*翔る*

頭上の
ヘリコプターに向けて
大きく両腕を振る
「おーい」って叫んだ
何度も叫んだ
声だけが
翔けていく



*風*

自転車の
ペダルを漕ぐのも
間に合 ....
遠ざかる青いカンパスの咆哮が、
夜の鋭い視線に切り裂かれて、
街は、暗闇の静脈を流れるひかりのなかで、
厳かに再生されてゆく。
落下し続ける星座の森が、映し出されている、
高層ビルの滑らかな ....
花ならば君を待つのも安きこと
    ラベンダー蒼きこのうすにおい


この想い忘れてしまえマーガレット
    花びら散らし涙にくれる


ローズマリーやさしい罪は思わせぶり
   ....
お前にそっくりな
ひよこ豆をゆでる

おまえにそっくりな
ちいちゃな鉤鼻と
これまたおまえにそっくりな
ちいちゃなおしりがついている

圧力釜なら早いが
ああ、
それはぜんぶお ....
右足の甲に落ちた水滴が
全身のわずかな震えを止めて
律儀な夜は昼となり
見知らぬ今日が明るみにでる

私の琥珀色の影は
夢遊病のような顔つきで
あなたの記憶のどこかに
住 ....
ふうふうと
息をのぼらせ
この坂道をのぼってゆく
季節は溶解し
逆転し
暗転し
眠るものの肌を焦がした
ふうふうと
息をのぼらせれば
ふうふうと
あえぐ空 または地

(私はあ ....
空気は夏色に染まり
空の青さにも透明が混じると

今年も
『カミナリ玉』
がハシリの時期になった


深緑に走る
黒い稲妻が

球体になって
八百屋に並ぶ

値段は詐欺 ....
手をつないで歩けば
その瞳にも
この瞳にも
きらきらひかる
ちいさなちいさな
野の花でさえ



注:庭石菖(ニワセキショウ)という1センチくらいの小さな花です
いきものが また 死ぬ音が している
いきものが また 生きる音が している

ずしりずしりと 
はじまりが
おわりへと 沈む

ああ 鉛のようだ

ぽとりぽとりと 
おわりから  ....
小雨の降る夜道を歩いていた。
ガラス張りの美容院の中で
シートに座る客の髪を切る女の 
背中の肌が見える短いTシャツには

「 LOVE 」 

という文字が書かれていた。 
 ....
ぼくは詩人

星の数ほど夢があり
そしてそれは煌めき輝く

今日もまた

夜の散歩をしていると
星空に出会いました

星を隠す雲もなく
見渡せば満天の星が銀色に広がる

その ....
絹のような 抗いがたい量感に
涙さえも濡れてゆく


霧とよぶには 重たく
雨とよぶには 軽く
そこはかとなく
命名を拒むような
その 結界に包まれて
記憶の軸も同様に
遠退い ....
数千粒の眼球が弾け
灼熱前の
朝、の
宙を浮上し
愛おしい、を探り始める、
夏の
何処かの


数千粒の
愛おしい、を探ることの
パチパチする明るいソーダ水のような痛み
 ....
「えくぼ」


六月の風にゆれる
さくらの葉っぱ。
よく見たら
ぽつぽつ 穴があいている。
虫に食べられてしまったのだろうか?

穴は どこかの虫の命を みたして
穴は みずみずし ....
0:00を見てしまった私の
明日は重たいだろう
お疲れさま
滋養強壮ドリンクは用意してある
あとは
ブドウ糖
3000円の当たりくじ
これが現状の評価

浮き輪ひとつの遠泳は
これ ....
いつも眠ることばかりを考えていました
枕の硬さが場所についてを語っているので
少しばかり、指先を開くようにして
眠る場所のことばかりを想っていました

安息は帰りましたか
こちらでは同じこ ....
ぼくは詩人

無は存在し
それは有の存在と
連続している

今日もまた

夜の散歩をしていると
闇に出会いました

何も見えず
つかもうとするものもなく
どこまでも深い闇が続 ....
犬の耳がわたしを駄目にする
駄目になったわたしは
大きな桃になって歩く
途中遠回りして
家族に小さな菓子を買った
今日はかけっこで一等になった
娘は得意げに話してくれたが
何メートル走か ....
空は虹色に溶け
得体の知れない甘さが
いちめんに薫り立つ夏のゆうぐれだ
長い夏のゆうぐれだ
君の記憶が
水のように透明に
けれど水よりも濃い密度で滴ってきて
それは容易く
私の現在を侵 ....
湿った闇に蛍ちかり
潤んだ夜に星ひかり

小指から糸を辿れば
丁度きみの背のあたり
絡んだ赤が花になる

   夏は夜

浴衣を着れば良かったと
木綿のシャツを少し恨んでみる
盆 ....
かたく閉じた両耳が震えた
ぐらつくほど景色は紅く燃え
わたし舟、かすかに揺れた気がして
しばらくこのままでありたいと
きえゆく視界に願った

なまえには最初から意味なんてないんだろう
つ ....
燃え上がる巨大な寝台列車から逃げ出すひとのいないやすらぎ


草上にレモンはひとつ落ちていてあなたのいない夜のはじまり


街中にひらく紫陽花5Fから観ている雨の降りしきる朝


 ....
思い出だけで終わらないために
日々は刻まれて
小さく、はらりと落ちていきそうなものが
私の中で対流している

一番最後の麦藁帽子が
夏の見える丘の、少し西の辺りを
沈んでいった日のことを ....
紫陽花と雨の溶け合う{ルビ夜=よ}の薫り狂気の足取り海に沈まれ 激しい雨の音のなか
あなたとわたしが
ふたりきりでいるのですから


あやとりもするでしょう
すごろくもするでしょう
しりとりもするでしょう


じゃんけんもするで ....
道にカラスの羽が落ちていた
とても丈夫な羽で
とても美しい黒だった
懐かしい匂いがしたので
部屋に飾ろうと思い
拾ってかえることにした

なあカラスよ
イソップ物語の『おしゃれなカラス ....
テレビをつけると
いつの間にかスポーツニュースが始まっていて
きっといつか見ただろう中年の男が
神の立場で
野球をカミカミ語っていた
もうすっかり名前も
投手だったか野手だったかもわからな ....
私とあなたの間には 
いつも一枚の窓があり 
互いは違う顔でありながら 
窓には不思議と似た人の顔が映る 

私とあなたの間には 
いつも一輪の花の幻があり  * 
互いの間にみつめると ....
1
光の棲む場所に立てた、
煉瓦の墓標は
あの子の水晶体の
最期の反射によく似ている

2
朝日がなぞった煉瓦の質感は
どこか罪悪にも似た
紫陽花の萼の如き裏切りの反芻で ....
紙の上
の白

の下の


ね重なる
行為ゆえにさらに
かさねては文字盤の上の
ほこりのよにかさかさと動いて
何度目かの憑依、幾度目の翻意よ、とろりくずれて
紙の上とどまり ....
こしごえさんのおすすめリスト(3706)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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地霊- 岡部淳太 ...自由詩8*06-6-15
カミナリ玉- 蒸発王自由詩9*06-6-15
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曳航- 霜天自由詩1306-6-11
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ノート(43Y.6・10)- 木立 悟未詩・独白406-6-10
カラス- 壺内モモ ...自由詩11*06-6-10
兎女- 黒田康之自由詩506-6-9
傘を差す人_- 服部 剛自由詩21*06-6-9
煉瓦を積んだのは朝日に知らせるためではなく- 士狼(銀)自由詩8*06-6-9
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