風の手触りなど
いくらでも描けてしまうように
わたしとあなたの
輪郭は
ありふれた景色なのかも
知れないけれど
戯れることの
ひとつ
ひとつに
やわらかく透ける名前があって
眠 ....
大地にはリンドウ
世界は秋の花と風
美というよりも心

木には{ルビ蜩=ひぐらし}
世界は秋の声と風
音というよりも歌

空にはいわし雲
世界は秋の光と風
量というよりも質

 ....
 黒揚羽 日に咲く羽音 染めてありし世



         零の



( 、血のうずく
私を見つめる
その目は
黒く透けていて底もなく
ゆらぎもせず
胎内で夢を見ていた ....
わたしは 小学生の頃
ずうっと
いじめられていました。

掃除の時間の
締め切った
理科実験室で
彼女達は
一列に列を作って
一人づつ順番に
わたしの頬を
殴ってゆきました。
 ....
今夜の酒の肴は
過去の思い出を

ひとつまみ

味は さまざま
香り いろいろ
ただ
口へ運ぶと
懐古が 膨らむ



今夜の酒の肴は
未来の想い出を

ひとつまみ
 ....
先祖は、なにをしていたか分からない
落ち武者とも河原乞食とも言われている
本家の実さんは、強い侍の末裔の顔をして
武者人形の鎧を磨く
子供の頃、母に聞いたら
戦争でお寺が燃えたから、本当のと ....
光を冷たいと感じる
地下だからだ
スケッチをしていても
 地下だからだ
 地下だからだ
青く塗りつぶしてしまう
上手ですねスケッチ
これはわたしの言葉
 地下だからだ
 地下だからだ ....
風の匂いが
秋の匂い

明日につながる今日は
終わりじゃないから
投げやれない

ちかごろ
葬式の想像ばかり
生きるも死ぬも
自分の思い通りにならない

ギリギリ
義理立て
 ....
   歯の奥のおくでしゃりり と
   こんぺいとうが 鳴った。

   まだよるは足元で
   ゆっくり呼吸している

   震度一のゆれが
   じんわり腕をつたって
   すこし ....
雨が上がると
空気が透明を増して
夏の名残と夢とが冷まされ
水の中を歩くように九月

夏服の明るさが
どこか不似合いになり
息を潜めていた淋しさだとか
熱に乾いていた涙が
堰を切 ....
「お前は泣き方を忘れたね。」
幼い私が言う。

「いらっしゃいませ」
笑う私。

「こちらへお願いします」
客に背を向ける。
途端、
ガラスの中に目が映る。

「悲しい理由は見つ ....
昔私は2つ下の弟に
私は本当は他の星から来たんだと嘘をついた

それはちょうど私が小学校に上がる頃で
家には新品のランドセルがあった

どうしてそんな嘘をついたのかは分からないけど
弟は ....
八月 二週 また 入院暮らし...
ガラスの塔のなかで、優しいひとらに、接しながら、病と添い寝して。
夏は、晩夏を迎えて、( もう、立ちつくし、亡くなっているのかも、しれない。 )
 ....
夜の傾斜をくだってゆく
くだるたびに傾きがちがうような
いつもおなじような気がする

夜だから傾斜は暗い
ところどころに湿った火がともっている
そのそばにその火を嘗める獣が
いたり
い ....
ねこになったきみとぼく

木漏れ日ゆれる

ねむの木の下で

二匹ころんと横になる



長い尻尾が自慢の

きみはしましまトラ猫で

大きな耳が自慢の

ぼくは三色三毛猫で

仲良く顔を並べて

昼 ....
この坂道の途中に
大きな金木犀の木があります
毎年秋になれば
そのやさしい香りに足を止め
この木を植えた人を思います

開け放された窓からは
ピアノの悲しげな音が響きます
赤茶けた壁に ....
小さな窓に流れ来る
微かな風の匂う秋
去りゆく時の寂しさか
訪れ{ルビ来=きた}るうれしさか
僅かばかりの部屋の中

大きな空に染まりゆく
彩る色の魅せる秋
どこから{ルビ来=きた}る ....
おふろあがりのひとときは

足のゆびまでいつくしむ

ひるまは こころの ひとさしゆびが

いろんな人を指差してしまうけど



おふろあがりのひとときだけは

あしのゆびまで ....
弱酸性のあなたは
ちょうど中学で習った化学の実験みたいに

たとえば夏の終わりの夕暮れが
ほんのり赤く色づくのを
美しく感じたりする


弱酸性のあなたは
ときどき褒めてあ ....
秋が訪れれば またひとつ
目じりに刻まれる年輪のようなもの
早いもので開け放した窓の外では
秋の虫たちが鳴き始めている
この様に季節が巡るのであれば
歳を重ねてしまうのも致し方無い事
抗っ ....
かわいいリズム
とんとんとん
ひびくよひびく
とんとんとん

小さな小さな      たからもの
おなかのなかの たからもの

とんとん
とんとん
とんとんとん

みんな よろ ....
ぼくたちは生きている。
これまでもこれからも、
そして今もぼくたちは生きている。


世界にはぼくたちがいる。
たくさんのぼくたちがいる。

たくさんの ....
棘魚が住むという
小川のほとりに
住んでいた

メダカのような
ちっぽけな
雑魚が
水草の横から首だして
神経質な目を向ける

こいつ、反体制だな





作 0 ....
 
 
枯れてゆく紫陽花なんて
 
見たくない
 
 
 
溶けてゆく蝸牛なんて
 
誰も見たくない
 
 
 
 


 今日も降ると
     思ったのに
  ....
 
 
辞世の句


       ば
       あ
       さ
     願 ん
     う や
     は
     来
     世
   つ も
   ....
助けてくれ
頼む
俺は 幸せなんだ
幸せなんだ
助けてくれ
非常口から
突き落とす
真似だけしてくれ

・・・天使達は
皆 早朝に 羽をひろげ
俺は 
死んでいた
首を くく ....
ここ最近夕方になると
白い雲は赤シャツを着て
どこかへと出かけてゆく

トンボが追いかけてみたけれど
地平線までが限界だった

彼はどこへ行くのだろう

お洒落な自分を
誰かに見せ ....
高いものの 内部を
はかっては いけません
鳥のことばを
かたったら
遭難します
お店を出してくれたあの人は
やさしいひとでいい男だけど
私の好きな人じゃない
5年もごまかしてきたけれど
もう、避けられないみたい

貴女はそういうと
二人きりになった店の灯りを落と ....
夏の夜空の番人

星かごを襷がけして麦藁帽子を冠った少年は

いつも北を指す柄杓を星取り網にして

日曜から土曜までの一週間を飾るにふさわしい

喜怒哀楽、悲喜こもごも、揺りか ....
水在らあらあさんのおすすめリスト(3565)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
地獄に一番近い島- 千波 一 ...自由詩16*06-9-4
季節というよりも時- ぽえむ君自由詩11*06-9-4
黒揚羽(零の産声のする)- こしごえ自由詩13*06-9-4
肯定ペンギンの消えたコロニー- Lucy.M.千 ...自由詩12*06-9-4
あて- FUBAR自由詩7*06-9-4
双子の花火- あおば自由詩5*06-9-4
あおいこと- 黒川排除 ...自由詩206-9-4
秋の山麓で- 蒼木りん未詩・独白406-9-4
_- 壱木未詩・独白206-9-3
輪舞(ロンド)- 銀猫自由詩19+*06-9-3
悲しみ- ミゼット自由詩3*06-9-3
ランドセル- 松本 涼自由詩606-9-3
晩夏への手紙- モーヌ。自由詩14*06-9-3
夜の傾斜- 塔野夏子自由詩14*06-9-3
ねむの木の下で- LEO携帯写真+ ...20*06-9-3
金木犀- 未有花自由詩25*06-9-3
小さな部屋の秋の風- ぽえむ君自由詩11*06-9-3
ひとささんゆびたちへ- るるりら自由詩1206-9-3
「弱酸性のあなたへ」- ベンジャ ...自由詩12*06-9-3
こころの力- 恋月 ぴ ...自由詩34*06-9-3
かわいい音色- 小鳥遊儚自由詩206-9-3
「_ぼくたちは日曜日。_」- PULL.自由詩14*06-9-3
雑魚- あおば未詩・独白3*06-9-3
『梅雨の弔い』- 橘のの未詩・独白2*06-9-3
すばらしき哉、人生- 橘のの俳句3*06-9-3
幸福- 奥津 強自由詩206-9-2
赤シャツを着た白い雲- ぽえむ君自由詩12*06-9-2
そろもん(山の心得の話)- みつべえ自由詩306-9-2
茉莉花- たりぽん ...自由詩13*06-9-2
*七夕七景*_〜番人〜- かおる自由詩10*06-9-2

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