いちめんに 苔のはえた石の門のなかへ
うたたねが さそうように駆けていって
わたしをふりかえる

ひだまりにぺたりとすわりこんで
ふくらはぎににじむ汗を スカートに吸わせながら わた ....
尽きそうで
尽きそうで
時に思い出したように
夜を縫う
置き去りの夏に迷う
この心のように

かくも小さく
かくも短き生命の振動が
この手に伝わります
見失う日々を
辿れ ....
鯨の顔して蝉が鳴く
今日はよいお日和と
声を限りに叫んでる
みんみんみんみん

つくつくほーしの
師団長
セミクジラを欲しがって
みんみんみんと
真似をする
つくつくほうしの
師 ....
眼を瞑ると
瞼の裏に映る虹
私だけの小さな虹
ぼくはただもう
汗をかいて生きよう
排ガスさえ流れてこないよ
よどんで静止する空気のなか
一瞬!の風を
ヨットの帆のよう
全しんをぱんと張って受けている
止まっては溶けつつ
ひたすら冷 ....
流れる水の哀しい感触に運ばれて
街の隅にたどりついた
前世の匂いのする風が
頬と首筋を等しく撫でた

桃の薄皮のような
日に焼けた 心細い皮膚を
誰かに引っ掻いて欲しかった
痛がりで  ....
あれは暑い日でした
いつも通りに長い坂を自転車で下り
数十年前に廃校の中学校を横目で見る
校庭は手入れがされてなく雑草が高く伸びているが
近所の小学生が野球をする場所はなにもない
ざ ....
ムードあるジャズ喫茶
お気に入りのサッチモを聞く
「この素晴らしき世界」は
夢を見せてくれる

ベースの音が子守唄
心がくつろぐ
ブラシが波打ち際へ
トップシンバルのカウント

ト ....
 昨日は寝る前に、原民喜の「心願の国」を読んだ。被爆者である
彼は、自らが作家・詩人であるという使命感から、その体験を書き
遺した。戦後間もない頃、母も妻も失い自らに残された弧絶の夜を、
彼は歩 ....
汚い過去と
綺麗な思い出と
まばゆい明日を
みつ編みにしてく

終わりなき夢 叫ぶ声
たとえ見つからないままでも

笑うあなたを
憎めはしない
願うとしたら
空に踊るわ

見 ....
庭の隅に植えた
松葉ボタンが
強い日差しに向かって
これでもかと咲いています

寒さに耐える姿よりも
暑さに立ち向かう姿の方が
戦っているような気がして
好きでした

あなたはそう ....
冷たい消毒槽は
三歩で渡ると決めていた
プールサイドの足跡が
しゅわしゅわと、夏にしみこむ

浅黒い肌の散らばる奥に
見え隠れする
白い朝顔
先生の御子だという
なるほど、鼻筋はそっ ....
お、そ、ら



        もよん
        もよん


{引用=
                   鳥は空を彫る彫刻刀
                   うつ ....
夏の庭
ゆうぐれ
水やり

くもの糸
強い水

くもの糸
切れない。

自然界のスコールくらいじゃ・・・切れないんだ・・・




夕暮れ
夕立

あなたと 見知 ....
その日
美しいものに出会えたのなら
喜びの音が聴こえてくる

その日
楽しいことに出会えたのなら
温もりの音が聴こえてくる

その日
大切な人に出会えたのなら
幸せの音が聴こえてく ....
飛ばない鳥がいたとして
飛べない鳥はいないでしょう
それとも
逆の語りの方がお肌に合いますか

ひとつ許せば
色は濃く
ひとつ拒めば
尚更に濃く
それが
青というものです
さきほ ....
物置の中では
今日も途方に暮れたものもの、が
自然な姿で融解しあっている
主人は今日も不在だった
あと何年、ここに居ればいいのだろう

ありがとうの行き先を
いつも間違えている気がして
 ....
ねこが
ルビを踏んだので
今日はお休みです

謹厳実直なルビジウムは
光を浴びてからは
倹約を旨とするようになり
ねこのお供をして
お宮参りに行きます

もうじき梅雨が晴れて
暑 ....
空は鈍い銀色 今日に限って
朝もはよから
とりあえず 傘を持って
友の 見送りへと急ぐ

携帯は言っていた
「降水確率は40%」
振るのか降らないのか
気分と同調 低く雲は垂れ込める
 ....
色鉛筆や
油絵の具はあとでごまかしが利くんだよね
水彩は
厄介なんだよ
透明感があって
きれいだけど
良い紙を使えばいいのかな
今は
何にでも虎の巻があるからね
罪悪感の欠片もない
 ....
虚空を望むと広がる視野
ぎりぎりと絞られているのが嘘のように
《いま》から《いま》へと動いている

かなしみの海原が轟いている
黄昏のしじまの中で
わたしは世界を見ているのだ

浮標は ....
わたしがサミーラと知り合ったのは
見知らぬ国への好奇心と
ちょっとした向学心
辞書を引き引き書いた拙い手紙を
赤と青の縁飾りも可愛い封筒に入れて
生まれてはじめての海外文通
切手一枚でつな ....
     「喫茶店にて 私も理解できぬ他人との会話に関する考察。」








そんなに悲しい歌を詠んでばっかりじゃ、誰にも評価されないよ。


 ....
わたしは
夏を追いかけて
川辺に花火を見に来たはずなのに
自分を満たしに来た事に気づいた


{引用=
 父は昔
 子供と出かけるより
 自分のお店で働く事に熱心だった。
 うちの ....
夜空の星が一斉に僕に向かって

急降下してくる

星のシャワーを浴びながら

僕はひとりブリキの機関車の

おもちゃで遊んでいただけ

ひとりはなれていた

いやな ....
水に浮かび
何も考えない
楽だ
力が抜ける

身を粉にして働き
毎日を過ごす
ねぎらいの言葉も無い
きっちり仕事はする

仕事は楽しい
頼りにしているよ
と声を戴く
それは無 ....
エオリアンハープの 響きと色が 乾いた

白砂の フィールドを 打ちひらいて いった





旗になってしまった 白いシャツを なびかせて

少年や 少女が まだ 薄 ....
封を切った宇宙からは、
懐かしい薫りがしました。

お久しぶりです。
と、
挨拶をして、
あなたを二匙。

ゆっくり沸かし、
ふんわり注ぎます。

 ....
それはそれは奇遇だった
女は白いシャツを着て
新しい職場で熱心に働いていた
髪は赤く、短くなって
かつて応分に満ち満ちていた肉は
適度に削げ落ち
艶のない頬で笑うその女は
相変わらずの長 ....
腹に響くエイサーの
どごん どごん
飛び跳ねる常夏リズム
どどごん、かつ、かつ

手踊りが咲き
歯は白く輝き
乾いた{ルビ三線=さんしん}の{ルビ音=ね}が走り出す

空を切り裂く指 ....
水在らあらあさんのおすすめリスト(3565)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
みどりいろのゆめのあと- 少女的自由詩10*06-8-5
線香花火- Rin.自由詩23*06-8-5
セミクジラ- あおば自由詩6*06-8-5
- 大覚アキ ...自由詩206-8-5
汗をかいて生きよう- シホ自由詩406-8-4
魚になりたかった人- 八布自由詩806-8-4
遠い遠い、夏- 海月自由詩7*06-8-4
巨匠- ペポパン ...自由詩4*06-8-4
「踏み切りの前に立つ人」_〜原民喜「心願の国」を読んで〜- 服部 剛散文(批評 ...13*06-8-4
願うとしたら- ANN自由詩406-8-4
松葉ボタン- チアーヌ自由詩406-8-4
淡い夏雲の少女- 佐野権太自由詩17*06-8-4
空の・・・・・- ふるる自由詩7*06-8-4
くもの糸- Lucy.M.千 ...自由詩306-8-4
幸せの音が聴こえたら- ぽえむ君自由詩8*06-8-4
群青だより- 千波 一 ...自由詩14*06-8-4
ビニールシート- 霜天自由詩506-8-4
ルビジウム- あおば未詩・独白6*06-8-4
12、曇_【くもり】- 雨宮 之 ...自由詩1*06-8-4
重塗り- 蒼木りん未詩・独白406-8-4
青年時代- 古河 セ ...自由詩6*06-8-3
サミーラ- 恋月 ぴ ...自由詩30*06-8-3
ランパルトの盲雨____________懐中日記より- 木賊ゾク未詩・独白7*06-8-3
サティスファイ_ミィ- さくらほ自由詩18*06-8-3
僕の広げた純白の翼で- こめ自由詩1006-8-3
日々つれづれ- ペポパン ...自由詩6*06-8-3
エオリア- モーヌ。自由詩14*06-8-3
「_紅茶神の微睡む、_」- PULL.自由詩22*06-8-3
夜空は星に刻まれてゆく- 黒田康之自由詩606-8-3
美風(ちゅらかじ)- 佐野権太自由詩18*06-8-3

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