がんだち たちまい どーん ど どーんや
まいふく みめい の きんらん こまどり
いわさく めぶきよ もえふす しじま の
いてつく このむね かたみの つづら よ
つちあげ かぜと ....
いつからか
いつだって
夕暮れにはどうしたって寒さを感じてしまうので
羽織るものを探して
溶けるようにして逃げ込む家並み
指先の冷たさで、触れると
いつだって君は飛び上がって
降りて ....
夕暮れ時がそこにはあった
透明なゼリーに閉じ込められた
みかんの間を
飛行機は泡の尾を引きながら
西へと飛ん ....
1.
かみさまは、どこですか。
2.
かみさまは、どこですか。
道すがらたずねると
あっち、と指をさした人がいたので
ひたすら あっち、に向かって歩いた
歩いて歩 ....
悠久の時を越えて来るものは
優しい光りとなり
波に木霊する
ひとつひとつが七色に輝きながら
押し寄せてまた戻る
百年も千年も波の旅と恋が始る
煌きは風と渡り
....
散歩する
ひとりで
世界に抗うための 肝試し
夜の墓地
君の他には誰もいない場所
君は闇の静かな渓流の中に
ひとつの影を見る
誰もいないはずなのに
墓地をうろつく黒い影
君は見る
....
真っ暗な閉め切った部屋の片隅で白と黒が無秩序に演出する光と闇のコントラストから流れ出す無機質なメロディーが思考を止めたボクの中のレプリカントを愛撫しながらこの狭い小宇宙に光速で進む世界を外から見つめる ....
まだ時間はある、
燃え尽きるまでには。
おれは長いあいだ炎ではなかった、
静かに灰になっていこうとしていた。
おれは夜に黒く燃える太陽を見た、
重力の暗さを持ったフレアがのた ....
この近くの木蓮と何処か遠くの木蓮が通じ合ったことがあった。見る眼球の違いにより感じ方も異なっていたけれども、それでも木蓮に目を留めた、という一点、それで充分、強い強い糸がその一点を通った、少なくとも ....
春風 二人飛び込みながら
微笑と予想外の提案
「約束は飛行機雲の日曜日」
500円硬貨 腕時計 合言葉 揃えて
共作共演の時間差外出
街路樹 信号無視 街ごとのジャメビュ
....
白い月夜にぱかぱかと赤信号
君に逢いに行かなくては
白黒の横断歩道
白い部分だけを飛び越えて、地下鉄に潜り込む
キラキラと輝く星達は居ない
エイプリルフール、約束をしよう
愛知万博の輝きは ....
青く澄んだ空のてっぺん
ぐるりとめぐるひかりの輪
きらきらまわる浅い淵から
湧き集まってくるあわい雪
それはまるであぶれた幸せ
そらにひろがるこぼれた幸せ
ひらりひらりとまいながら
くる ....
遠い日の夜
私が目を覚ますと
家には誰もいませんでした。
このとき私のなかで青い虫が鳴きました。
(きいきい)
さらに遠いむかし
最後の氷河期が
始まろうとする夜
私は猿で ....
本当は、こんな文章を書くべきではないのかもしれない。ましてやそれを発表するなどということは、絶対にしてはいけないことなのかもしれない。だが、時には書かなければいられないこともあるし、書かなければなら ....
ひとんちのバスタブで、
両手をのばす
出来るだけとおくに、のばす
右にも、左にも、下にも、上にも、
名前が付けられない角度にだって
出来るだけとおくに、のばす
人生の三学期が終わって
....
冬
灯りを点けない夕方は
何故かどきどきする
小さいときなら遊びつかれて
夕飯まで
少し眠った
ストーブ上のユキダルマ
履き替えた靴下
苛めた犬
ソリのきしみ
耳切る風 ....
あおいの野に吹く風を追いかけて
転ばぬ 先 へ
君は風になり するり 水面の音に
消ゆ
そばだて て
それだけを拾おうとして 風は
流る る
こしていく 冷えた息
向こう側に 滑りゆく
私じゃない 私の行方
持ち出せない 鍵の開く音
隠している荷 炉に 並べ
燃え尽きて 透けてる 私
まだ変われるなら どうか
....
彼 の 夏 に
溺 れ ぬ や う に と 閉 ぢ た 空
無 人 で 回 る
廃 観 覧 車
有難を無難に実現させたコトバ
「茶色がすき。」
グリーンにゴールドを合わせて2004年の夏を編む
靴ひもに魅せられた二人の時間
モノクロームの白を生きてきた君が描いた黒
無 ....
その人は起き上がる
いまだ眠たげな目をこすりながら
一杯の朝のコーヒーを探し求める
たった一杯で
本当に目が醒めるのなら
世界は半日ごとに覚醒と睡眠を繰り返す
整理された場所になるだろう
....
出会うのが遅くてごめんね
なんて
あやまるのはやめてください
たとえそれが
ほんの束の間でも
気の遠くなるような数の
偶然を重ねて
ここに
ふたり
寄り添えた奇蹟を
今はただ
....
天動説の子どもが増えてるらしいのですが
それはまったく自然なことです
地球が回っているのだとしても朝が来るのは退屈なのですから
僕はお布団で魚になって
箱舟に乗ったかあさんとはなしをします ....
燃えるものがない
燃やすものがない
燃えようとする心だけが
かろうじて生き残ろうとするとき
ぼくの指先はペンを握りしめる
ああ白紙には危険な文字が溢れている
白紙を汚そうとするとき
....
塔というひとつの崩れるあこがれや空へと伸ばした腕の傷痕
傷つけて傷つけられて庭先で裸足のままで梅の香を嗅ぐ
濁流に映りしきみの微笑みか重たき日々の波のきらめき
階段の日陰 ....
ほと・ほと・と、日溜り温く
昼下がり ・ ・ ・
白い雲など浮かんでおりぬ
ぼんやり空を仰いでる
こんな時間に空を見る
無かった時を取り戻し
弥生の ....
それでもこの心は
果てしなく遊離線を描くのだ
そうだよ 憧れは遠いから憧れなのだ
君をとおしてその遥かさを見つめようとしていた
残酷なこの心よ
指先であそぶ旋律がピアノの鍵盤の上を流れて
部屋に溢れるやさしい音階のすきまに
天球図は青くひろがってゆく
東のかなたの
さそりの心臓は自ら発火し
そのきらめきは引き出しの奥で眠るルビー
....
ミルクが欲しい1歳は
男が欲しい21歳に
あっけなく捨て去られる
新しいゲームソフトが欲しい12歳が
プラダが欲しい32歳の
財布から金を抜き取る
夢が欲しい33歳は
安定が欲し ....
鈍く光る銀色のドアノブをひねり
といれに入ると
窓辺にはうす桃色の{ルビ薔薇=ばら}が咲いていた
水色のすりっぱには
背中合わせのふたり
男の子は贈る花を背に隠し
女の子は四葉のクロー ....
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