明るい夜も、暗い夜も、それぞれに色々な夜があったけれど。


遠く回り道をするように。言葉が言葉からそれからを選んでいくように、一瞬だったものを、ふと、足を止めて拾い上げてみれば。もう、「それか ....
 
 
世が世なら

「どこでもドア」で
君に会いに行けるのに


世が世なら

ふたりニュータイプで
解りあえるのに


世が世なら

風の谷で
平和に暮らせるのに ....
霧の朝僕は
白い虚しさにまかれる
あるいは
あるかなきかの徒労に
世界は音もなく沈んで
僕一人を孤立させる部屋
あの夏の日
彼女が湖水に指をすべらし
その音のない{ルビ水面=みなも}を ....
やりたいことがあるならば まず目標を定めて
自分の棚卸をしなさいと
本に書いてある
棚卸とは会計で使う言葉で
自分が何を受け取ったのか
自分が何を支払ったのか
自分の元手は何か
自分の返 ....
都会の中の植物園は
いつも静かなまま
大きな木の根は
下水道や地下鉄よりも
ずっと浅く
かすかでしかありません
雨をしのげる大きな葉が
静かに広がる

都会の中の植物園は
いつも黙 ....
かわつらさんの奥さんは
精神を病んでいるそうだ
深夜
誰も居ないキチンで
皿を一枚ずつ割るそうだ
あの夫婦は
せっくすれす
だから
ってすずきさんが言ってた
そういうすずきさんに ....
冬の中のジャングルジム
僕登り
君降りる
色とりどりの鉄パイプをカサカサの手で握って
きのうは一晩中雨が降っていたので
手のひらが濡れるよ
嗅げば鉄のにおいがする
僕はとりあえず天辺まで ....
この土地が
湖や海のやうに
青空や星や月を
映さないからといつて
卑しめてはならない


何といつても
この土地には
{ルビ人間=**}が住んでゐる


夜の闇しか映さない
 ....
「最初で最後の、黙礼を交す」



いまはむかし
(この{ルビ宇宙=そら}もなかったころ)
それは無としかいいようのない、事象でした
そんな折に私は、
星占いをゆめゆめ零さぬようにと、 ....
白い光の下で八月はゆっくりと腐っていく
粉々に飛び散った十四歳の欠片たち
世界など終わればよかったんです
世界など終わればよかったんです

恐る恐る触れた背骨の上に走る電流
鎖骨に ....
{引用=わたしのからだが
一秒ずつ 剥がれて
浴槽の底に積み重なる

さわると
あかるい蛍光灯のように
熱く ひかり
はじかれたとおもうと
くたり と しおれた}


彼のみぎは ....
あ、と
きみをおもいだすのは
たぶんとても自然なことで
それでいてとてもいいかげんだ

ことばのあいだのくうはくに
わたしたちは寄りかかろうとする
かなしいのかたちをしたよるが
よろけ ....
あたし、くちびるが花びらで
いつも
ちょっとしょっぱい

くるしい感情はおっぱいがつくってて
って言ったら

すぐわらうきみです


あたしの
おっぱいはまるい
人並みにまるい ....
ラジオで流れたちょっと古い歌に
思い出す学校の教室
見上げると野焼きの煙
校庭の空にあいつはいない

  工場跡がショッピングセンターにかわる
  空を割っていた煙突が消えて
  秋の花 ....
失恋は感傷に浸るためにある
そんな捨て台詞
あなたは残し
ひとり、わたしは取り残されて
遠く過ぎ行く機帆船の陰に
絶望の甘い涙を流す
(白い砂浜で貝殻ひとつ拾った
身体の隅々にまで刻まれ ....
夜道で
目の前を歩いている女性の存在に耐えられず
追い抜こうと早歩きをはじめた瞬間に
その女性が早歩きをはじめたので
追い抜こうと走り出したら
その女の人も走り出して
誰か助けてといった
 ....
いつも北を向いている少年について
話をしようとおもってたんですが
ひどい雨が降ってきてしまいました
とりあえず雨に注意を払いましょう
雨のほうが重要です
少年はほうっておいても大丈夫です
 ....
光キラキラあふれて
その胸に熱きもの
抱きしめて
空に青
髪に風
頬ゆるませ
未来しか見えない


自転車こいで
ゆるい坂道
見慣れた景色さいて走れば
ほら
草の波
風の匂 ....
おばあちゃん
亡くなる何ヶ月か前に
ぼくのアパートにやってきた
外車に乗りたかったので
おばさんの買ったヴォルヴォ

だけどぼくんちなんか来たって
そりゃやることもないので
縁側から外 ....
その
青い腕が捥がれるような感覚はいつからだったでしょうか。
青い腕は空を飛び、地を跳ね、思うように風に乗れたというのに。

オレンジの世界は、私にはまだ明るすぎてうまく泳げない ....
おれは今日
すれ違った女子高生の
毛先15センチの緩やかなウェーブが放つ
甘いフローラルの香りに潜む閃光に
一撃で命を奪われてしまいたい
そんな気分なんだ

ベギラマ一発で瀕死に陥ってし ....

林檎は何時でも
小気味よい音を立てて
裸になってくれる
こんな女の人がいたらいいなと思う
十月の昼間は少し暑くて
隣家から
おもいっきりテレビの音声が聞こえる
シンクには
小腸み ....
両手のひらに
こっそり書いた「冷」の文字
僕は忘れん坊だから

冷え性対策の頁を見てたから
布団からはみだした足先が
とっても冷たかったから
今日は帰りに
ちょっと入りづらいあの店で
 ....
夕食を食べ終えた革命家は
中国で批判され始めた魯迅を読みつつ、
その狂人と凡人の差異について暫し記憶を手繰り寄せるように、
かの英雄ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャをして
「狂気の沙汰だ」と罵 ....
俺はおまえの強がりが好きだ
金はないし喧嘩も弱い
それでもイキがるおまえが好きだ
武士は食わねど高楊枝と言うが
おまえはまさに侍の心を持っている
つっぱることが男のたった一つの勲章ならば
 ....
どこにでも行ける
風になりたい
遠くへ行ける
風になりたい

どこにでも飛べる
光になりたい
速く飛べる
光になりたい

風や光は
人間ではできない
すごい力をもっている
そ ....
ある日
くまさんが

出会った人は
おじさんでした

おじさんの家に連れて行かれ
可愛がられました

くまさんは幸せでした
でも

くまさんは大きくなりすぎて
おじさんは家族 ....
許さないで下さい
机の上に転がる
果実に写った柔らかさを
ひかりの落ちる
ひかりの中で

願わないで下さい
薄く濡れたままの便箋や
握りやすい万年筆に
触れようとする
その小さな手 ....
紙みたく
薄っぺらい
勝手な 時間

とても 色濃く
とても 重い
       
      1

ゴルゴダの丘の受難が、針のように、
人々の困惑の眼を包んで、
砂塵の闇に、厳かに、消えてから、
すべてを知った空は、
瞬きもせずに、顔色を変えることなく ....
水在らあらあさんのおすすめリスト(3565)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
高い空を泳ぐように飛んでいく鮎の夢を見る- 霜天自由詩506-11-2
世が世なら- 橘のの自由詩306-11-2
霧の朝僕は- 石瀬琳々自由詩12*06-11-2
会計的な詩- イダヅカ ...自由詩6*06-11-2
都会の中の植物園は- ぽえむ君自由詩8*06-11-2
近所のひとたち- 吉田ぐん ...自由詩1406-11-2
冬の中ジャングルジムで- 水町綜助自由詩5*06-11-2
いのちの灯- 杉菜 晃自由詩9*06-11-2
星と礼- こしごえ自由詩20*06-11-2
Août_pourri- Utakata自由詩206-11-2
金木犀- 自由詩7*06-11-2
ユーフォルビア・レウコケファラ- 自由詩7*06-11-2
ダリア- みい自由詩706-11-2
僕たちはあの頃にいない- たりぽん ...自由詩906-11-2
冬の蜃気楼- 恋月 ぴ ...自由詩28*06-11-1
66- 馬野ミキ自由詩1406-11-1
いつも北を向いている少年- aruka自由詩406-11-1
- さくらほ自由詩14*06-11-1
おばあちゃんの洗濯物- しゃしゃ ...自由詩806-11-1
対色- ふく未詩・独白3*06-11-1
パルプンテ- 大覚アキ ...自由詩306-11-1
所感- 吉田ぐん ...自由詩1806-11-1
冷え性対策- 佐野権太自由詩18*06-11-1
エーロゾル- はらだま ...自由詩6*06-11-1
アンチリアル- 新守山ダ ...自由詩506-11-1
命の力- ぽえむ君自由詩10*06-11-1
くまさんとおじさん- チアーヌ自由詩506-11-1
ひかりの落ちるひかりの中で- はらだま ...自由詩13*06-11-1
共有慾- FUBAR未詩・独白3*06-11-1
遠い眺望- 前田ふむ ...自由詩17*06-11-1

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