君は
君の家に入らない

雨が降っているというのに
軒下の風を嗅いで前足を舐めている

私の上には屋根があるので
髪に降るよりも
雨は、
硬質な響きで
音の羅列を渉っていく

 ....
頭の中につまっているよ
つららのように出来たんだろうねこの
目にうつるものたち
首の後ろがちりちりしてるんだ
太陽にあきらかにされた
急勾配の斜面の野原を
こわれかけているしずくがたくさん ....
ある日
贈り物をしようと出掛けた
セーターを買いに行き
サイズを聞かれた
わたしは答えられない

靴屋に行き
やはりサイズを聞かれ
答えられない

ネクタイを買いに行って
好みの ....
いま
{ルビ仄=ほの}明かりの部屋がとても寒くて
ぼくは
コカ・コーラの気が抜けてゆく潮騒の中で
花が開いていくのをじっと見ている
足が冷たく
息の僅かな白さの中に
ちいさな子供だった頃 ....
春の雨になりたい

あたし 春の雨になりたい



あなたはすぐに 春の砂にまとわれて
その嵐の中に {ルビ荒=すさ}ぼうと揺する

小さなオルゴールの中に
こころ を 忘れてきた ....
フ と目の前に綿毛が飛んでいたので

ク とつかまえて離して見ると

それはチカリと赤い血の玉で

もう一度握ってはなすと

{ルビ捩=よじ}れてつぶれて菱形のいのちに変わった ....
どこにでもある公園の
どこにでもある家族四人が遊んでいる
けれどもその家族には
家はなかった
それでも着ている服はちゃんとしていたし
髪の毛も長すぎず短すぎず
食べるものも食べている
と ....
夜ごと
小さな星から星へ
色とりどり
おはじき遊びのようでした

きいんと澄みわたった音がして
そのとき
宇宙は大きな円盤でした

まわるまわる輪廻転生
虫から花へ
花から虫 ....
仕事で二日連続ポカをした
休憩時間には詰め所でコーヒーの成分表ばかりを見つめている
同じ班の人たちはそんな俺にとても親切にしてくれる
だから余計みじめになってしまう
現場で働いている90%の人 ....
あなたに会って
わたしひどく泣き虫になった

ふとしたことがかなしくて
ふとしたことがうれしくて

わたし、こんなに感受性豊かな人間だっけ?
知らないわたしが溢れて溢れて
あなた以上に ....
泡と塗れる事に嘯き覚えて
僕が去っていった日曜日に
汚れた流線型が降り積もる肌に
華奢なライン真似て空が繋いでいく

プラスチックみたいなリズム
音がまねて吐き出す雲の中で
わずかな音は ....
亀を背負って
懐かしい人の苗字を呼びながら
塩を舐め続ける
水が飲みたい

+

かまきりの新しい
亡骸を
司書は黙って
見ている

+

カンガルーが直立したまま
波音 ....
しずかなばしょにいきたい
じかんのながれをいちみりもかんじない
しずかでしずかでいろのない

そんなばしょにいったら
わたしはあしをのばしてじべたにすわる
まっしろなそらをみあげる

 ....
朝の優しい光を浴びながら
公園の桜は優しく微笑む

散歩中の私は、思わず立ち止まり
祖母の姿を
母の姿を
そして自分の姿を
桜の樹に映し出す

やがて空は青くなり
人々が目を覚ます ....
二人門出には大輪の花束を
冷や汗をかくような思い出はいつか
幸せのすきやきに少し甘めのすきやきに

変わらずにいようねって言うのは野暮なもんさ
だってこいつ年取ったらハゲのおっさんかも

 ....
駅には
西口と東口があるけれど
どっちに行けばいいの
陽が昇るのは東だけれど
どっちに行けばいいの

僕たち迷子だ
生まれたときから

古い月を見ている
古い星を見て ....
ある
ありふれた
想い
という
呼び名の比喩が
争え
という
プログラムの元
生まれて初めての出航をし、
次の刹那
辿り着いた先が
温かい
実は
腹の上
だったと
結局
 ....
波打ちぎわに
光る、{ルビ蟹=かに}
蟹をみていた、飴色の

もう、よしてしまおう

人間なんて、よしてしまおう
古いじてんしゃのように
朝が下ってゆく


風邪声の
のどに ちいさなにがみと
這いつくばるようにおとずれ
さらさらと消えゆくよるを
くちびるに
にじませ

朝が下ってゆくと ....
ハードルは今日も 硬く朗らかな 一滴をしおどめのほとりに かなづちごと落として
開闢以来の微笑みを 白鷺に託して 湯目のまにまに 供えゆく たゆたけししらさぎは
いつものルーチンワークをとおして  ....
石鹸のなめらかな泡をたてて
顔を洗うとき
庭を凍った光が照らし
月面車が路面をこする音のような
タイヤの音の向こうを
電車が北へ走る

ひよどりが横切る一瞬の
黒い影の気配とともに
 ....
空 遠く 架かる
空に月
雲 風に たなびいて
消えていった

静かな 寝息は
繭玉のように
部屋に 浮かぶから

子守歌は 歌い継がれて

とっぷり 日が暮れた

夜の 十 ....
春の駅に列車がやってくる
駅は桜の花びらを散らしている
列車は駅に着くというよりも
春の風に押されながら
春の中に迎えられる
扉が開けば春の香りに包まれ
窮屈だった体と心が解放される
梢 ....
無数に転がる背中のひとつ覗きこんだ
浮き出る黒いあしがた
誰かが一度
踏み潰したのだろうね
いや
踏み越えていったのかな
ああ
そうだったらいいな

「制止も聞かず走っていった」
 ....
おぉいえぃ
だなんて叫びながら
あなた。わたしのひみつをかき回す

そこじゃないけど
そこも。いい

ひみつはひみつ

おんなのひとは
おとこのひとと愛しあったなら
うー。だなん ....
朝八時表の庭に出でてみれば雲間草光の中に咲き咲きにけり

妻と子とともに砂丘に立つ未来は知らずはるかな海望み

わが心の思い誰に伝えん憎しみと愛と無知

人人人の塊大阪津波でみんな死ぬなど ....
かえるところがあるのならば、それでいい)


   お葬式

カラスが黒く はばたいて
おひとりですか、と
月へ笑う
いいえ
あたしは迷子です、と
黒く燃える
火へ手紙を焼べた
 ....
春になっても苺を摘みには行かない

それでも時々
その世界観に浸りたくなる場所

花男のF4よりもメジャー(ではないだろうけど)
エドガーメアリーアランの三人組

硬質の黒い線で描 ....
ひとりぼっちの教室から見上げるきみはどうしてそんなに青いの、




背高草。
飛び越え飛び越え高くなれ。
もっと誰よりきみよりも。


お腹が空い ....
我々は日々守っている〜る
したがっている〜る 遵守している〜る
何を守っている〜る? 何のために守っている〜る?
わかってるはずだけどわからなくなるほど守っている〜る
守るという義務を守ってい ....
水在らあらあさんのおすすめリスト(3565)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
雨の犬- 藤丘 香 ...自由詩43*07-4-18
現象でしかないひかり- 水町綜助自由詩37*07-4-16
春にうまれたあなたのこと- 藤丘 香 ...自由詩41*07-4-10
花冷え- 水町綜助自由詩35*07-4-5
春の雨- もも う ...自由詩27*07-4-4
1997- 水町綜助自由詩27*07-4-1
家のない家族- ぽえむ君自由詩9*07-3-31
ナイトクルージング- yo-yo自由詩10*07-3-31
2007-03-31- 馬野ミキ自由詩9+07-3-31
泣き虫- ことは自由詩407-3-31
うらがえしのヒーロー(水中を真似て)- ねろ未詩・独白9*07-3-31
かなしみ- たもつ自由詩37*07-3-31
しずかなばしょ- 松本 涼自由詩807-3-31
女神- 壺内モモ ...自由詩2*07-3-31
やき奉行- 粉末未詩・独白407-3-31
駅前にて- 黒田人柱自由詩807-3-31
少年少女/まわる星- 石田 圭 ...自由詩4107-3-31
春の蟹- 佐野権太自由詩15*07-3-31
朝が下ってゆく- はな 自由詩20*07-3-31
それではみなさん本日も、乾杯。- もしゅ未詩・独白4*07-3-31
閉じられた世界- 新井蜜自由詩407-3-30
雲に月- アハウ自由詩11*07-3-30
春の駅- ぽえむ君自由詩8*07-3-30
私の屍を越えていけ- 野火 後 ...自由詩507-3-30
うー- 恋月 ぴ ...自由詩16*07-3-30
いつものように- 生田 稔短歌8*07-3-30
故郷における影- こしごえ自由詩33*07-3-30
*ウ”ァンパイアでポゥ*- かおる自由詩7*07-3-30
「_草原の教室。_」- PULL.短歌6*07-3-30
ルール- 新守山ダ ...自由詩607-3-30

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119