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夜明けとともに
目的もなくふらふらと
外を歩いてみる
そこの夏は冷たかった

葉の上の雫に触れ
その一瞬にしかない冷たさは
手のひらの中で
やがて消えてゆく

川のせせらぎの音も
 ....
家族で豪華な料理を
食べに行った
お父さんとお母さんは
とても満足そうだったけど
ぼくは
おしゃべりしながら
家族みんなで分担して作った
カレーライスの方が
美味しいと思った

家 ....
一人で田舎道を歩く
夏の夕暮れ

人がいた
農家のおばあちゃんだった
ぼくを見て
こんにちはと丁寧に挨拶をしてきた

人がいた
畑から帰ってくるおじさんだった
日に焼けた顔が
ど ....
どこにでもある公園の
どこにでもある家族四人が遊んでいる
けれどもその家族には
家はなかった
それでも着ている服はちゃんとしていたし
髪の毛も長すぎず短すぎず
食べるものも食べている
と ....
春の駅に列車がやってくる
駅は桜の花びらを散らしている
列車は駅に着くというよりも
春の風に押されながら
春の中に迎えられる
扉が開けば春の香りに包まれ
窮屈だった体と心が解放される
梢 ....
宇宙は本当に広いのだろうか
もしも宇宙に終わりがあるのなら
星の数に限りがあるのなら
宇宙は狭いのかもしれない
果てしなく続いて
終わりのない空間に
広いという言葉は似合うのだろうか
広 ....
花が夢をあきらめかけていた時
空より夢が花に落ち
花は今よりも鮮やかになった
夢をもった花は夢を咲かせようとした
けれども花はその花以上にはなれなかった
やがて花はしおれ枯れていった
その ....
生まれ出る感情は
どこから湧いてくるのか
わからないけれど
森の中の泉のように
こんこんと
形を留まらせずに湧き出して
全身に流れてゆく
ある流れは海のような夢へと
広がってゆく
あ ....
そのヘッドフォンは
わがままな存在と言われながらも
誰からの耳も貸さなかった
自分に流れてくる音楽に酔いしれ
他人には一切聴かせることはさせずに
自分だけの世界に閉じこもっていた
誰よりも ....
あの日はきっと春だったと思う
部屋に置かれた
アジアンタムの葉がそよいでいた
近くのスピーカーからは
小鳥のさえずる声をバックにした
ピアノ協奏曲が流れていた
窓から差し込む光が
やさし ....
石鹸は邪悪な念を持ち始めた
毎日のように汚いものに接しているうちに
その心が侵されてしまったのだ
穢れがなければ自分の存在はない
穢れとともに生きてゆくことに
生きがいをもつようになった
 ....
冬の夜見上げる空の夢の種
一つ一つが眩く光る

春の朝道の片隅夢の芽に
新たな時の始まり想う

初夏の日に空に伸びゆく夢の枝
遠い山まで連なる姿

夏の海入道雲の夢の葉が
繁る姿に ....
その木はぬくもりの森の中にあった
根を深く下ろし
広く伸ばして
太陽の光で守られていた
その木から放たれる力は
周りの生き物の命に
安らぎへのメロディーになった
その歌を耳にするものは
 ....
咲き初めし頃より花を想ひ
春のゆくへを知りつつ
時を愛づる心はまさに無常の心なり
花は目にて見るにあらず
心にて見るものなり
花のみに限らず
人とてまた同じ

花の咲く時を知り
とも ....
生まれた時から
ぼくには父親がいなかった
母からは
父は遠いところで仕事をしている
としか言われていなかったが
ぼくは父の写真を一度も見たことがない
子どもの頃
母に連れられて
どこか ....
どうして人は空を飛べないの
小さな少女のふとした疑問

どうして人は空を飛べないの
人は大地を守らなければならないのです
大空を自由に飛びまれたら
人は守らなければならない大地を
破壊し ....
まず初めに、このサイトの管理人さん、いつも互いに励ましあって
詩作をしている方々に感謝いたします。

今日でこのサイトに登録してから1年になる。
365日前は詩というものは何一つとして書くこと ....
何も描かれていないその絵本は
風の中にあった
ミルク色をしたその紙の上に
風が運んだ川のせせらぎの音を
優しくのせてゆく
絵本の中では
水は静かに海へと流れてゆく
絵本の右上から小鳥のさ ....
麗らかな春の匂いはどこにある
梢の先の小さなつぼみ

清らかな春の光はどこにある
川に流れる小さな雫

ゆるやかな春の動きはどこにある
日なたで伸びる子猫のあくび

新しい春の心はど ....
角のない消しゴムは
捨てられる寸前だった
角があろうとなかろうと
同じ材質なのに
四つの角があるとないだけで
大きな差をつくっていた
丸みの部分にはすれたえんぴつが
くっついていて
手 ....
ぼくのかばんは空の色と同じだ
青いような白いような
どっちにしても気持ちいい
空より入らないけど
たくさん入れることができる
テキストとノートや筆箱を
ぎゅうぎゅうしながら押し込めて
背 ....
彼は莫大な借金をした
その時の彼は若かった
生活に困っての借金ではなかった
きちんと働いていて
収入はむしろ安定していた
それでも彼は借金をした
彼は将来への確実に
不安を抱いていた
 ....
その竹薮の中は時が止まっていた
動いているものは風と
竹の軋む音だけ
空を見上げれば
青空の中を積雲が静かに流れる
心の中では
懐かしいオルゴールのメロディーが
小さく流れている
理に ....
歯車は旅に出た
今まで一緒に回っていた他の歯車と
どこかかみ合わなかった
自分の歯数を嘆いたり
他の歯車の歯数を責めたりもした
それでもやはりその場にいづらくなって
人知れず早朝に旅立った ....
隣の家に借金取りがやってきた
すごい剣幕で怒鳴っていた
家と家がくっついているくらい近いので
まるで自分の家に聞こえるかのようだった
小さい音ながら
何度も何度も隣の家のインターホンが
鳴 ....
今日はお姉ちゃんの卒業式だ
昔から卒業式はだいたい
今度入学する中学校の制服を
着ることになっている
お姉ちゃんもその一人だ
ぼくはいつものように
朝ごはんを食べている
いつもはみんな一 ....
ぼくらの夢が一つ消えていった
ずっと空き地だった場所に
高層マンションが建つらしい
みんなでゲームをしたり
自転車で走り回ったり
喧嘩になったりもしたけれど
いつも気軽にみんなが集まって
 ....
「たいへんよくできました」
というスタンプがどうしても
自分のノートに押されたかった
先生にノートを渡しても
いつも「がんばろう」とか
「あとひといき」ばかりだった
同じクマのスタンプなの ....
道は眠っていた
空になった夢を見ていた
春の暖かさに包まれて
とても気持ちがよかった
こうして一日中のんびりと過ごすのは
久しぶりだった
時が止まって
このままでずっといられたらと思った ....
晴れた日の夕暮れ
その詩人は必ず川原に現れた
夕陽を眺めては
気持ちを溶かし込みながら
一つの詩を生んでいった
ある時は静かに悲しく
ある時は力強い魂を
言葉を使いながら描いていった
 ....
水在らあらあさんのぽえむ君さんおすすめリスト(226)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
冷たい夏- ぽえむ君自由詩23*07-7-24
豪華な不満- ぽえむ君自由詩13*07-7-12
田舎道- ぽえむ君自由詩7*07-6-26
家のない家族- ぽえむ君自由詩9*07-3-31
春の駅- ぽえむ君自由詩8*07-3-30
宇宙は広いのか- ぽえむ君自由詩12*07-3-29
夢を咲かせる花- ぽえむ君自由詩8*07-3-28
生まれ出る感情は- ぽえむ君自由詩8*07-3-27
わがままなヘッドフォン- ぽえむ君自由詩11*07-3-27
きっと春だった- ぽえむ君自由詩14*07-3-26
汚れた石鹸- ぽえむ君自由詩14+*07-3-25
夢の四季歌- ぽえむ君短歌4*07-3-25
ぬくもりの木- ぽえむ君自由詩12*07-3-24
春の心ばへ_★_古語の宴_参加作品_★- ぽえむ君自由詩8*07-3-24
桜の面影- ぽえむ君自由詩12*07-3-23
人は空を飛べない- ぽえむ君自由詩11*07-3-21
現代詩フォーラム登録1年を振り返って- ぽえむ君未詩・独白30*07-3-20
風の中の絵本- ぽえむ君自由詩15*07-3-20
初春の歌- ぽえむ君短歌16*07-3-20
角のない消しゴム- ぽえむ君自由詩9*07-3-19
空色のかばん- ぽえむ君自由詩11*07-3-18
借金返済- ぽえむ君自由詩5*07-3-17
平和な一日- ぽえむ君自由詩9*07-3-17
旅する歯車- ぽえむ君自由詩11*07-3-16
借金取り- ぽえむ君自由詩10*07-3-16
お姉ちゃんの卒業式- ぽえむ君自由詩10*07-3-15
高層マンション- ぽえむ君自由詩13*07-3-15
たいへんよくできました- ぽえむ君自由詩36*07-3-14
夢見る道路- ぽえむ君自由詩6*07-3-14
夕陽の詩人- ぽえむ君自由詩15*07-3-13

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