午後ずっと涙色した曇り空無くしたものを探すの中断
飛行機の音は嫌いと君は言う耳を塞いで飛行機を見る
晴れマーク見て安心と晴れやかさ今日は遠足息子ワクワク
電車去り次の電車がまた去って ....
もう二度と会えない
さよならも言えなかった
願いは夢で会うこと
思い出を繰り返し語り
笑ったり泣いたり
居場所を灯す
好物だったそうめん茹でる
そうめんの川にオクラの星
麺 ....
青銅の天空に
白雲の流れ 、
刻まれゆく時に
はしゃぐ子供、
夏の庭先に成人し
昂揚する自尊、
萎縮する帰依、
銀輪の放つ光彩眩しく
罅割れゆく青銅の天空
裏 ....
夜をすぎて混ざりあった
イエローとピンク、
パステルカラーの朝が
たなびく空に滲む
満ちた潮の香りと
膨らんだワンピース
裸足になったキミは、ひとり
貝殻の残骸を数える
砂浜 ....
青いそらに
一本の縄バシゴをかけて
一人で昇って行くのだ
小さくなってゆく姿を
地上の人々は
誰も気付かないままに
陽に憧れてのぼって行くのではない
高い塔か ....
なみだ、
ぽろぽろと剥がれ落ちてゆく、
頑ななウロコの溶解、
あつい塩水が、
頬をつたうたび、
こころは、
飾らない、
まっさらな素裸になる、
なみだ、
かけがえのない、
....
近所の子らの手をひいて
人いきれのする方へ お提灯かき分け
夏の夜がひろがる空で
花を散らせる 長い指さき 見ていた
二十七歳の私
ルリカケスの羽根 織り敷いた
天の川から眺めるこの町 ....
渓に静と動あり
静は岩
動は水
森はそよぎ
小鳥がさえずる
未知なるヒビキの
内中から受け取るもの
確かなものと鳴り為ると
たとえ堤防が決壊してもね 、
真白き街並みずんずんと
ずっとずっと広がり在って
打ち上げ花火散々見尽くしたら
もう ....
愛より青い
ものを知らない
誰かを想うとき
まっ青になってしまうのは
ほろびることと
うらおもてゆえ
それくらいあやしく
それくらいまぶしく
愛より青い
ものを知らな ....
自転車で病院に向かう
夏の晴れた日
線路沿いの道を走り
陽射しはたおやか
いや、体力を温存したい
ここはバスと電車を乗り継いで行こう
暑いんですよ?
母に留守を任せるが
任せれ ....
これほど繊細で美しい釣り竿は無い
先端径は1mmを切っている
細くて見えない糸で
これで30cm以上の渓魚を釣るのだ
30本に上る竿たちは
袋に納めるとどれがどれだか解らなくなっている
仕 ....
文字通り{ルビ酒盗=しゅとう}というものは酒を盗む
土佐の山之内容堂公が名付けたといわれる
カツオのハラワタを塩辛にしたものだ
ちっとも生臭くなくて香ばしい
メーカーによってはとても塩辛くて食 ....
広やかに奥ゆき在る
聖堂に雨降り注ぎ
無数の漆黒の虫たち
動き廻りやがる
疑惑は未だ晴れてない、
俺は我欲捨て切れない、
深い森陰の下草の
緑の間借り人として
深淵を臨む
絶 ....
サボテンとの別れ
きみとは何万語のことばを交わし
無言で見つめあったろう
きみはわたしの髭を
わたしはきみの棘を
お互い数え飽きなかった日々が
あえなく終わろうとしている
サボテ ....
雨があがり 黒い蝉が騒いで
真昼の月と目が合った
月にあなたは穴なのかと問われ
自分がいつの間にか大穴だったのことを知った
細くて 丸くて 白い月は
とてもゆっくり喋る
そして地球の周りを ....
夜を待ちひんやりとした部屋にいて昔読んでた本を眺める
薔薇の葉を揺らす風には少しだけ時間が戻る魔法の鱗粉
夜気だけがゆっくり揺蕩うこの街の波の底にも流れる月光
まっすぐに吹く ....
明日は梅雨の中休み
曇りのち晴れだという
渓谷の奥深く入り
源流の王イワナを狙う
バッハの無伴奏チェロを聴きながら
寄せては返し合う
はてがないことのふしぎ
ここから命がうまれたというふしぎ
だとしたら
この水はなにからうまれてきたのだろう
半島の先でぼんやり待っている三ッ石
今はまだ歩いてはいけないけ ....
未だ幼木の胡桃の木の後ろには籾乾燥施設があって
霧はそれらを囲むように包んでいる
疲労という疲労は
体のあちこちに固形物のようにしこりとなってとどまり続け
筋肉や腱を蝕んでいるような気がす ....
夜を歩く
雨の匂いを嗅ぎながら
時々苦しくなるこの胸の
内側と闇を重ねて
街灯や家の灯に助けられ
地に着く足が見える
暗がりのロードムービー
果てはある
明日が来るのが ....
想い出と予感、
熱く沸き立ち
郷愁と憧憬、
いつしか合一し
一つの宮居を為すと
オリーブの王冠被りて
物質と非物質の狭間に輝き 、
水に浸かり今に立ち上がる子 迎え入れる。
竹藪はひんやりとした風が吹く見た目からも涼しさを得る
細い木も太い木もあり山となり動物たちの好む環境
朝早く外の空気は新鮮で夏場の朝は自由が見える
良い風が吹く昼下がり上手くいく良い ....
その星では、四季それぞれが地球暦二十年の長さを持つ。
1.祖母(夏のはじめの生まれ)
もう夏が終わるのだと父が言う。父は冬生まれでこれまで二季を過ごしている。祖父はといえば地球生まれなので ....
ゆっくり上がって
ゆっくり下りる
破綻のない円を
描き続ける密室の中
あなたと向かい合った
あなたが指差す方向に
ひきつった笑顔を向けながら
まだ信じることが下手だったわ ....
陽のかげる時
美しくなる人だった
陽の輝く時は
自分から遠くなった心を
捜しかねているのだ
まして雨の時など
濡れた頬に
昨夜のベーゼが生き生きと甦っている
....
朝から雨
雨はすき間だらけ
貴女へと降りそそぐ雨
雨傘の下の
雨漏り
或る足音を乱す雨
アルコールを和らげ
甘く染まり
悪童に遊ばれる雨
雨に出会うと ....
good day
明るい雨がさらってゆく
うしろむきの心
光をこぼしあう緑の葉はさざめき
笑う
傘なんかいらないじゃん、と
梅雨明けはまだ先
飛行機がゆく音は
雷鳴 ....
ぶきは果実
まずは本質を理解する
その色
その匂い
その振動
おだやかなひかりに同化する
この肌
この血液
このたましい
もとめあうことを赦され
あたえあうことで
結 ....
はじめての晩餐は
邑に訪れたちいさな食堂で
私たちのざる蕎麦をお月夜に見立てる
ふるぼけた小卓でやおら啜れば
コップには光る泉も噴水もあって
おばちゃんのコロッケ
箸おきに触 ....
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