破れ垂れ下がった灰いろの空
ちかくとおく恐慌じみた声楽が追い立てる
中身がすっかり空になったのは財布だけではない
傾ぎながら電飾のすり鉢のそこを通り過ぎた
それを寒風のなかから眺めていた
ど ....
糸のほつれた万華鏡が
壊れかけながら空へ昇り
鳥に追われる鳥を隠した


ふるえつづけるふたつのものが
失いながら抱きあいながら
空を光にもどしてゆく


青と金は ....
ヘッドライトを浴びて踊る雪は 
しだいに密度を増して
行く手の視界が遮られる

海岸添いのゆるやかなカーブが
永遠に終わらないという錯覚


私たちは
どこへ ....
階段には鍵が掛かっていた
鍵を持っている人はみな
蟹のような格好をして降りて行ったが
昨夜食べた蟹は形も違うし
赤く茹で上がって
あんなに嬉しそうではなかった
降りられない階段を見 ....
空と海
誰かがひいたあの線の
手前で競い合っている

砂利道ばかりの
僕の田舎は
海がきれいで
何も無かった

今にも泣きだしそうな青ばかりと
僕を飲み込ん ....
  皮膚という薄皮の中に
  なまあたたかい
  生がある
  そう思いこんでいる

骨にまとわりつく体を
巡っていく流れに
生がある
そう思いこんでいる

  あなたとつない ....
なんて不思議な秋
朱色のなか抵抗する青
故里は
いつでも果実です
じゅわりと沁みる
街よ、柊

もう何ひとつ
見たくはない。
心棒は微妙に曲がり
均等を保てない
せつなや肩

 ....
妖精に ひっこぬかれたとき
となりに咲いていた きみを
ひっこぬいた ひとりでは
こわかったんだ ごめんね
おもいっきり ひっぱたいていいよ
水に打たれて
鳥になる雪
おしとやかなだけで
いいのですか


花の吸いがら
雪硝子の背
どこかの国の
旗のよな空


黒い丸から
生まれた春とて
羽を知らぬは ....
回らない時計を目の前にして
君が暮れる
寒さを間違えるようにして
マフラーに埋もれて見えなくなる
薄い窓に耳を寄せれば
世界はこんなにもくっきりと


くれる
途方に
あるいは
 ....
意味不明
短い両手をひろげた
お人形

ほほ笑む口と裏腹の
まるい目が
なんだか哀しい

子どもは
こういうお人形が
本当に好きなのか

たのしげな顔なのに
放っておかれたま ....
仕事帰りの人々がため息まじりにぞろぞろと
スクランブル交差点をわたり渋谷駅へと吸い込まれてゆく

18時20分

パチンコ玉なった僕は
ジグザグに人と人の間を{ルビ縫=ぬ}ってゆく

 ....
砕くのをやめたフォーチュンクッキーと崩れ始めた空の気配と


花束は伏せられていて未だ眠り止まない六月病の花嫁


泥棒も蛇も来ないと知る今もやさしくひびく夜の口笛


耳鳴りの(雨 ....
あのとき
僕が流してしまった涙は
本当の涙だっただろうか

ひょっとして
あれは作りもので
まだ君はそれをそっと
隠してもっているんじゃないだろうか

そしてそれ以来
僕は涙を流せ ....
             小   に
             瓶   う
             は   よ
            た     の
          ....
君はまた空を飛ぶ
    いつものように、そのままの姿で


さよならと言う口で、ただいまと伝える
手の届くすべてが本当で、そこに嘘を混ぜ込んでいく
君はいつまでも空を飛んでいて
僕らは ....
いま すれちがったひとの
顔のうろこが すこし
はがれていたよね なまぐさく  
だれしも さむいものを
海に はこぶ途中なんだ
おまえがほんとうのことを口走る度に
鳥の翼から羽毛がぬけ落ちる
世界はやせ細り 目に見えるものすべてが
絵に描かれたものとして溶けてゆく
たとえば可哀相な妹が
人に知られぬ速度で後退する時
 ....
{引用=*四行連詩作法(木島始氏による)
1.先行四行詩の第三行目の語か句をとり、その同義語(同義句)か、あるいは反義語(反義句)を自作四行詩の第三行目に入れること。
2.先行四行詩の第四行目の語 ....


見渡す限りの
どこまで行くつもりなのか
いつも走りながら
喚き散らしていた男は
もう死んだ
幸せに
死んだ
その音を逃すまいと
耳を澄ます


夜の扉が
ひらくとき
凛となる
かすかな音色を
中指から先に 
地に付け 飛び立ち
光を
奪うように吸う


ひとつの緑
とどろく緑
水滴の世界に
隣り合う水滴


手に余るものはこぼれ
いつのまにか芽吹き ....
服を二着
くるくる ほどき
糸に戻す
その指先



糸以外の
指以外の
何物にも ならぬ
その回転



その
細く
白い
無言




 ....
 付加価値。
 経済学においては「商品の生産・流通の各段階において新しく生み出される価値」となるようです。この付加価値という概念はじつはとても広義で、一概にこういうものだとは言えません。グリコのおま ....
続き。詩の「商品力」向上のポイントとして、

1.質を向上させる
2.特性を理解して訴求する
3.付加価値を付ける

この3つを挙げました。で、今回は1の質の向上について書こうと思ってたん ....
 詩について個人的に考えていることを話していくので、時々独断と偏見に満ちたものになるかもしれませんが、そこはそれ、テキトーによろしくということで。というわけでまず、詩の「商品力」について。

 「 ....
空はぎすぎすしない 空はくよくよしない
ただ果てしなく続く
空は立ち止まらない ただひたすらに流れる また流れる
気づくと
空の中には何もない 空の中には誰もいない
それでも
空があり ....
初出:
ウエノポエトリカンジャム3 公式パンフレット「Iu(イウ)」(2005年夏)
(http://www.upj.jp/)
「詩なんかよく知らない人にネットの詩について伝えるメッ ....
たとえそれが死臭だったとしても
鼻裏にこびりついて
いつも離れない気がしても
今日の仕事は
こなさなければならない

できなければ
死刑宣告

きっとそうだ
あれは
死刑にされた ....
遠くにいる人を想っている

列車は夜の手のひらをすべるように過ぎてゆく
舞い落ちる雪はその速度に蹴散らされて
散らされた後たいへん静かになり
静かに舞い落ちて
舞い落ちて
落ちて
落ち ....
こしごえさんのおすすめリスト(4694)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
北斗七星- アシタバ自由詩205-12-23
鳥と鏡- 木立 悟自由詩705-12-23
Snow_storm- 落合朱美自由詩13*05-12-23
- たもつ自由詩205-12-23
- 自由詩705-12-23
誰か、ささやけ- たりぽん ...自由詩1305-12-22
リズム- 便乗鴎自由詩205-12-22
そろもん(道ずれの話)- みつべえ自由詩605-12-22
ノート(ひかり_たわむれ)- 木立 悟未詩・独白505-12-22
君が暮れる- 霜天自由詩805-12-22
泣いている訳- 蒼木りん未詩・独白305-12-21
「空白乗車券」- 服部 剛自由詩6*05-12-21
マイム- ソマリ短歌10*05-12-21
涸れた- 436自由詩1*05-12-21
小瓶- ふるる未詩・独白13*05-12-20
休日は、ほつれるように- 霜天自由詩305-12-20
そろもん(木枯の話)- みつべえ自由詩505-12-19
世界の別名- 岡部淳太 ...自由詩33*05-12-19
四行連詩_独吟_<刻>の巻- 塔野夏子自由詩10*05-12-19
平野- チアーヌ自由詩405-12-19
Gate- LEO携帯写真+ ...10*05-12-19
とらわれ- 木立 悟自由詩605-12-19
ノート(42Y.12・19)- 木立 悟未詩・独白305-12-19
3.詩の付加価値- いとう散文(批評 ...7*05-12-19
2.詩の商品特性- いとう散文(批評 ...7*05-12-19
1.詩の商品力- いとう散文(批評 ...9+*05-12-19
色即是空空即是色- 第2の地 ...自由詩305-12-19
Hello----,Hello----._私たちは、つながっ ...- いとう散文(批評 ...4105-12-19
全自動洗濯機- 蒼木りん未詩・独白205-12-19
遠くにいる- ふるる自由詩38*05-12-18

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