雨が降ったあとに
小さな水たまりができました
大きなナマズが2ひきと
小さなナマズが2ひき
ナマズの家族が泳いでいました
泳いでも泳いでも
同じ場所をぐるぐる回るば ....
人を愛するとき
それまでことばにしようのなかった
あなたの中の大切なことが
はじめて
ことばになる
じぶん以外の何者かに
なれと言われながら
生きている人生のはざまに
人は恋をし ....
ららら〜るるる
僕が魔法をかけてあげよう
ほんのひととき
空き缶が倒れただけで
大笑いできる魔法
どれだけ頑張っても
報われないってことは
必ずある
いつか君もそれを知るだろう ....
低い雲が覆い隠す
放牧場のある丘には
みっつの風車が立っている
ぎゅおん、ぎゅおんと
海にむかって唸って
いるはずの刻
{ルビ霞=かすみ}のように薄い雲が
まわっている時間を
見えなく ....
僕の職場には黒猫さんがいた
黒猫さんの本当の名前は町田さんというのだけれど
何故だか誰もが黒猫さんと呼んでいた
僕はどうして黒猫さんが黒猫さんと呼ばれているのか知りたくて
社内の先輩た ....
愛しきものに残された
僅かな時間が
手出しを許さず
無表情に過ぎて行く
死の匂いのする
冷ややかな居心地に耐えかねて
虚ろに庭先ばかりを見ている
こんな哀しい歯痒さのなかで
無 ....
青空を見上げれば
真っ赤な太陽
木陰に入れば
セミの声
ランドセル降ろして
木に上る
基地を作り
一人だけの世界
メメちゃんが擦り寄ってくる
かまってくれと膝に上る
のどと ....
キミの夢を見た
次の日
なんか心が・・・空が
雲一つない
真っ青な空だった
南にむかって
角をひとつ 曲る
てのひらに
陽の照るように
ゆっくり
あなたのほほからたちのぼる
あたたかなあめの 午後は
甘くて
空をむかえる地べたのように
五つのゆびを ....
あなたが見つめている
それは、あたしという 物体に過ぎないの
だから あたしは空っぽになる
70%の水分を蒸発させて
早めにあたしを終わらせて
締まってる?ねえ仕舞ってる?
旅を続ける ....
このままの状態では
生きていけないと思つたから
突然おれは走り出した
走ればどうにかなるといふものではない
どうすればいいのか判らないから
走り出したのだ
人間の行為なんて
....
僕はその日ひたすら歩くことにした
僕はその日違う人生に挑むことにした
いつも目に入るのは
たくさんの人と一緒に見る
何もかもがまざり合った
灰色のもの
でも今日は違った
緑と時間 ....
わたしは感じてしまう
小綺麗に片付けられた部屋の
飾り棚の上で
あなたは仲間達と腕を組み
屈託の無い笑顔をこちらへ向けて
壁際に吊るしたドライスーツからは
泡立つ潮騒の音色がする
そんな ....
うち雨の日好っきゃねん
なんでなんでなん
だってな傘忘れたらおんなじ傘でくっつけるやん
あほな事ゆうてやんと傘持ってきなさい
ちぇっいけずやわぁ
すっきゃからええねん
....
5056回目のさよならの後に
ぱぺぽ降ってきたと君が言った
なにそれって聞いたら
さあって
ごめん訳分からんわ
最初はグーじゃんけんぽん
いきなりは無しやわ
あかんまたチョキや ....
あいさつと
自己紹介と
出身地なんかの
興味を忘れて
羽の生えた女の実在を聞いていると
「怖いの」と ひと言漏らして
後は互いに
陽気に楽しく なんだかとても
朗らかに ....
メモを取ることや
テープにとることや
ビデオにとることでは
とうてい足りないので
もう一度
同じことを
違う太陽の下で
言ってもらうことは
不可能だと気づいた時に
....
いつも気ままに飛び出してしまって
思い出した頃は
誰かが困った顔で探している
それを勘違いではないと
知ってしまっても
気ままさに抗うことなく
衝動にはいつでも素直に生きようと決めてい ....
苦しいことを
思い出した
あのころよりは
痛まなかった
忘れてもいい
そう許せば
自分の世界
守れるだろう
待ちきれない明日に焦っても
腑に落ちない理屈を並べても
スロ ....
いつまでもそばに置けない
縫いぐるみは
いつか別れなければ
ならないから
わたしの見ていない場所で
燃してください
お願い
捨てないで
燃してください
お別れは
跡形もなく
草の上に寝転んで
そのまま流されてゆく
ゆっくり
雲の速度で
いつもと違う道を通った朝
雨にぬれるゴミ置き場
あこがれの大きなゲーム達が
まるで泣いているかのようで
立ち止まって
ドキドキした
帰りに傘はいらなくて
涙は乾いてたけど
笑っては ....
少しだけ許してください
もしも貴方が嫌だと思う人がいるなら
その人は本当は悪い人ではないのかも知れません
その人は本当は優しい人なのかも知れません
もしかするとその人は
貴方の為に伝えようと ....
落葉の中を走る鳥は
悲しい鳥だ
飛べないかはりに
足は太く節くれ立つて
駝鳥の足のやうだ
このしつかりした足で
枯葉を大仰に鳴らして
進むのだから
化け物が暴れ回 ....
たえまなく てりそそぐ たいようが
ふいに しんこきゅう したときのような
きづき
あじさいの あわい いろの
むらさきの ときのなかでいきつづける ゆめ
ひかり はなつ てのひら
く ....
僕が飲んでるジュースを、パパが、ちょうだいといってきた。
1つ、2つ、と心の中で数えた。
まだ、僕にジュースを返してくれない。
僕は、パパが飲んでるジュース缶を何もいわずつかまえた。
パパは、 ....
君の匂いのする部屋に
20歳になったら出かけよう
ぼろぼろの歯で笑う
君の口が好きなんだ
溜息のように呟いて
彼方の山火事を見た
灰と化した花びらが ふわり手のひらに沈みこむ
時の流砂でくたびれるより 儚く拙い言葉たちよ
いっそこの身体ごと 潔く風にほどかれてしまえ
感動の華華を咲かせてくれた 芸術の息吹。
ひとりで ....
さあ 風よ どうぞ 吹いて来て下さいな
あの懐かしき日の夕べの面差しのまま
少し寂れた けれども優しい雰囲気と
そして たおやかでしとやかな その仕草で
わたしの両肩に止まって見て下さいな
....
布の風が樹々を伝い
夜の空を見つめている
蜘蛛のかたちをした声が
枝をめぐり すれちがい
会話ではない会話を残し
夜の空を昇りゆく
雲に映る歪んだ輪から
光と言葉の鳥 ....
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