茫妄と
夜世界は影を映し出し
          街には至るところ霊の溜まり場所がある

                      ....
なつのよる、満月の路や
夕暮れてゆく公園、回旋塔の下や
線香花火が咲いた、一瞬の光の下で
見つけた
かげぼうろたち
かじってみたら
やさしくほどける
ほおってみたら
ふうわり浮かぶ
 ....
悲しみより澄んだ夜明けの
集配室から発出した文書が
まだ届かない、と
先方から連絡があった

わたしはベンチで
草のための列車を待ちながら
遅れがちの頁をめくり
しおり紐の形を ....
数日前に茹でてタッパーに詰め込んだ、冷たいそうめんをとりだして食す。もうだいぶ硬くなっているほそい面、たいぶ新鮮味のなくなっている細かく刻んだネギ、ふにやふにゃの刻み海苔、氷を入れてかなり味のうすくな .... わたしのさみしい骨のゆくえは
乾いた風吹く荒涼とした地
どの生き物にすら踏みつけられることもなく
ただひたすらに転がってるだけ
あしたなら抱えきれないほどあって
きのうのひとっつも無い寂寞
 ....
遺言状 その文言も添削す 恋を、喪い
寂しさを得た

何も知らなかった
孤独を感じたことなどなかった
ただの動物だったのだろう
やっと
ひととして生まれつつある、私
誰もが
こんなにもひとりなのだろうか

 ....
きっと もう来てるけれど

秋の気配を 

まだ感じさせないで

職場へ向かう道すがら

広い空地は雑草の森

鈴虫合唱が右側から覆ってくる

自転車のスピードを上げてすり抜け ....
鏡像だと、
この私は飽くまでも
私そのものの
この肉身鏡に映る
像なのだと
そうしてけれども、
その鏡像を
未来の新たな私そのものに
育て上げ自立させるのが
この私と云う意志意識なの ....
ちょっと前にテレビで
「今年の今のサンマは脂が乗っててとても良い」
と聞いたので、
なんとなくその情報を頭に入れていた

1時過ぎに買い物に行き
いつものように何となく買い物しながら
魚 ....
角砂糖をひとつ
半ズボンのポケットにしのばせて
もし敵がきたらこれを投げつけてやる
ときみは言った
角砂糖が飛び交う戦場では
だれも死なない
蟻が大発生し
甘いみずたまりを泳ぐことだろう ....
毎年職場で書かされる
自分の強み
取り柄のない僕には
苦痛の制度だ
働いていてもなお
自分を売り込んでいかなくちゃならない

強みのある人は
どんどん昇進するのだろう

自分の強み ....
銀座に触れる、と
わたしの戸締りは終わった
暮れていく週刊誌を
めくり続ける侍の姿が
何よりも美しかった
誰かにそのことを
伝えたかったのに
みんなサーカス小屋に
入ってしまっ ....
思考活動の絶えることなく
たてまわりよこまわり
鈴の音鳴らし続けて
脳髄に絶えず足音残し
次第に頭の周りを廻りいき
浜辺に打ち寄せる波の周期か
私の覚醒意識に感じ取れるもの

くるくる ....
両手を背中で結んで
夜風を独り占めする様に
一歩先を進む君

結んだ指は祈りにも似て
君は無邪気に何かを願っているようで

君は気付いているかい
「これって運命かな」って真顔になったり ....
ぎっくり腰は正式には

急性腰痛症という

背中に杭を打ち込まれたか

どうやって立つのか分からなくなった

東司へ行く恐怖

行かねばならぬのに 

近くて果てしなく遠い ....
人が住めないほど熱くなる
あり得る

50℃を基調とした気温
あり得る

地球にやさしくとか
人間は驕ったが

人間がいなくても
地球は全然かまわない

なぜこんなに暑い?
 ....
 心の跳ねとぶような白に
 目を見張る
 おおよそ神秘な所で
 香り咲いた月下美人
 
 一夜、月の輝きのなかへ
 身をなげだし
 実もつけない花の
 湧きあがる純白は何故
 そんな ....
新横浜駅を降りてから

どうやって そこに辿り着いたやら

彼が教えてくれた家の間取りは

手紙に描かれた図の通り

他愛も無い話は ビールを飲みながら

お互い 何を考えているか ....
やたら
「愛、愛、愛」
と、布教活動しているが、
そもそも、それは「恋」だし。

あなたが欲しい
これは恋だし。

私が幸せにする
これはエゴだし。

愛は求めない
愛はただ、 ....
今宵の月は、
とてもうつくしい、
まるで君の繊細な顎のように、
ぼくにはとても愛おしい、
まるで小鳥を捉えるように、
ついつい捕まえてしまいたいんだ、
私の脳髄に
鈴の音鳴らし
響き続けるもの
今に私の意志に従い
思考の言葉を形づくり

改めて私なるもの
この肉体に
担われ保っていること
蚊帳へ入るが如きすれば、

にほふ蚊取り ....
ポチがどこの犬かは分からない

ポチは大型犬だ
シェパードとシベリアンハスキーと
あ、ゴールデンレトリバーも入っているかな
とにかく立派な大型犬だ

ポチは人懐っこい犬で
私を見ると
 ....
七億をすぎる人の 
文字への想い

親の願いを込めた
自分の名前すら書けずに
字を読むことすらできない、少女は
母からの手紙を読んでもらいました


詩はいつも文字や言葉を媒介す ....
シャッター商店街
賑わっていたのはいつの頃だろう
よくかまってくれたおばさんは
今何をしているだろう

丘の上から見る街は
まるでジオラマみたいだな
廃れた景色はなんだかつまらないな
 ....
昨日産まれたばかりの吾子は
わたしの横で寝ている
なんてかわいいのだろう
産毛のような髪の毛
耳も口も鼻も小さいけれど
とても精巧に作られていて魅入ってしまう
閉じられたまぶたの中でどんな ....
 築年数四十年を過ぎた中古マンションで
 今夏暫くの間、我が家でも玄関ドアの脇に
 宅配弁当業社の貸出しボックスが
 配置されるようになった

 すると挨拶を交わすご近所さんから
 「 ....
月がゆれる
     星がゆれる

短夜の
   せつなくゆれる
          まにまに

あらゆる意味を
       ほどいてゆく
             溶かしてゆく
 ....
 自分自身はどんな人なの

 ホモサピエンスのはしくれ

 それにしては歴史が浅い

 人見知りであり

 優柔不断と認識している

 肝心なところで

 ものごとを決する ....
夏、街は
もぬけの殻になった
開け放たれた窓
ラジオから流れる雑音
駅前からも公園からも坂道からも
人はいなくなった

がらんどうの街路を歩く
私もまた空っぽになっていく
視 ....
こしごえさんのおすすめリスト(4696)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
霧子の朝に、の覚え書き- 洗貝新自由詩15*25-8-29
かげぼうろ- そらの珊 ...自由詩16*25-8-29
プラスチック- たもつ自由詩6*25-8-28
夏の鮮度- 本田憲嵩自由詩1525-8-27
骨のゆくえ__蒼薫薫_______(叙情文芸151号入選作) ...- 梅昆布茶 ...自由詩1325-8-27
物書きの“さが”- りつ川柳5*25-8-27
ひとつの詩- りつ自由詩6*25-8-27
まだ、夏の中で- 花野誉自由詩13*25-8-26
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初サンマ- りつ自由詩6*25-8-25
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フルーツサンド- たもつ自由詩16*25-8-23
詩想、私なるもの- ひだかた ...自由詩10*25-8-22
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This_Night_- リリー自由詩22*25-8-20
横浜へ- 花野誉自由詩13+*25-8-19
愛と恋の履き違え- りつ自由詩4*25-8-18
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詩想、思ふ- ひだかた ...自由詩725-8-18
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_詩論_- 月乃 猫自由詩15*25-8-17
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ト或ル朝- そらの珊 ...自由詩12*25-8-17
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己はどんな人- 佐白光自由詩5*25-8-16
一瞬- たもつ自由詩10*25-8-16

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