夕くれに
石版あって

陽炎はところどころで
愛の形を歪めたりする
(それは少しだけ
こころを削る)

(そうして悲しいものだけ
残っていく)
夕くれの
くっきりとした処に落ちて ....
空を飛ぶ うさぎが
いてもいい

綿雲と綿雲の間を
ぴょんぴょん飛んでいく

ついでにうさぎのしっぽから
青空のこどもがこぼれたら尚いい

うさぎの耳は何万光年先の
川のせせらぎを ....
わたしは猫であったかもしれない
黎明の月にひと声ニャーンと啼いて
死んでしまった猫であったかもしれない

わたしは何万年も前の骨であったかもしれない
アラスカの雪の底に眠る
まだ発見されて ....
線という表現を
鮮やかに創れば
春がぽたぽたと空の線から落ちて来られる

わたしはただの詩人であるから
世の中に支障のないように
春をしずくにしても
春に色をつけても
或いはジーパンの ....
朝がじっとしていると
お昼が朝を食べてしまい
その食い滓がたくさんの花になる
たくさんの花に虫が寄ってきて
管をのばして蜜を吸っていると
いつの間にか虫はそれぞれ夕くれで
管のさきから
 ....
― ふゆのひが蒸発していきます
空のあちこちでは春の光が芽吹いています
そうしてメールの中に春一番が吹いてます
あなたの文字もすこしだけあたたかくなりました ―

わたしはこの物語を折りたた ....
ぼくは声をあげたりする

うわあ

この星では
六十億の孤独がみんなと暮らしている

地球よ
ぼくの古里はここでいいのか

地球よ
この銀河で 水と空気と緑の孤独が
ぼくたちを ....
あなたは届いたり
届かなかったり
する

ふゆのなかでは
わたしはあなたにもぐり込んだり
息をとめたり とめなかったり
する

わたしは海のように
いくつもの約束を
忘れたり
 ....
おじさんはいつも何かにつまづいている
ずいぶん空が遠くなった

友達が少なくなったけど
仕事は増えた

良く知らないひとのことを気遣っている毎日
親しいひとのことはどんどん知らなくなって ....
いつまでもぼくは待ちつづけた
待ちつづけていると
いつしかぼくには重力が堆積して
不確かな形になっている

見上げると
空は鳥につかまって
ぼくの上を慌てながら広がっていく

ときど ....
すべり台から

マダアンナ

らいくあばあじんを

マダアンナ

すべらせる
すべらせる

(お手手洗ったの)

こだまする
こだまする

マダアンナ

夏のまっく ....
はじまりにいて 終わりにいて
ぼくたちはくり返しsexをした
着メロが枕元で鳴り続いた

夜の中ではおっぱいはふわふわして
不安定で
ぼくは必死に酸素を吸い続けた
かのじょは二酸化炭素を ....
海には
ばらまかれた空が広がる
雲はときどき
空を恋しがって飽和する
眩しいくらいに雨を降らせたなら
やがて雲は白い波になる

ふゆの海では
鳥は幾千もの残照と背中合わせで
お腹はい ....
静かなひかりありました
わたしなにも言いませんでした

歩いていると辿り着きました
足下に打ち寄せてくる全ての波の約束を聴いています

ずっと前のところにはずっと前のことや
或いはずっと ....
空には幾世代もの飛翔した軌跡が
白く重なり
海には幾世代もの尾鰭の跡が
果てるともない波を繰り返している

そしてぼくらはときどき
幾世代もの記憶の上に立って
詩を書いていたりする
ち ....
帰る家がない ほんとうに帰る家がない
廊下しかない 部屋がない 電気が点かない
真っ暗な廊下しかない 歩いていても帰れない
帰る家ではない
動物が居る 百万匹居る
五月蝿くて仕方ない
 ....
 ローリングする着陸機よピッチングだけはするなよ いざランディング
 懐かしい名前でふいに呼ぶ人のありそうで怖い乗り継ぎの島

 あの雲の影はほらそこ あの影の雲はあの雲 青い青い海
 雲は皆 ....
 危険です真似しないでねハブクラゲつんと突付くと面舵転進
 道脇のガードレールに何気なくアカショウビンが止まっています

 真っ白なリーフエッジと砂の浜 引き潮どきの{ルビ美=ちゅ}らさ島々
 ....
木漏れ日が
どうして丸いのか知っていますか
私は
丸くない木漏れ日を見たことがあります

金環食の瞬間を待ちながら
大勢のひとが
空ばかりを見上げていたとき
木漏れ日はどれもみな
大 ....
水晶の針の折れる音を聞いたことがあります
ピキンとも
ピリンともつかぬ微かな音

聞こえない音を確かめたかったのです
音がするものならばと
指先で二つにしてみたとき
まさか聞きとれるほど ....
なんにもしらない。
天の原振りさけ見れば春日なる三笠の山に出でし月かも、のほかに、
天の原振りさけ見れば、で始まる和歌があるなんて、
誰も知らない。
ただ数え歌のように啼くようぐいす平安京、と ....
 バイトの帰りによったラーメン屋で店員の話を盗み聞きしていた。いつも北京語で話している彼らが、その日に限っては日本語で話していたのだ。二人いるヒラの一人と、店長らしき中年の男、オーナーと呼ばれる男の三 .... チューリップは一つのチェンバー
親指姫を隠して
チューリップは一つのゴンドーラ
花の精を船で渡すよ

チューリップは一つのパラボラ
全波長、集光して
チューリップは一つのチュー ....
月が
川に映っていたので
石を一つ
投げ込んでみると

水ではなくて石

石ばかりが
ごうごうと流れているのであった

けっこう危険な川である

言葉の川 流れて行く
言の葉 ....
ミンドゥルはタンポポ
メアリーはやまびこ

ナルガエはつばさで
ポンソナは鳳仙花

ソナムーが松なら
マエミーが蝉

カルマエギはカモメだそうだ

北朝鮮の台風の名前は
どれも ....
ひとが壊れたり直ったりするのって
おもしろいね

生き物はケガしたり弱ったりするけど
壊れたりしないよ
それなのに人間は壊れる
病気になったり死んだりもするけど
ぶちっと聞こえて
壊れ ....
拝啓 個人の集合として社会を見るのではなく、
社会の一つとして個人を見てしまうあなたへ

お元気でしょうか。
衣食足りて礼節を知る、という言葉の通り、毎日、新聞の一面を見ては
「長島さんが脳 ....
「長江ですか。
 うちから電車で三日ぐらいです」
と中国からの留学生

遠いのか近いのかさっぱり分らないよね

例えるならば月

星々や太陽よりは近しく
雲よりも空よりも私た ....
にいさん 今 どうしていますか
風の音が聞こえます
ずいぶん強く吹いているようです

窓ガラス一枚へだてて
冷たい外の世界は
やっぱり
窓ガラスもう一枚へだてて
にいさんの部屋へ続いて ....
青きを踏んで
真っ直ぐなひこうき雲

簡単なようでいてなかなか難しい
水在らあらあさんのおすすめリスト(3565)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
石版- tonpekep自由詩3*05-3-22
かぐや姫- tonpekep自由詩2+*05-3-20
自己診断- tonpekep自由詩4*05-3-18
出会い- tonpekep自由詩2*05-3-16
メルヘン食物連鎖- tonpekep自由詩3*05-3-15
折りたたんだ後に- tonpekep自由詩3*05-3-15
古里- tonpekep自由詩2*05-3-8
ふゆのこと- tonpekep自由詩10*05-3-8
青いおじさん- tonpekep自由詩7*05-3-4
法則- tonpekep自由詩4*05-3-3
らいくあばあじん- tonpekep自由詩2*05-3-2
キスはsexが終わった後で- tonpekep自由詩8*05-2-28
冬物語- tonpekep自由詩9*05-2-28
波/リフレイン/- tonpekep自由詩6*05-2-26
地上にて- tonpekep自由詩7*05-2-25
帰る家がない- 第2の地 ...自由詩605-1-20
ヤママヤーの海と空から- 小池房枝短歌504-7-27
ヤママヤーの島から- 小池房枝短歌5*04-7-25
こもれび- 小池房枝自由詩7*04-6-20
こしかたゆくすえ星あかりのみ- 小池房枝自由詩9*04-5-24
啼くよウグイス- I.Yamaguchi自由詩304-5-7
ある電話- I.Yamaguchi散文(批評 ...2+04-5-3
さざめくかたち- 小池房枝自由詩204-4-26
レテの果て- 小池房枝自由詩6*04-4-7
まだ生まれない台風- 小池房枝自由詩6*04-4-5
観察日記、懐かしい人への手紙- 小池房枝自由詩3*04-3-15
社会の一つとして個人を見てしまうあなたへの手紙- I.Yamaguchi自由詩304-3-13
東する水果てる東国にて- 小池房枝自由詩504-3-7
今日は会えなかったけれど- 小池房枝自由詩704-2-27
ひこうき雲- 小池房枝自由詩9*04-2-16

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