兎の心臓の動きをする
くびすじの隣で
粥が水を含みすぎることを
心配している
おんなは
せわしい寝息に
少し欲情して
見慣れた顔の
見慣れない瞼に
舌を滑らせてみる

欲するのは ....
墓の裏に回る
墓碑銘
一文字ずつ読み取る
故人も知らぬ名前の羅列に
隔たりの強き世界の境
墓の裏に回る
 ....
雨の来ない図書室では
忘れるように眠ることが出来た
背の高い書架の影で彼らは
姿を確認するために囁き合う
私の載っている本がない
私たちの乗っている街は
地球儀の上に針で止められている
 ....
バラ色の土を 見たことないあたしは
その匂いを 想像してみることがある

アフリカ アフリカ

女たちよ

あなたたちの
悲しみは
あたしのと同じ?

寂しい月が光る夜

開 ....
「タンバリンをね
買おうと思っているのよ

できれば
きれいな色がいいわ
菜の花色の黄色とか
桃の花のようなピンクとか

ターンターンって
飛び跳ねるような音が鳴ってね
パリョーン ....
白い息
飛んでいってよ 彼の元
{引用=『愛してる』}って
言葉を連れて
なくしたものと
もういない人とが
ありえないシーソーで
つりあってる
そんな救いのない話しか
思い出せない
と証言台で男は述べたが
語尾はすでに
空気と区別がつかなかった
街のい ....
みすぼらしい着物を着た子が
{ルビ弦=つる}のない弓を持ち
灰と緑の風を見ている
夜の池に浮かんでは消える
銀と金のかたちを見ている


かがやく葉を持ち
誰かが森を歩いて ....
刻んだてのひら
じわりと汗ばんだら
ああ、私は生きていた
そういえば、私は生きていた

寒空の下
はあと白い溜息がでれば
ああ、私は生きていた
そういえば、私は生きていた

死に損 ....
よろよろと海岸線を歩いていると
月が見えた
タバコの煙が風に乗って流れた
ああ俺は
照らす光におびえながら立っている

それから海に向かって眼をやった
錆びた商店街が背中にあった
波は ....
短い冬が終わりを告げる頃
街並みの全てが水平となり
凍り損ねた思い出たちが
空気の底に溜まります
両手を器としてそれらをすくい
私の体温を少々与えてから飲み干すと
薄氷色の街並みが
私の ....
やまねの親子は毬が好き
雪の山道人気が途絶え
歩く人影消えたので
やまねの親子が顔を出す
寒い朝だとおとうさん
冷たい朝だとおかあさん
明るい朝だと子供たち
冬眠醒めたら遊ぼうね
 ....
水面に映る美しさに
手を差し伸べては揺れ壊す

水面に映える輝きに
小石を投げ入れては揺れ壊す

触れてみたいと
つく溜息に
水面はさざめき
揺れ乱れる

感じてみたいと
流す ....
冬の赤い実
ひとつのざわめき
低い煙が
一瞬だけ
白く白くひらめくとき


銀の雪道
すべるように過ぎてゆく人
まるく 遠く
鏡の奥へと去ってゆく景


見つ ....
朝、その一方で
コンクリートの階段を
冷たくなって滑り落ちる風
一段ずつ、無抵抗に落ちてゆく影


正しく、針が切る時を
間に合い続ける列車が貫通してゆく
プラットホー ....
それは主張する誰かのための
すでに去り際の匂いと聞いて
そこで僕らは降り止まない話を
目的も置き忘れた夢の覚める際を
緩み始めた自信とともに消費して
今日もまた柔らかい部屋に
柔らかい床に ....
林檎を見ています。

一つの瑞々しさをはらんだ林檎、それは歌います。
その歌は軽快なリズムでもって林檎の命、林檎がかつて実っていた木、沢山の仲間たち、
花であった時代、訪れた虫たち、そのきらめ ....
凍えの夜に
面相筆で刷いた薄雲が
星座に風を満たし

十字に居並ぶ太古の紋様は
くっきりと現在を刻印し
ありふれた永遠を
わたしに見せつける


生は
背中の痛みで
諦めは
 ....
あらゆる景色が海へと落ちてゆく
夜の震えがいつまでも消えず
線路を青くかがやかせている
ひとつの雲が原を過ぎ
光は濡れたくぼみに落ちて
飛び交うように激しく速く
滴の空 ....
氷の轍を駆ける鳥
ふいに枯葉のなかから飛び立つもの
朝の終わりを告げてゆく


遠く幻のように
冬の林がつづいている
常に空の色より暗く
風のなかに立っている
 ....
{引用=赤い木の実の瞳から
流れる涙は止まりませんでした}


身体の悪い妹に
この冬はどうにも寒すぎて
コンコン、コンコンと
咳を繰り返すたびに
雪が降り積もります

それでも妹 ....
つめたいタイルが寂しさを増すのね、きっと。
金魚のように泳げたらどうだろう。
伸びている爪は噛めば解決、見たくない正解。

地団駄を踏んで、ドンドン沈没。
流れるBGMに乗って踊っていたのに ....
膝を折り、抱えた腕で
目を隠し
一度目の冬の質感を
花、枯れたままの鉢植に
黒い髪の揺れたあなたの日を

思い出して


ここで乗り換える
僕の靴は


 自由なさよなら
 ....
何者でもない者に憧れたるわたくしが
悲しいことにいつも何者かであるので
海峡を吹き渡る風さえ
くくっ
と笑って過ぎてゆくのだ

何者かであるしかないそのことが
この世の習いというのならば ....
限界を越えてもしくは臨界を越えてあなたに会いにゆくゆめ


水槽に金魚は泳ぐぼくたちの裏切りさえも刻めよ螺旋


ファルセットヴォイスできみが歌うから胸が鼓動ではじけてしまふ


 ....
こぼれずに
あふれずに

ひらいたならば

うみをそこにみて
そらがといになり

ぬぐえずに
すくえずに

つむったならば

ほしをそこにみて
そらがついになる

つい ....
月の滴り糧にして、
傾くが儘に流れ征く。

果ての浄夜は音も亡く、
地を這う我影、
唯ひとつ。
チェジはかわいい
あたしたちの街の中では世界一の女ということになっている
かわいいの次元を越えた、とマイカは言い
スヌーピーの鼻をへし折るかわいさ、とハイリは言った


チェジの腕はいつも ....
ハル
そう呼べば君は心から紛れていく
ありがとうという意味で
口のかたちを残して
狭い空に雨が降っていた
振り切れない景色を順番に巡れば
何度でも逢える気がしていた


ハル
繰り ....
たとえば
カーテン越しの陽だまりに
できるだけぽつんと
たよりなく座ってみる

時計の針の
こちこちという音だけが
胸にひびくように
明るみの中で目をとじる

いつの日かお ....
こしごえさんのおすすめリスト(4195)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
風邪と日常- かや自由詩3+*06-1-20
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かえりみち- 木立 悟自由詩306-1-18
レントゲンの粉飾- A道化自由詩606-1-18
手に、手に- 霜天自由詩306-1-18
林檎を見ています- ふるる散文(批評 ...6*06-1-17
球根- 銀猫自由詩10+*06-1-17
照夜__終夜- 木立 悟自由詩3*06-1-17
照夜_Ⅳ- 木立 悟自由詩4*06-1-17
雪うさぎ- ベンジャ ...自由詩6*06-1-17
little_lolita_girls_and_boys- 無知アコ自由詩2*06-1-17
地下鉄の雨- 霜天自由詩406-1-17
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「_夜旅。_」- PULL.自由詩12*06-1-16
チェジ- ピッピ未詩・独白1006-1-16
ハル- 霜天自由詩506-1-16
Lesson- 落合朱美自由詩40*06-1-15

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