足音が
大勢の中に還っていく時
遠くで自転車は雨音の中に忘れられている

少年が
少年のままで頭を下げながら生きていく
そんな時々、あれは私たちが作り上げた
屋根や壁や、縁の無い窓
遥 ....
水平線が夕日を融かすというので
その仕組みを知りたいと
渡し船を探しに海岸づたいを
西に向かう、それが私たち
綺麗なものばかりを
追いかけてはいけないと
釣り人が忠告したが、僕たちは
綺 ....
脱ぎ捨てた靴下のように
二人分の日常が床に転がったまま
今にも歩き出しそうなのは
きっと逃げ始めた体温のせい
鏡越しに いつのまにか
髪が伸びたあいつに舌を出す
時間なんて残酷で
最後の ....
みちてゆく時にかけていくかたち

目もあわせられない圧倒的光量が
静謐な夜をペリペリと剥がすと
空が蒼く、色づいていく

日常の目紛しさに溺れそうになりながら
ビルの谷間を靴の音を響 ....
蛍光灯が俺を串刺した
K市北区にあるショッピングモールで
俺は蛍光灯に串刺されたのだ
落ち着こうとしてうつむき
壁にもたれかかるが
そこは
だだっぴろさで
向こう岸にたどり着くことができ ....
滴が。
朝の、


窓枠を二つに分けるようにして落ちていく。
今も手を伸ばせば壊れてしまいそうな足跡。
遠くなっていく風景写真をいつも隣に置いている。
あの日、行方知れずの人が今も笑いか ....
つかのまに慣れてしまう
なんて
できないようだ
日は少しずつ延びてゆき
僕等の時代はぼやけてゆく

時折
君の手を引きながら思う
遠くの空の下の世界を
ひとつに繋がっているは ....
封筒をあけずに
君からの手紙を読む

(もう街は雨雲でおおわれています
(まだ雨は落ちてはこないけれど
(まるで街全体が行方不明になったみたい

そう、風に
誰かの手紙がとばされ(行方 ....
はがきをかってきてください
かわむこうのおみせにたちよって
はがきをいちまいかってきてください
呪文のような声がして
我に返る

誰もいなくなった
午後の大通りには
牛車がのろ ....
さようなら
冬の中では決心も幾分
凛としている

さようならを投函しようと思うのでした
さようならを投函しようと思うのでしたが
ポストの投函口は
市の条例とかで封鎖されてしまい
更には ....
生まれてはじめての雪に
子どもは小さな手を伸ばす
白い雪花をつかもうとする

指を開いても花はどこにもない
黒々とした丸い目が
さらに丸くなる

降る雪を
つかんではひらき、ひらいて ....
角を曲がると
小学校
目の前に
小さな文房具店
信号が変わるのがいつも遅い
大きな道路への抜け道
自転車も足早に過ぎ去る
空は青く
遠い
いくつもの別れ道
何度も間違った
家に帰 ....
窓を揺らす透明を
娘たちの時間はすぎて
雪のなかの双つの道
どこまでも淡く
双つの道


青に添う手
剥がれる陽
いとおしさ 望みのなさ
左の目にだけ降りそそぐ

 ....
時に逆らって
時計を上下逆さにしてみた
秒針の動きは変わらないので
結局
今日の予定が頭の中を過ぎてゆく

時に逆らって
時計を裏返してみた
時を見ることはできないので
結局
次の ....
もしも言葉の通った道が見えるなら
どんな風なんだろう

くもの巣のように四方八方に広がってゆくのかな
それに引っかかりもがく人々

細く鋭くきりのように真っ直ぐ伸びてゆくのかな
刺し通さ ....
合掌をしていただきます
生きるために
その命をいただきます
博愛主義でも
食べなければならないのです

わたしの肉じゃがは
一年前とはくらべものにならないくらいに
旨くな ....
幼い頃に広かった幼稚園の庭。大人になって訪れると
不思議なほど狭くなっていた。密かに憧れていた保母
さんは、ふたりめの赤ちゃんをだっこして。お腹の太
ったおばちゃんになっていた。 

年を重 ....
見知らねど行き着く場所はここにある
  夢見て君を連れた北国


いつのまにか眠った僕の携帯に
  隣の君から夕陽の小樽


真綿色の雪があまたの恋に染み
  冷たい北の印 ....
  「修行」

午後には温かくなる体
ベビーピンク の爪の肌
血が通いましたよ 私


今日も祈るように手を合わせ
指先に軽く接吻する
上瞼は慈悲深く閉じられて
朝靄の消え行く間に ....
今日はたくさんある荷物の
買い物袋くらいのが下りました。
少しだけ生き返りました。
たぶん熱を出しました。
気付いたら夜だ。
久しぶりに
何だかずいぶんとうまくない夕食でした。
頭が痛く ....
新宿
の高層ビル群に挟まる
日曜どこに行くあてもないまま
無気力な形で歩いていたら
信号機に拒絶されたので
小さな「あ」を呟くように口を開けていると
機械化されたすきま風ばかり流れ込んで
 ....
それって秘密だよ
思わせぶりに微笑んだ
あなた
ドラえもんじゃないくせに
ポケットから何やら取り出しては
桜の木に振りまきはじめ
(まだまだ寒いよと眠ったままなのに
まだかまだかと貧乏揺 ....
なににも負けない柚子の香りにひかれて
家につれて帰った
冬なのに
ここには
まだ雪が降らない
一度も白を見ることもなく
この季節が過ぎてゆく気がする
寝ぼけた春を思い浮かべて
重たい気 ....
月があまり高くに上ってしまって
僕らを照らしてくれないので

24時間営業のコンビニやら
ひっきりなしに通る自動車のヘッドライトやら
消し忘れられた風情の街路灯やら
そういうもので夜を過ご ....
コンビニのレジから
僕らのタクシーがあふれ出すから
春はまた息苦しい

行き先も告げずに乗ると
君の家を通過して
犬小屋の屋根を壊してしまう

料金を体温で支払う
少しのおつ ....
月のしずかを詠むほどに

月を
寡黙に封じ込む


 聴きそびれていたかも知れない
 のに

 細い肩には雲をのせ
 風をたよりに
 風さえも
 去り


物云わ ....
{引用=






月の夜に
後ろから囁く
危うい光

 地獄にも
 天国にも
 行きそびれたね




傷の深さに降りる
水晶の測量器
 闇の奥で光るクリ ....
ふいにまた一羽の鳥が飛び立ちて
    束の間の夢心をよぎる


街角でつがいの鳥の歌を聞く
    アナタナシデハ/アナタナシデモ


啼くな鳥涙ながすなうつむくな
    唇かん ....
定年後 
趣味で油絵を始めた親父が 
キャンバスに向かい 
一枚の絵を描き直している

 さっ さっ 

と音をたてると 
窓辺から
午後の日が射すこの部屋に 
絵具の匂いが満ちて ....
二十三年間生きてきたのに
おめでとうのひとつも
満足に言えない
そのことについて
頬杖をついて考える
一人で
室内で吐く息は白い
ストーブは足元ばかりを熱くする

家 ....
水在らあらあさんのおすすめリスト(3565)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
時々- 霜天自由詩1207-1-15
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裸足で帰ろっか- Rin.自由詩19*07-1-14
*昼の月*- かおる自由詩11*07-1-14
地縁- 太郎冠者自由詩307-1-14
あの日、行方知れずの- 霜天自由詩1207-1-14
小春日和- AB(な ...未詩・独白507-1-14
(ノート)- 青色銀河 ...未詩・独白307-1-13
あしたのかぜのむこうがわ- あおば自由詩21*07-1-13
投函- tonpekep自由詩11*07-1-13
創書日和「雪」_初雪- 北野つづ ...自由詩9*07-1-13
奇跡- チアーヌ自由詩1007-1-13
冬鳴_Ⅱ- 木立 悟自由詩607-1-13
時に逆らって- ぽえむ君自由詩22*07-1-13
「言葉の通った跡」- 広川 孝 ...自由詩407-1-13
肉じゃが- 小原あき自由詩19*07-1-13
遠い鐘音- 服部 剛自由詩13*07-1-13
北国にて- Rin K短歌18*07-1-13
気功師になれるかもしれない- 千月 話 ...自由詩13*07-1-13
気付いたら夜なので- 自由詩207-1-13
日曜、新宿にて- 夕凪ここ ...自由詩6*07-1-13
さくら- 恋月 ぴ ...自由詩43*07-1-13
蒼カビが生えたらさようなら- 蒼木りん未詩・独白607-1-13
暗い夜- A.おじや自由詩407-1-12
制度(タクシー)- たもつ自由詩1907-1-12
月歌- 千波 一 ...自由詩28*07-1-12
夜の雫- まどろむ ...自由詩9*07-1-12
五羽の鳥- 石瀬琳々短歌20*07-1-12
窓辺の花- 服部 剛自由詩14*07-1-12
おめでとうの仕方- 吉田ぐん ...自由詩2407-1-12

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