蝋燭の
仄かに灯した明かりだけで
読みたい物語がある


閉ざされた雪山の麓の
貧しい村の物語

痩せた土壌では穀物も育たず
日照りの夏と実らぬ秋を経て
魂の芯まで凍える冬を迎 ....
空が
すべってくるのを
まっている

雨 も
雪 も
白い雲 も
お日様 も
春までの道のりを
手探りするきみの指で
うたは束の間、白く結晶する

凍れる河と
色褪せた山並みと
特急列車の行方を挟み
わたしの前で野分の一陣はわらう


今日も約束の書けぬ手紙 ....
その中で 支度をする

なお、ひかる
くるしいまばたきに
ゆびのすきまからあふれ
染みを
のこして






あの日
髪をきってほしいと言った
初冬だった
あさひがの ....
静電気が怖い、怖い、私の手の平の保湿から
握られた硬貨がするり と逃走しては
自販機の隙間へ乾燥を求めて サヨナラします。


コイン投入口は私の指先から消え去った
お金の代わりに水分 ....
ベランダは東向きだから
朝はとても眩しいよ

  彼ね
  厳しい審査の結果
  高得点で合格しないと見せないよ
  足の親指を齧ったあとの
  くりん、とキャット半回転

  もう ....
{引用=ああ
君は赤い

僕は目をつぶって
一気に吸いこむ


ああ
唇よりも赤い

冷たい空気と巻きこんで
無秩序にえぐる
声、声、


ああ
夕日よりも赤い

 ....
庭の落ち葉を掃き集める
足元に猫が、頭を摺り寄せ
日溜りに寝そべった
 

 
  病室の窓から
  川向こうの桜を眺め
  花見のようだと
  喜ぶ父さん

  帰るはずの家は遠く
  山向こう空は ....
偽造された朝を押しつけられても
注文どおりの覚醒など出来よう筈もなく
自らを小さく蝕むことで
存在可能な時空をどうにかつなぎとめ
意識はただ浅く笑い
深く滅んでゆく



 ....
子供が
消えて
雲と、雲以外のものの境界が
曖昧になってゆく
遠い飛行機の轟音と、鼓膜とが
混同されてゆく
昼なのか、それとも
冬なのか
子供は
過ぎる為に走るのだっ ....
たった一つの君は
風のように吹いているが
たとえば
コートのフードを躍らせたり
トマトの表面にとどまる水滴に光を与えるとき
微かな掌の温もりに似た質感を残していくのだ
そう 僕らは ....
氷壁は確保すら危うい
三点支持
命綱は細い電波のように
とぎれとぎれ


辿った記憶だけが教えてくれる
過ぎ去った轍を踏み


体温も
灯りも
声すら
霧の彼方に常に失われ
 ....
抱き上げられない重さを掻き毟り
沈みきれない深さに溺れ
空を見上げれば死ぬ深海魚の瞳を見れば
次元を違えるように
月を二つに割っている

音と言葉との交尾の連続に
時は入る余 ....
天気予報の通りに 雨
今の季節は しょうがない

手首と 喉元に 水が
少しでも 沁み込まないように
タオルと 手差しを 巻き
雨合羽を 着込む

六尺のはしごが 私には 調度いい
 ....
{ルビ蒼水面=あをみなも}浮かび流るる赤き葉も沈みたゆたう淡き葉も秋 


紅葉を閉じ込めている秋の川浮かぶ{ルビ椛=もみじ}も沈む椛も
                
ヘッドフォンから流れでる星を聴く白む空に祈る午前5時



昼過ぎの日ざし出窓の水槽でスプリングして七色プリズム




空の手前でカーヴしてはくりかえす「はなれたくない」ロケット旋 ....
一、

せんせい、と
あたしの声が響くたび
澄んだ空気が
ゆらり
あでやかに揺れる
それに気付いて
目の奥のどうようを
れいせいな
おとなのまなざしで
隠すひと

その距離は ....
こんなにも高い こんなにも深い

  世界の間で 君の夢を 見た




 美しい鳥よ そのとき たしかに

   僕 は 君を見る 方法 だった… 




 ....
知っているのですか
あなたと
わたしが
手を合わせる
その意味を

つなぐ、と
つながれる、の
隔たりをあなたは
まるで何も
知らないかのように

この寂しさを
知ってくださ ....
突風で
ぱたり
ぱたり、と
素敵なスキップが
消えてゆく、その頃
何事もなかったかのように
夕刻が
やがて、夜であり
冬であるなら
素直でいることはとても難しくて ....
やわらかな陽射しに顔を照らされて
ふと立ちどまる

それはあの人の腕の中と同じ温もりで
ぽっかりと空いた胸の空洞に気づく


子供みたいに駄々をこねて
一夜だけでいいからと縋ったの ....
 遠く離れた異国の風景のように
 今日の僕の住んでる街は趣を変えていた
 僕の心のレンズに映る街路樹は音もたてずに
 ささやきあっている
 夜になって街灯が灯ると目に見えない妖精が
 やはり ....
パッケージが
破かれてゆく
微かな期待に
苛立った指で


どこにも
何も
入っていない
ということが
からだに向かって開け放たれ
明らかになっても
明らか ....
めぐっているのは
時ではない
 
願うこと求めること欲すること

知っていても
祈ることはいまだ知らないのだから
 
憧れるほどに
まなざしは遠ざかる
破滅的な情緒で
恋をする ....
中学や高校時代に書き散らかした。へたくそなのに自分で「詩」と呼んで
書き散らかしていました。それは主に大学ノートに、結構きれいに書かれ
ていて、いまのメモ書きに比べると「ほほぉ」と思えるほど詩集風 ....
海岸にうちあげられた貝殻は
まるで磨かれたつめのようでした

わたしはその上を裸足になって
割らないように歩きました

もう冬の寒さの中
波しぶきが雪のように舞う日のことです

痛い ....
朝の日向ぼっこは
野生のアサナ
日光から 大気から
吸引するプラナが
主に会陰部に集中して竈の火がおこる
だが それは決して欲情ではなく
深いサマーディでもあるのだ
たとえ
彼のまぶた ....
いにしえのインスツルメンツ
奏でる滑らかなハルモニア
みどりごの泣く声のよに一直線に
荒れ狂う北の海を飛び越えて

異国の草原でまどろみながら
アルハンブラの夢を見る
乙女の頬のやわらか ....
それは
頑なな蕾

慈しみの雨にも
きららの陽射しにも
咲かずにあり

  ひっそりと
     花弁の色を思案している

いつかきみの唇 触れて
眠れる森の姫のごと
ゆっくり ....
{ルビ吾=あ}の胸を刺した蜜蜂命絶え痛み残してポトリと落つる

もしかして君は誰かの化身かといぶかしんでる薬塗りつつ

あの刹那君は死んでもよかったと思えたのかと傷跡に問う

もう一度刺さ ....
こしごえさんのおすすめリスト(4698)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
冬物語- 落合朱美自由詩14*05-11-20
そら色のすべりだい- LEO携帯写真+ ...14*05-11-20
六花のうた- 銀猫自由詩19*05-11-20
立冬に_ひかり- はな 自由詩17*05-11-19
ホットドリンクを買いにゆく。- 千月 話 ...自由詩9*05-11-19
猫の結婚記念日- 銀猫自由詩11*05-11-18
ていねいに四角い紙(ラブレター)- 簑田伶子自由詩7*05-11-18
落ち葉焚き- LEO自由詩6*05-11-17
- 塔野夏子自由詩11*05-11-17
設問ごっこ- A道化自由詩13*05-11-17
ブラックボックス- たもつ自由詩10+05-11-16
滑落- たりぽん ...自由詩605-11-16
「月触」- shu自由詩605-11-16
鼓動- 砂木自由詩13*05-11-15
流秋- 一代 歩短歌2*05-11-15
【短歌祭参加作品】_追伸_:_さがさないでください- 望月 ゆ ...短歌1405-11-14
少女舞台- かや自由詩13*05-11-14
世界の間(はざま)で- まどろむ ...自由詩2*05-11-14
優しい機械- いとう未詩・独白14*05-11-13
季節型舌禍- A道化自由詩805-11-13
小春日和- 落合朱美自由詩23*05-11-13
風邪気味のこころ- 炭本 樹 ...自由詩405-11-12
包装- A道化自由詩1005-11-12
少年観覧車- 塔野夏子自由詩9*05-11-11
私にとって、詩を書くということとは- たりぽん ...散文(批評 ...11*05-11-11
貝殻の道の上で- ベンジャ ...自由詩4*05-11-11
のーん!あるいはプレーリードッグの瞑目- The Boys On ...自由詩9*05-11-11
スコール- 大覚アキ ...自由詩305-11-11
頑なな蕾- 銀猫自由詩14*05-11-11
蜂の一刺し- 一代 歩短歌3*05-11-11

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157