かわいた中洲は
鳥に埋もれ
流れはただ
飛沫の跡を運んでいる
望まれぬものが橋をすぎ
影は明るくひろくなり
音や色に梳かれては落ち
にじむように流れを濃くする
....
黒いインクのその文字は
目から頭へ流れると
文字は絵になり色となり
言葉の影は白くなる
白いページのその文字は
頭の中に広がると
文字は詩になり歌となり
言葉の影は白くなる
文 ....
他人がわからないのは重々承知でも
あなたのことはちょっとわかる気がして
だから絶対に踏み込めない壁を感じて
そう思いながらも同じ電車に乗っていたいような
そんな気がして
終電逃したかなっ ....
幸せは
仕合わせと
書くのだと
誰かに聞いた
自分から努力して手に入れるのが
仕合わせなのだと
言いたいような顔をして
ところてん売りのお兄さんは
鉢巻きをしてバイク ....
天使(えんじぇる)、」
計画ではロゴスの成就のために
すべての密林を焼き払い、
あまねく地表を、暗黒色の瀝青で覆うつもりだ
( 今世紀、中頃までにネ。
「我々は森や大地によって生かされてい ....
たとえばおまえがいっちょまえに
人生の壁などにぶち当たったとき
母親なんて無力なもので
ああでもないこうでもないと気をもみながら
弁当のおかずを一品増やしてやれるのが関の山
....
時にいじめられるようになってから
ぼくはずっと生きる方法を考えていた
道ばたのカエルのように
いらない知識は全部捨てて
ぼくはこころで生きるために
こころには生きていて欲しいから
今日こそ ....
張り付いた顔でお絵かき
その指についているジャムは食べたくないよ
甘く赤いのは誰のせい?
君はいつも笑って言っていたね
ふわふわのベッドに包まれて
夢を見ているよ
白くて透明で何に ....
僕らは縄跳びをします
回数はとっくに僕らの歳を超えて
縄の外、日が暮れていきます
僕らは縄をなくし
それでも縄跳びは終わることなく
気がつけば僕らは形をなくしています
誰もが僕らのこと ....
着物を纏い
おしろいをはたき
紅い紅をひく
あとは道を行きかう男どもに
色目を使い やさしく手招きをすればいい
それがあたし達の仕事ってもの
嘆く女もいる
本当に抱かれたい人は一人だ ....
天井がずいぶん高いなって思ったら空だった
わたしはいろいろ忘れてしまった
エレピの音が恋しい
必要ないのに笑うのはやめようよ
遠くでたくさんの音が聞こえる
とても賑やかだ
コーラ飲 ....
覚えている?
遠い遠いあの昔
あなたもわたしも 一人残らず
(胸を張っても良いわ) 皆裸のビーナスだった
つんと澄ましたそよ風とお気に召すまま たむろして
竹やぶの中を心は解け 駆けて行った ....
雨が止んだので
図書館に行きました
誰が書いたのか
忘れてしまいましたが
旅行記に読み耽っていたことは
覚えています
雨が止んだので
靴屋に行きました
どこの会社の製品なのか
覚 ....
走るスピードを刻むように
街の広葉樹に遮られ明滅する
青と黄色ときみどりの
太陽の光を
めちゃくちゃに掻き回して
そいつをたっぷり指にとって
瞳をぬりつぶそう
たちまち涙が溢れだして
....
ひとりの時も私は
うつくしく
うつくしく
している
鏡を何度も見て
うつくしく
うつくしく
している
私がもしも醜く
映ったら
その時私は
自分を葬ることでしょう
....
あなたが大きな声をはりあげるたび
僕は嬉しい そして安らか
何かをさらけ出す悲しさを知っているけれども
それよりも大きな
大きな大きな安堵をきっと手に入れたがっている
そうでしょう だっ ....
四角いビルの建物が
窮屈なので
海を見に行きました
岩がビルの尖った角を
削ってくれました
パソコンデスクが
狭いので
海を見に行きました
波がキーの叩く音を
飲み込んでくれまし ....
雨は降る
無情の
恵の
日は注ぐ
旱魃の
神の
一本の幹に触れる
真っ直ぐな
曲がりくねった
別れた妻を想う
不肖の息子を想う
置いてきた過去 ....
言葉には、意味と別に音そのものがもたらす印象があります。
例えば「こんにちは」は明るく強い印象なのに対し「さようなら」はやさしい印象を与えるといった具合にです。
そこで、音のもつ印象を独断で分類し ....
ラップの上に海苔をしいて
ご飯をのせて
梅干をいれて
また ご飯をのせて
そっと 両手で包んで
おむすびをにぎる
まあるくまあるく
はい できあがり
そして はっと 気 ....
鬼ツバメを頭に乗せた女が
口をつける勢いで話をする
ゲイのオトコの、Tシャツに透ける乳首だとか、
まぁそういった話で
あたしはその塗りたくった唇から
目を離さないで居る
と ....
2年前
中年夫婦で営んでいた
ふっくら美味しいパン屋さん
大洪水で流された
跡地には
独り身の{ルビ若旦那=わかだんな}が一人で開いた
手打ちの美味しい{ルビ蕎麦=そば}屋 ....
この町が余りに寂しそうなので
一人遊びする 例えば
跳ね橋の上でドリアンが食べたい
皆に嫌われているので
誰も居ない明け方食べたい
橋のあっち側に好きな人がいるから
....
あの方は死んでいるのですか?
眠っているのですか?
私はさっきから
何も身にまとわず
赤いスカーフを波打たせて
その中で軟体動物みたいに
なっているのです
私は人間の思考がで ....
うたたね ひつじたち
はる の あったかさ
ひるさがりに
まくらのしたから うまれて
ばんごはんのじかんに
また かえってくる
みどりのにおいの かぜに のって
ふうけいを ....
現実からほんの一枚渡った
終焉にはアトラクションに明け暮れ
少し足早な人々の無音
白い熱灯の口に端をくぐらせ
ひかりを柔らげた海辺の舗道
澄みわたるミント風 頬を撫でた
露摘み ....
夜中、リビングに降りると
テーブルがひとりで
テレビを見ていた
外国の戦争映画だった
たくさんの人が
次々に命を落としていった
リアルなくらい
みな清潔な最後だった
突然テーブ ....
さくらがみたいのと
おまえは呟く
けれども
おまえの為に
こんな時期に
桜は咲いてくれないのです
ようちえんにいきたいの
とおまえは呟く
しかし幼稚園は日曜日に ....
あこがれは一番星の良きひかり
いかにはかなく夜が来ようと
人は行くランボオの詩を胸にだき
人いきれへと振り返りもせず
鳥は飛ぶただ啼きながらひたすらに
....
灰色の日
カエルのせわしい声が
遠くからも近くからも
響いてくる
やりたいことをやろうか
やめようか
心が迷ってしまう日
銀色の日
車の通る小さな音が
遠くからも近くからも
大 ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119