花には
どうしても相容れないものが
あるのかも知れない
たとえば地味目なおんなのひとがいて
百人のおと ....
山の向こうで漲る夏が破裂した
立ち込める白煙が遮ってしまうのか
爆音は僕の所まで届かない
気象庁の弱々しい宣言でそれが訪れたことを知っても
半信半疑なのは音が聞こえないからか
きっと弾ける前 ....
それは壊れやすいものでできていた

シャボンの玉のように
危うげに
きらきらと
風に舞いながら
全てに優しく見えた

時には硝子のように
透明であったり
曇ってしまったり
一度壊 ....
肩落として服でも選んでいるとき
迷信信じて 鏡割れぬとき

また私は 誰かの目線を頼ろうと
あふれる色の声を かき混ぜて

バケツを逆さにして
私の時間が止まる
居留守のドアと
逆さ ....
一. 

潮風が
子らの顔を
歓迎す

優しい匂いは
どこか懐かしく
私の心を
浮き立たす

楽しい思い出は
何年たっても
色あせぬ

わたしも
むかし
子供だった
 ....
おくさん わたしね
まいにち あぶられ
むされて もはや
なまもので ないから
あんしんして たべて   
ひとたびの雷鳴を合図に
夏は堰を切って
日向にまばゆく流れ込む

其処ここの屋根は銀灰色に眩しく反射して
昨日まで主役だった紫陽花は
向日葵の待ちわびていた陽射しに
少しずつ紫を忘れる
 ....
雨の祭典で
太鼓が鳴り
気が薄らぐ
植物が喜ぶ

スコールが降り
光の祭典で
電気が走る
風が吹いて

大粒の雨、雨、雨、
ずぶ濡れの女子高生
音の祭典
子供が怖れ騒ぐ雨
山よりも高く雲は聳えて
雲は天蓋として
瞬く間に紺碧の空を覆う
燃え立つような風が
一瞬にして地表の全てのものを清めると
卒然として雹
雹!
瑠璃色の雹がアスファルトに砕け
赤土に食い ....
夏は容易く永遠を擬態するので

僕らの意識の最も敏感な部位は

いつでも眩暈に侵されたままだ
暗い夜から
桜の木へ
落ちていく途中
わたしは足から
落ちようとしていた

美容院は何軒行っても
満足できないし
恥かしいくらい何度も何度も
求めたくなるし

ねえどうかしちゃっ ....
空に舞い上がる幾千もの羽根に
貴方は何をそこで祈るのでしょう
星はやがて堕ちて煌く術を失います
そんな無数にある星のひとつが貴方の心
どこでどんな輝き方をしていますか

空に指で描いた理想 ....
川で 手を洗おうと思ったのは
いたずらに食べた桑の実で
汚してしまったから

新しいランドセルが
川を覗き込んだ後頭部を倒す
沈んだ 目が水を見る
手をのばした
びっくりした友達のいる ....
かつて高貴なひとびとは
憂き世離れた恋に身をやつし
夜空を見上げては月に思い寄せ
浜辺を見やっては海に思い投げ
紫の綺羅 星のごとく

そのころ私のご先祖さまは
きっと真っ黒けに日焼けし ....
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