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僕は只
あなたの傍に立っていたい
硝子のお猪口を手にする
一滴の涙が頬を伝う
梅雨晴れ間 産声あげる 我が詩集 一人もの思う夜
静寂(しじま)の囁くメッセージ

──すかぼろーふぇあを聴くがいい

曲のイメージとは裏腹に
日々の場面の転調は
暗闇に光の射すような
小さな変化の兆しらしい

そ ....
日々働いていた頃は
退勤のタイムカードを、押したくて
嘆いていた
「早く日がくれないかなぁ・・」

時は流れーー退職後
障がいのある息子につきっきりの夏休みは
つい愚痴ってしまう
「早 ....
──献杯の酒を飲む夜に

  * * * 

高校三年生の頃、僕は恋をしていた
あんなにも好きだった娘(こ)に
教室で話しかけることもできず
震えながら・・・告白しようとした
夏 ....
よか世には
まだまにあうのでは
なかろうか
友よ、風の声を聴け 
たまにはかわいい息子を、本気で叱る 
ひと握りの愛情をもって(目を見つめ)
げんこを、こつん

息子は唇かみしめて
何かをこらえ
涙ぐむ

明日こそは、抱きしめよう
親父の本音と
 ....
ぶーん
と、軽やかに宙を舞う 
一匹の蚊よ
命がけで人の血を吸う 
機会を狙うお前よ

逃げなさい

大きな黒い手の影が 
生きることと背中合わせの
お前をいつも追っている 

 ....
天につばを吐いたら
金の滴が、落ちてきた 
あの頃「敷かれたレール」から{ルビ逸=そ}れて
長らく僕は、台本のない道を歩いてきた
最近ふと立ち止まり
ふり返った背後の道に
無数の数字が記されていた

3.14159265359……… ....
僕は親指を立てて
あなたの顔に、見せる

しばらく忘れていた
Thumbs up の合図を
あなたに
僕に
この夜に

フェイスブックに
ツイッターから
インスタグラムまで
誰 ....
朝、起きる前の布団の足下に 
ダウン症児の息子が入ってきて
妻がぱちりと、写真をとる 

頭上の壁には
ミレーの「晩鐘」
(一日の労働を終えた夫婦の祈り)

窓から朝日をそそがれて
 ....
スマホの小さな画面を
指で開く 
今日もSNSの文字は、告げる
「〇〇さんの誕生日です」

まぶたを閉じる
――今・世界の何処かで
東京都内の病院からは、赤子の産声が聴こえ
カルカッタ ....
青みがかった思春期の
あの日の僕に
夢を届けてくれたのは
夭逝の歌手・Oだった

時は流れ
同じくOが好きな友達に
十数年ぶりで
遠い街まで会いにいった

連絡をくれた{ルビ理由= ....
みみずは、土と野菜をつくる
みみずがいなけりゃ、人類はいなかった
みみずはなんでも食べて
なんでも、楽しむ

夏になっても、僕は干からびないだろう
一輪の花がゆっくりと、蕾を開く、宵の夢 
創造のわざは、私のなかに働く

私を支える茎は背骨、密かな光合成をとめず
今日もわずかに、背丈を伸ばそうとしている

たとえまだ、日の目を ....
庭で夕空を仰いでいると
足下の、少し離れた場所が 
ふいに がさっ と鳴った

古い柿の木から
枯葉の吹き溜まりに
実がひとつ、落ちたのだ

よく熟れた柿は
ほんのりと夕陽に染まり
 ....
夕暮の秋風に吹かれ
すすき野原が{ルビ靡=なび}いている

僕は風に逆らう
なのに遠い夕空は優しい

道は何処までも下り
またどこまでも上り

やがて雲は
夕陽の顔を隠すだろう
 ....
送信の印を、押せば
一瞬で相手に届く 
メールの文面

手紙の文字なら 
その人らしさを表わす一字にも
一つの心臓が、宿るらしい 

令和3年にもなれば
ポケットから取り出した
長 ....
ぽたり、汗は落ち、土に浸みた
しゃがんで草をむしる
炎天下の庭で

ペットボトルの水は
すでに
ぬるま湯 

あとひと息
草の束を
根こそぎ、引き抜いた

土の中がピカッと光っ ....
もし、汝のこころが
本気なら
少々の障壁はもろともせずに

なんのこれしき

{ルビ空=くう}へ向かって、越えてゆく
夏の終わりの港で
堤防にひとり腰かけていた

(このまま海をずっとゆけば
 世界の何処へでも辿り着ける) と

ひとり言は港に置いて
堤防から下りた僕は
歩き始める

やがて秋めい ....
{ルビ古=いにしえ}の詩を{ルビ嗜=たしな}みつつ 
酒を呑み
体なきひと、我に語らん
寺の庭の隅にある
竹筒から……石の器へ
滴る水がしずかにあふれている

そよ風が、頬を撫でる
温かな抹茶を、啜る

僕は今 幸せなのかもしれない
この街に
人はたくさんいるのに
なぜ、ふいに
ぽつんと独りいるのだろう

読者よ 友よ
この紙の向こう側にいるきみよ
わたしの音の無い声は
その耳に届くだろうか?

願わくば
今 ....
すうっと細く、立っている
南天の赤い実たちの中に
一人 空のお日様を
小さく映すものがいた

かわいいね

っていうと、風にゆれ
緑の葉たちも、風にゆれ
ひそやかに舞う
互いのここ ....
     少年と少女
     青年と恋人
  おじちゃんとおばちゃん

       
       今

 
 世界のいたる場所から聴こえる
     くちづけの音に
     ....
久々にひとり旅で、箱根の宿の土産コーナーに
指でたたくとんとん相撲があった
――九才のダウン症児とやったら 
  お相撲さんをつまんで、ポイだなぁ…

翌日、小田原城の中には
玩具の刀がキ ....
トイレットペ-パーの残りを
使いきり、ちんと鼻をかむ 

残った芯に
印刷された ありがとうございます
の文字に
僕も呟く ありがとう

最近は鼻づまりがひどくて
なかなか寝つけずし ....
わなわなふるえる
ひびの、よろこびかなしみよ
それがこの世のさだめなら
汝のコインに息を吹きかけ 

明日の行方へ、投げてやれ!

くるくると…裏表見せる
放物線のその先は
道 ....
こしごえさんの服部 剛さんおすすめリスト(160)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- 服部 剛自由詩324-9-8
産声- 服部 剛俳句224-8-1
epiphany- 服部 剛自由詩223-11-19
風の吹く日々- 服部 剛自由詩1+23-11-19
……とある蛙さんへの手紙- 服部 剛自由詩1123-11-1
風の伝言- 服部 剛自由詩223-2-11
親心- 服部 剛自由詩222-12-24
- 服部 剛自由詩222-6-18
ばかもの- 服部 剛自由詩222-5-31
円周率の旅- 服部 剛自由詩322-5-23
Thumbs_up- 服部 剛自由詩422-3-16
冬の朝- 服部 剛自由詩822-2-22
祝辞- 服部 剛自由詩422-2-19
或る友情_―Oに捧ぐ―- 服部 剛自由詩222-2-8
みみず- 服部 剛自由詩321-12-30
- 服部 剛自由詩921-12-2
柿の知らせ- 服部 剛自由詩8*21-11-18
すすき野原- 服部 剛自由詩221-10-13
メール考- 服部 剛自由詩221-10-13
小さな太陽- 服部 剛自由詩321-10-13
- 服部 剛自由詩221-9-20
晩夏の夢- 服部 剛自由詩221-9-20
或る夜の対話- 服部 剛自由詩221-9-20
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- 服部 剛自由詩521-7-12
南天ノ声- 服部 剛自由詩321-7-11
石庭- 服部 剛自由詩421-7-7
日々の土産- 服部 剛自由詩421-7-4
ありがたや- 服部 剛自由詩521-6-7
道しるべ- 服部 剛自由詩421-5-28

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