今日も朝から
洗濯機が大声で歌っている
オペラのつもりのようだけど
音痴で
しかも、時々声が裏がえる
近所迷惑だからやめてくれと言っても
聞く耳をもたない

ありったけの洗濯物を押 ....
さえずるのか
さえぎるのか
逆らうのか
さかるのか

騒ぐのか
避けるのか
さげすむのか
叫ぶのか

探すのか
さすらうのか
さまようのか
指し示すのか


高くへ
 ....
片々雪花
春を目前に

街の喧騒を
吸い込み
静寂の


大きな雪片は
まるで天使の羽根だと
貴方は天を仰ぐ

天使なんかいないわ

私の胸に
貴方の名を刻み込んだのは ....
風が遊んでいた
波の音はかき消され
鉄塔にからみつくような電線は
歌を歌っていた

一条の光が闇を貫き
遠く海を照らしている
灯台のもと 風が遊んでいた

空が目を ....
 
並木道に
誰かの日傘が忘れられているのを見つけ
持ち主の名前がなかったので
失敬することにした
けれど自転車のかごに引っ掛けて
ペダルをこぎだしたそばから
日傘は陽を浴びて匂いたち
 ....
わたしは 此処に いるけれど
わたしは 此処に いる人か


本当は 此処に いるのだけれど
猫は 此処に いないのだ




雪で 
日のない夕景は
アルミ箔の
 ....
人がいないと
グラウンドは淋しそうだ
ただ広さを主張するばかりで
しかしその声は誰にも届かない


私が足を踏み入れると
グラウンドの広さが私を取り囲む
全てが遠ざかっていくので
私 ....
夜の海が私を欲しがっている
或いは一つになれるだろうかと
踏み出した足に私は困惑する
そのとき私は生きている


そしていつも自らの中に
私は小さな一つの海を持っている
寄せては返すこ ....
無数の雪の投身
その微かな高音
その消失跡には
無数の無音です


外套の毛羽に沿い 覆い
潅木の微妙に沿い 覆い
歩道の段差の詳細を隠しながら
歩道の段差の ....
初夏の日に映える
あの黒い羽根は
あなたにいつか送るつもりの
今はないしょの手紙

内容はまだ明かせませんが
なにしろ黒いのです
ところどころに紅さしてはいるけど
腹まで真っ黒けなので ....
私の前に渇いた冬が横たわり
私は枯れた花に叱られていた
道には鳥が落とした羽根があり
私はそれを拾って空へ投げる


冬空は何か物悲しいと言い
私は何が物悲しいかと訊く
ただ確信をもっ ....
2002年に詩人ギルドレビュウに発表した文章をもとに、雑談スレでの「詩の定義」議論に、私なりのレスポンスをしたい。下の文章は、あちこちの詩の掲示板で何かと問題にされることの多い「詩の定義」議論に私なり .... 暗がりのなか
細い光に照らされて
一匹の蛇が泣いていた
目を閉じたまま
わずかに汚れた白色に
かがやきながら泣いていた


蛇から少し離れた場所に
ひとりの少女 ....
正月からこっち、急性肝炎になるわ風邪をひくわでぐちゃめちゃな毎日を過ごしている。昨日ようやく雑炊が食べられ、今日ようやくベッドから這い出せたというくらいで、いつまた寝込むかわからない。そういう状況でネ .... それがほしいのだという
網の籠を背負って
捕まえて入れるのだという

静かな息に
舞い上がり漂ったのち
重さを感じて落ちてくる頃に
掴むのだという

小走りに途切れて
靴音の後ろか ....
竜道から少し外れた、石の多い場所で
あなたは待っていると言った
すうん。
空には旋回する群れ
あそこにも石が散らばっている、よう

十、は
たくさん。
九九もたくさん。
千、は
手 ....
蜜柑の里の海辺の丘で
まるで童謡の一節みたいに
蜜柑の里の海辺の丘で
太平洋に浮かぶ船をみている

船は遠くて
たぶん大きいのだろうけど
ちいさくみえる
たぶん動いているのだろうけど
 ....
雨上がりが
夕暮れに間に合ってしまい
その為に見てしまうもの、を
見ていました


結局は
全て冷えゆくというのに
明るみに出てしまったショベルカー、の関節
轟き続ける工場からた ....
まばゆさの
明かり障子 前にして
あらゆる形状の輪郭は 
努めて 溶け
まばゆさの内にあり 薄く 美しい水墨のようで
それでいて 
あらゆる形状は 悲しかった


思わせ振り ....
青くにじむ蛇と
赤くつややかな蛇が
雪の下の暗いところで
からみ もつれ合い
    溶けていった

残されたぬくもりは
ゆっくりのぼり
顔をだしたとき
花びらをまとった

森の ....
人間がいつか骨になって消えてなくなることを初めて知ったとき
小さな私は庭に飛び出して
道路でバトミントンをしていた母に向って
「人間はいつか死ぬと?死ぬと? 私も死ぬと?」
と、何度もた ....
根っこ の傘
に ツカマリ

しゃぼん
いえロー

ちゅ
トレイン

はかねずみ とり
かかってる 奴に
驚くもんか

とどめ のさし方
にやり ちゅ


 ....
大きい声で叫ぼうとしても ベランダの外に聞こえないか気にするし

歌うとしてもこたつのなかで 誰か帰ってきたらどうしよう、とひっそり歌う

高いパンプスをはいても 歩く音が響かないよう そっと ....
温い溜まりへ ひとつ
温い溜まりから ひとつ
蛇口の縁から
温い空ろ の余滴
そこから始まった
輪 は
瞬時に
洗面器の縁で 
終わる

ほら
蛇口の 縁で
ふたつ目が諦める頃 ....
ぬれた銀杏から
ぬれた銀杏の においがする

眼をとじても とじなくても

晴れた日の銀杏から
晴れた 葉のにおいがするように


紙の 傷のある指と
かさの柄をにぎる指

と ....
  感じない掌の上に
  鳴かない鳥が
  人のように瞼を閉じる

  冷たい雨の降る
  コンクリートの上で
  静かに眠りにつく
  戯れるように
  温度を残して  ....
秋の{ルビ陽=ひ}を そっくりそのまま はね返す オレンジ色の 宝石ひとつ 秋深く 山を染めにし {ルビ紅葉=もみじば}に 涙も忘れ 想ひくれなゐ

今日限り 失うものと 思ほえば 愛しくもある もみじの散るも
夕焼けに 流れた涙 過去に落ち 微笑みながら 消えてゆく

空寒く 想いをのせた 流れ星 君の心へ 落ちてはくれない?

交差点 すれちがうのは 甘い風 恋の迷い路 どこまで続く

淋しさ ....
おれは見たい、
赤錆びた鉄塔の頂きに
鳥のように爪先立って
人影のなくなった都市を見たい
きみとだ


おれは見たい、
太陽のとなりに炸裂するもうひとつの太陽の誕生を
塵からつくられ ....
こしごえさんのおすすめリスト(4192)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夏の風- たもつ自由詩1704-2-27
ラウンド・ロビン- 大村 浩 ...自由詩1204-2-17
牡丹雪- RT自由詩304-2-7
犬吠埼- 遊羽自由詩3*04-2-4
緑の日々- 石畑由紀 ...自由詩2404-2-3
此処にいない猫- A道化自由詩704-2-2
グラウンド- 和泉 輪自由詩1204-1-30
遺灰- 和泉 輪自由詩1304-1-25
無音域- A道化自由詩404-1-22
クロアゲハ(百蟲譜17)- 佐々宝砂自由詩4*04-1-21
冬空と羽根- 和泉 輪自由詩804-1-20
詩の境界線(最終更新9/16.2008)- 佐々宝砂散文(批評 ...1004-1-18
ノート(夏の蛇)- 木立 悟自由詩804-1-15
私の詩にポイントを入れてはいけない- 佐々宝砂散文(批評 ...4*04-1-13
蛍追い- 藤丘 香 ...自由詩40+*04-1-10
あかつき、それから- キキ自由詩804-1-10
まだ生きてるひとへの恋文- 佐々宝砂自由詩404-1-6
時刻通り- A道化自由詩304-1-5
水墨姿- A道化自由詩604-1-5
人の知らないところで- りょう自由詩304-1-3
ケンジヨ- つきのい ...散文(批評 ...703-12-26
- 砂木自由詩5*03-12-20
ロックンローラー- あいこ自由詩403-12-20
温い空ろ- A道化自由詩503-12-20
おもいで- キキ自由詩803-12-12
優しい鳥- つきのい ...自由詩2903-12-7
- 春日野佐 ...短歌5*03-12-6
もみじ- 春日野佐 ...短歌303-12-4
夕暮れ夜空- 春日野佐 ...短歌303-12-2
Love_Song- 安部行人自由詩2903-11-29

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