陸があって
呟きがあって
知り合った
冬の夜に
繁華街の路上に
落ちた割り箸の
片割れみたいな
よごれ方は
気に入ってる
夏の
失明する真昼に
無数の甲虫が光って
あぶらぜ ....
剥げてゆく空の下
車輪まわり、まわり
金の音さらに、
さらに遠ざかりゆく
緑金の春に
*
やあ
俺は
くちべたなんだ
どういうわけだか
とても仲のよいはずの奴と話していても ....
一秒ごとに
とどまる
時間が
抜殻として
輪郭を残し
なだらかに
連なる
呼吸と
思考
いくつかは保たれ
いくつかは置かれたまま
ふりむけば
うすい
半透明の
殻が ....
指でつよく弾いた煙草追い風に乗って
柵の向こうの砂利に落っこちた
よく晴れた日
めずらしく暖かい日差しのなかで
弾かれた煙草ゆらゆらとのぼる煙
柵にもたれ掛かるのは僕
....
道を歩く
たとえば都会の中の
南北に良く延びた
見通しの良い、ゆるい起伏のある道
道の両脇に少し、窪地のように
段差を持って民家の屋根が見え
ちょうど腰の辺りにゆれている鍵束の
しゃんし ....
アスファルトに
心臓を打ち付けて
白線に
手を伸ばす
剥きだした 傷跡
指 は
震 えて
チェックメイト
後ろ指
指さない ....
AM4時
揺れ動く時間に
プレゼントを食べました
オレンジのろうそくに
渇望して
溶けていく 温もりの
輪に入って
暖をとろうとしたのです
舵を 探しました
一人乗り ....
冬の朝の肩口を
ふゆ
となぞり、柔らかさを与えてみる
100℃が滑り落ちていく、
白い学校から海までの坂道のなかで
袖をつかまれたまま
伸びきってしまうラーメンのような
(海はきらき ....
道路に落ちたセーター
片足だけのくつ
ブルーがつよすぎてこまる
町では
たくさんの
自転車が
倒れてる
BBSは
宗教戦争に負けて
家を飛び出した
おれは借 ....
病気になると みんな
入院すると思ってる
ずっと入院されていたんですよね
お見舞いに伺いたいのですが どちらの病院ですか
病院にいた方が 苦しくないんじゃないか
病院にいた方が 安心なん ....
黒い道路を
雨が流れて
激しい雨が
夜を始めて
光が映って
楕円に歪で
激しい
雨が
降って
鍵盤を
両手で
駄目な
両手で
ちぎれ
....
いつもの路地で歩を止めて
通りの向こうに目を遣れば
隙間だらけの
小さな町を
関係のない
繋がり方をしている
建物と僕と真鍮と
霊魂とドブネズミと太陽と
一つの器に雨が降る
笑顔 ....
骨と脳の間を
細く
傷つけて
線を引いていくような
砂粒を
一粒ずつさらって
ためつ
すがめつ
引かれた線には
流して
血液
のようなものを
ただ、薄く
川筋は浅はかな
....
埃がとれない
枠組の窓は青色のオレンジ
壁紙を伝って
薄目をあけてなぞると
手のひらに体温が付着した
温度何℃?
八月の休暇の名残
この部屋の床が風鳴りをたてながら沈めていく時
午後四 ....
どんな町にお{ルビ囃子=はやし}が鳴り響いて
どんな町で葬列が連なってんのさ
僕は家へ帰る
青と黄色と黄緑のガラス窓が
なにかしらハンマーで叩き割られて
キリキリ、と
破片が落ちてゆく床に ....
街に日が射して
コンクリートの
続く壁面が白く発光しているのを
たよりにつたって
あるいて
その擦り傷のようなざらつきの
わずかな影のさき
壁の尽きるところの
晴れや ....
熱く、季節が
とばされていくなか
黄金に、ビルが
白い、壁が、こんなにも
強く、握りつぶした飛沫が、散って
染め上げていくなら
いま、青ざめながら
....
日の当たる柵の上に座っている
町に何匹ものこがねむしは
踏み潰れて
鉄の車輪の
切りつける音は輪を描いている
灰とか
羽を
風が吹いたらめくり上げて
ひとつ眠って
目を覚ます頃には
....
季節はずれの
つよいひかりに照らされた目抜き通りを
影を焼き付かせて
まばらに人が行き交っている
真っ直ぐ南北に延びた道には
終わりも始まりも無さそうで
くるりくるりと仕掛け時計の太陽が円 ....
排気音が高く
高く空へ昇って
陸橋を走るぼくは
町並みに連なり
息づかいみたいに
浮かされて
白くあからさまな
積乱雲を
水平して
開けていくにつれ
早く
....
ひ花
世界中
熱燈が
爆ぜる
きれる
酸素は
よく吸い込むように
瞳孔は
閉じて
瞳は
開いて
炸薬仕込みの、
極々軽い光が、
散らせ ....
みどりいろに見えた空は
そりゃ当たり前みたいに青いわさ
そうやって
きかれりゃあ
そりゃあ
なんかいちまい
目に膜が
かかっとる
うすくて
透けとるのが
はがしてみやあ
....
Quartz
震えて
終わりと
始まりのないものを
区切っていく
切り刻んで
数をあてる
なにものとも
名づけられない筈の
私より薄くて
鉄も
昼夜をも含 ....
また、
また遡行していく
太陽が落ちない
360度の
上空を
周り続けていたような毎日
そんなころ
僕たちは
向日葵で
飽きもせず
追った
めくるめく
夏の息づかい
....
なみだというやつは
潤んで
ぷくりと膨らんだなら
ふるえ
映えたつめたい青色をくるりと丸めて
珠の中
ちいさな
とてもちいさな
気泡が
深海魚の呼吸音をたてる
ふたつ
もうひとつ ....
雨のなかに
すむさかなを
優しいひとくちでは
描けない
まだ
飲み干したはずの
模様がいつまでも海、で
花びらに
ふるえる風の光と影
それはもう
はるかに見失うよう ....
いつか 夏を 見たので 夏のことを ものがたり
旅を したので 旅のことを ものがたる...
やまと 吉野の 山なか で
灼熱した 午後 数刻の 焦点は ひび割れて
....
見上げれば星屑が眩ゆすぎて
さすらえば闇が深すぎて
若いぼくらは歓喜で眠れなくて
そんな国があった
言葉でもなく指きりでもなく
確かめ合った
赤い木の実を食べて
甘い草の根をかじ ....
070810
意味無し芳一の日記を読んで
日記を書こうと思った
中学二年生の夏
暑すぎる日はプール
雨の日はごろ寝
晴れたら自転車に乗って
....
揺れるものが
すきだ
ぶらんこ
はっぱ
おっぱい
おしり
ぷりん
せんたくもの
くもの糸
みずたまりの青空
海のそこからみたひかり
なみだとほほえみ ....
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