倍音、光となり
響き合い
清澄な水流の
激す時、
永劫の大洋
奏で出す
ヒビキ、
思惟の響き
声と声の響き合い
光となる倍音
響き合う愛
....
空が紅く暗かった
ヤマタノオロチが来るというので
みんな防空壕の中で息をひそめた
ぼくは写真を撮りたいと思ったので
カメラをぶら下げて
街に出かけた
ヤマタノオロチはキングギドラだった
....
光の視界を
人、人、人、
昇ったり降りたり
ドテラ姿のおじさん
また会ったね、ハローハロー
人、それぞれに
日常の場で非日常の場で
活動し創造しながら
それぞれの可能性と限 ....
何が私をそそのかすのか
穏やかなふりに疲れた時
背中を押され私も
誰かを押しそうになる
まだ誰もいないうちから
この感覚が体を動かす
まだ誰もいないから大丈夫
唱えながら
季節 ....
ぽっかり次々生々し
顔顔顔、
瞑目意識視界に現れ在り
オマエ誰なんだ?
問う私、
先ず誰なんだ?と
わかりたくて
わからなくて
ふたりうつむいた
残像は静止したまま
スイッチを手探る
さくら咲く公園で
泣いたきみ
だきしめ
だきしめられた
黒曜の夜
ひたすらに
....
ひっくり返りびっくらこ
微妙に確かに変わりゆく
男になったり女になったり
意識の野辺に輝き咲き開く
アナタという顔ノ美しき
破裂スル
時の間に間に
ぽっかりこ
魔と魔の ....
師匠が言ったことを思い出す
若いということはバカなこと だと…
何故ぼくはこの歳になってもバカなのか
大切な珠玉をアスファルトに叩きつけ
深い傷を負わせた
それは自分を傷 ....
おまえとビバークしたい
花粉の舞いとぶビルの屋上で
段ボールを敷いて、
テントなんか張らずに
星空を仰いで夜を過ごしたい
ポケットにはウイスキーもある
柿の種とかっぱえびせんだってある ....
ずぶ濡れの子猫が鳴いていた
寒さで震えている
ニャァ… とか細く鳴いたので
ぼくは自宅へ連れて帰った
タオルで拭いても鳴いている
ミルクを与えても口にせず
ぼくはどうしたら良いのか
解ら ....
明日から四月、
時 過ぎ去り
人生 未だ途上
今、正に委ね観ているもの
それ真とし 更に進む
ぼくは道化師
老いたピエロ
観客を笑わせては
ご機嫌をとっている
化粧に隠した顔は誰にも見せない
眼尻に描いた紅い涙は乾いている
手品を見せてはため息を吐かせ
夜毎繰り返す芸 ....
世間に遊ぶ
世間と親和し
満洲餃子など
友と食べ歩きし
肉顔持つ魂達を見入り
赤煉瓦の港町は
後ろ暗い汚物が一掃され
うわべだけは瀟洒な衣装を着ている
遠い国からの荷物に潜んだ
赤い蜘蛛にとっては新天地だ
交響曲が聞こえてくる
泥とあぶらが染みついた服で
....
春の上辺の景色に
色欲がなぞる
それは現実と内側が
溶け合う真昼
子供のような体温は
不規則な熱情と
規則的な自然のまたたきに
揺らぐ小さな愛のように
しずくとなり
冷たいような ....
さみだれに
乱れて回る風車には
あがない戦うなにかがみえた
寂しさを
ドレミで云えば根拠なく
そいつはシだねと云い切る唇
ささくれた
こころをやさしく撫 ....
永劫の大洋
打ち寄せる波
揺り籠から墓場まで
墓場から揺り籠まで
燃え滾る創造力動
、
時の狭間を縫い
永劫の内なる大洋から
溢れ流れ出る 行為へと
行為す ....
ことば は 溶けている
いちどは 溶けて ただよう
ふわり と どろりと
ことば は 約束したり
裏切り続け
そうして 何度も溶けた ある日
うまれたばかりの 私は
つつまれただ ....
僕らをつなぐものは
あの哀しみの聖地だけ
もう今はたやすく訪れることもできない
あの場所の記憶だけ
今頃はまた あの場所をふちどるように
菫が咲いているんだろう ちいさな光を纏って
....
盲目の空が割れ裂け
入って来い入って来い!
叫ぶ、叫んでいる
あぁ かなしゅん
痛み抱えながら耐えながら
無限に広がりいき開放され
しずか静かさに昇り沈み
入って行く入って生く ....
道路に落ちて
雨に濡れた紙飛行機は
どうしようもなくみっともなくて
翼に乗せていたはずの夢は
タイヤの模様に変わっている
行き交う車に踏まれて
アルミニウムの円盤になった
一円玉が隣でし ....
あなたが手紙をくれたから
日々が春へと向かっていることに
気がつきました
いつの間にか
硬く
冷たく
難しくなっていたわたしを
あなたはどこで笑ってくれますか
わたしの返信を
....
ある日 机の上にぽつんと
見上げる空に 小さくぽつんと
夕食のときに突然、妻がぽつんと
揺れる吊り下げ広告にも なぜかぽつんと
──見知らぬ──
「新しいことば」が
そ ....
踏み切りの明るみに
ふと輝き在る君の顔、
語りかける如くに
微笑みシアワセそう
見つけたんだね、自らの根拠
自らの根拠、
君と僕を繋ぐ
それぞれの内底に
....
月の鏡は夜空を隠し
星々が眠りに就くから
夜の散歩もゆるしてくれる
湖に映る光は月と仲良しだから
微かな風が春の{ルビ詩=うた}を歌い
ささやかな祝福を奏でてくれる
きみとの約束は ....
水面を割り底へ
底へと泳ぎ生く人、
水辺にてささやき掻く
〉神々降誕の手前にて〈
ひっくり返る宝石箱に
色んな人相 輝き蠢き在り
ライトブルーの空
すこうし白をのせた色
あの色を知っている
埠頭に咲いた可憐な花もまた
無邪気にすみわたって
人の秘密をあらわにさせる
そんな色をしていた
或いは
指を彩る鉱石もまた同 ....
青すぎた空に
愛と憎悪の螺旋が渦を巻いていた
透明な視力には
それが耐えられなくて
ウオッカをあおっては
炎が喉を通り過ぎていく
遠い記憶の底をたどるけれど
深海に潜ることも ....
春なのに
びっくりするほど哀しい
いやなことはやく過ぎて
春なのに
まだねむり足りないと思う
目ざめないでと思う
春なのに
こんなに綺麗なのに
ただ笑っているだけの
もう ....
ひんやりと ビルの光の壁に沿って
次つぎ沈んでゆく白イルカ
隙間なくガラス 張り詰めた大理石
仮託して久しい本能
暗闇に光るコバルト毒を呑み下し
冷却する 豊かなゴミ色とりどりの儀 ....
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