夢を見ていた
  長くて 怖い夢
  君が居た
  立ち止まって
  その手の甲に
  目を落とした



  どうして僕の目は
  君の目になれない
  目をとじて ....
アナタノ様ニ強ク
アナタノ様ニ優シク
生キテ行キタイト願イ

アナタノ様ニ儚ク
アナタノ様ニ美シク
死ンデ仕舞イタイト願イ

雨音ノ中デ彷徨イ
土煙ノ中デ{ルビ蹲=ウズクマ}リ
日 ....
あなたに会いに行くの
目覚ましより先に起き出して
まだ暗い夜明け前
雨もまだ止まないけど
大好きな曲を聴きながら

あなたの笑顔が見たいから
決めたことははひとつだけ
チ ....
溺れていく夏の海の傲慢を乗り越えて、原色
の光景にすべりこんでいく。速度を上げろ。
減速してはいけない。止まってしまったら、
たちまちにして恐怖がおまえをとらえるだろ
う。夏に生きる恐怖。夏に ....
風なんか
これっぽっちも吹いちゃいねえのに
鳴るんだよ
軒下によ
無理矢理引っ掛けて傾いた
風鈴が
ちりいんちりん となあ

おれは晩飯も早々に
枕につっ伏して
煎餅布団握り締めた ....
宛てたい心があります

傍目には
いまさらでしょうが
いいえ
いまだからこそ

伝えたいことは簡単なのに
前置きが長すぎて
床に散る便箋は増えるばかり
傍目には
綺麗な足元か ....
 {ルビ一歩=いっぽ}踏み出せばどこまでも
 この季節が続いてゆきそうな気さえする

 はやるきもち
 紫陽花とひまわりの{ルビ間=あいだ}
 入道雲の{ルビ構成=つくり}
 光のつぶ
 ....
放課後のプールサイドに一人きり石を投げれば割れる太陽


まだ細い腕もいつかはヘラクレス鏡にうつる半裸少年


肝だめし墓場を歩く君とぼく怖くないよと結ぶゆびさき


花火あがる綿菓 ....
夜の雨を燃す火があり
風をつかみ
家を鳴らす
屋根のかたちが
曇に映る
明日の水を知る花の群れ
遠い音を見て動かない


鼓動と鼓動のつながりが
水平線を巡っている ....
#51

 こんなにもたやすく
 上がったり下がったり
 きもちというやつは
 まったく忙しいよ



#52

 夏の終わりの頃に
 誰もがぼんやりと抱く郷愁は
 どこかし ....
まだ球根
ごめんなさい
誰にも迷惑かけてなくてよ

ほら見て
根も葉もない噂
大好きなんでしょ

血が出てる
ガソリンが欲しい

ちょうだい
もっと
ちょうだい


ほ ....
そうさ
僕らは迷いすぎたんだ
取っ手の無い扉は
押せば簡単に
開くかも知れないじゃないか。
ラジオからはアフリカの音、マリとしか憶えられ
なかった歌は、その美しさだけをカーテンの隅に
残し、此処に、初夏に、近付く朝がしんと明ける、

よく晴れた日の昼間でも電気をつけないといけな
い ....
あたしの踵にね
鈴が入ってるの

歩くたびにね
動くたびにね
すごく
いい音で鳴るの

お母さんがね

入れてくれたの

うれしいときは
すごく可愛く
なるの

怒って ....
   障子のむこうでは
   雨の簾が揺れています

   重なり合う影を
   私の分だけ
   一枚引き剥がして
   あなたの流れに
   耳をすませ
   聞き取りたいのです
 ....
両手の指と指の間から
音もなく零れ落ちた
赤い後悔
それらを また
両手で掬い上げようと
するのだけど
どうして
止め処なく 打ち寄せる嗚咽の波が
流れ落ちてまた僕は顔を歪めた

 ....
まぼろし あるのですか? ひとつください
わたしのあれと ぶつぶつしてください

おばあさん 拝んでいるのは 誰にですか?
その杖ください わたし欲しいです

杖泣いていますよ? 水をくだ ....
学校を卒業して
実家に戻った君から
普段と違う調子で
不意に電話が入る
ずいぶん遠い町に住む君と
昨夜同じ受話器から
おやすみと言ったばかりの僕は
醤油の有名な町で
働き暮らしていた
 ....
彼は今迄何度も転んで来た。 
愛に{ルビ躓=つまず}き、夢に躓き、
恋人の前に躓き、友の前に躓き、
鏡に映る、自らの{ルビ滑稽=こっけい}な顔に躓き、

振り返れば、背後に伸びる
長い日 ....
かどかどの
アボカドひとつ
テキーラ二杯
雨あがりの道を母と歩いていた

虹だ
おかあさん
虹だよ

ふりむくと母はいなかった

手の感触も覚えていない
母はよく左の胸をおさえていた
あれは母の癖だとばかり
思ってい ....
初夏の雫を集めた、里芋の
透明な葉脈の裏側で
夏風の子が
小さな産声をあげる
まだ、うまく飛べない

棚田の{ルビ畦=あぜ}に沿って
緩やかな曲線を描くと
早苗に浮かぶ蛙が
水かきを ....
いつまでも気付かなければ良かった
と思うことがある
熱帯夜の寝苦しさに目をふと覚ますと
わたしの知らないおとこのひとが
わたしの横で寝ていて
二つ並んだお揃いの枕と
ふたりで寝るには狭いベ ....
生活をここから始めます
一つ約束事

頑張ります
きっと泣きます
くじけます

いつか
隣に誰かいます

知らない街へも
恐れず往きますね

広げて広げて
たくさん愛して
 ....
性欲の対象にするということは
そんなにおぞましいことでしょうか
あなたをいとおしむ気持ちが
口淫へと私を導き
ただあなたの精神が天の高みへと
達することだけを
祈っておりました。
そ ....
シチリア島に太陽が降り注ぎます。
シチリア島に今日も太陽が降り注ぎます。
シチリア島に遺る文明色をした大理石の上に
今日も太陽が降り注ぎます。

文明色の上に女性が座っています。
太陽がひ ....
振り分ける少女の、

名前もない
痛む、芯も
未完成な少女の主題は
誰にも知られない、それだけの行く末

本を開けば文字に溺れた
さかなに、なりたかった
揺らぎ揺らすからだの線
 ....
バスでするな
バスで
私の周りだけが黒く縁取られ

切り取られ

夢か
リアルか

湯気が出ている食卓は確か

これは
夢の走馬灯

それとも
リアル

縁取りは
黒く
黒く
 ....
僕は
今日も
身の内に孤独を飼いながら
このまちを歩いている


人として話す言葉が
僕という存在の上をすべり
君はあくびをしながら
空を見つめている

長く暗い闇が明けた時
 ....
水在らあらあさんのおすすめリスト(3565)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- 草野春心自由詩606-7-22
アナタノ手ヲ振リ払ウ- プル式自由詩5*06-7-22
あなたに会いに…- bjorn自由詩4*06-7-21
溺れていく夏の- 岡部淳太 ...自由詩16*06-7-21
風鈴- かや自由詩6*06-7-21
絵葉書など- 千波 一 ...自由詩20*06-7-21
夏まみれ日- 日和自由詩11*06-7-21
【短歌祭参加作品】半裸少年- 石瀬琳々短歌24*06-7-21
水と響き- 木立 悟自由詩706-7-21
フラグメンツ(リプライズ)_#51〜60- 大覚アキ ...自由詩3*06-7-21
球根Sサイズ- アサリナ自由詩5*06-7-21
何を迷ってるの?- プル式未詩・独白7*06-7-21
白の発光体- 新谷みふ ...自由詩8*06-7-21
あたしの踵のステキな鈴- 初代ドリ ...自由詩7*06-7-20
べにさし- Rin K自由詩20*06-7-20
花一夜- 結城 森 ...自由詩2*06-7-20
創めた太陽- 土田自由詩306-7-20
駅・湯浅- たりぽん ...自由詩14*06-7-20
達磨の道- 服部 剛自由詩9*06-7-20
アボカド- ふくだわ ...俳句306-7-20
- yo-yo自由詩606-7-20
夏風の子- 佐野権太自由詩29*06-7-20
殺意- 恋月 ぴ ...自由詩42+*06-7-20
ブドウの蔓のように続いていく- 藤原有絵未詩・独白6*06-7-20
夢は増殖する- 七尾きよ ...自由詩4*06-7-20
シチリア島に今日も- ブルース ...自由詩3*06-7-20
仮想記憶- 霜天自由詩706-7-20
四国霊場八十八カ所巡礼- 遊羽自由詩5*06-7-20
フラッシュバック- 初代ドリ ...自由詩2*06-7-20
- 武富諒太自由詩9*06-7-20

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