筆先で湛えきれず
液体が
ぽたり、ぽたり、と
滴るので
両の掌をくぼませて、ふくらみをつくり
上向きに 
すこしかさねて
それをすくおうとしてみるけれど
わずかな隙間を
液体はすりぬ ....
色彩々の
螺旋を描いて
くちびるを震わす風に
ほころぶ花びら
さえずる鳥は枝高く

春のうららに
「なべて世は事もなし」


※「なべて世は事もなし」の部分
上田敏の訳詩を引用し ....
眩む手にあふるる翳り冬と春



けだものよ応えぬ瞳応える背



降り止まぬ目に見えぬ雨降りやまぬ



花と骨つながるいのち星ひとつ



 ....
「お土産は、何がいい?」と
聞かれたものですから
私、何とはなしに
「らっきょう」と答えたの


お父様とお母様が夕食後に奏でる
小気味良い音が好きなのです
ぽり ぽり ぽりり
 ....
花曇りの空に舞う胡蝶の
その透きとおった翅を 
欲しいと思う 

やわらかく笑う 
ということを覚えたのは 
いつの頃だったろう 

新しいピンヒールが
足に馴染まなくて 
ア ....
見送るものは、誰もいない。
錆びれゆく確かな場所を示す
冬景色の世界地図を
燃やしている過去たちが、東の彼方から孤独に手を振る。
知らぬ振りをする眼は、遥か反対を伺って、
不毛な距離をあらわ ....
一度だけ夜を飛べない夜がある冷えた灯りのはばたきの道



降り来る火誰がおまえを責めようか燃えくずれつつ書きとめる日々



しあわせを感じたとたんしあわせは遠く ....
飛び上がった身体は
地面から順に世界を捨てていったのだ
アキレス腱からハムストロングにかけては
やはり加速が強いが尻では一端躊躇する
背中はすべてを覚悟していただろう
椎間板の辺りか胎盤のま ....
舗装された道の
ペイントされた、とまれ

踏みつけられた骨の色の
見上げる季節の樹香
舞い散ってへばりつく
美しいという名の死骸
立ち上がれない
ペイントされた、とまれ

月が ....
今年もまた、

桜が咲く。

「誰が為に」などと

言うつもりはないが。

去年までがそうだったように、

来年もまた、咲くのだろう。

二度と見ることはかなわない

あの桜も咲いているのか。

こ ....
春の日をおもいだした
時間の流れをしらない午後
黄色っぽい、浴室のライトが
人肌の温度をもった水を
きらきらと透き通ってみせた
やさしさに満ちた浴槽で
ベビーパウダーが舞いあがった

 ....
女房と二人で梅干づくりをする。
台風が近づいている。
空は青く晴れているが、蒸し暑く
窓から入ってくる風は生暖かい。
梅の実のいい匂いがする。
昨日、兄嫁の実家からいただいてきたもの ....
雨を避けながら私は歩いている
傘に守られて私は歩いている
円形の
ぽっかり浮かぶその空間で
私は世界を眺めている

雨粒が傘の端から端から
あふれるように流れている
それは本来私の上に ....
昼寝とは気休めの休養で
目を閉じても
窓から
風にゆれる洗濯物
瞼の裏に光と影を忙しなく映す
今日は
住宅街の静寂には程遠い日曜日であった
暗闇と
夜のような静寂でしか
本当の安らぎ ....
抜けるような蒼い空の向こうに

煌めく未来があると信じていた

薄紅色の蜃気楼のような架け橋

ピカピカの一年生といっしょに

駆け抜けていったのは希望の花

凍てつく寒さ ....
まっすぐな帰り道が見えなくなると
穴という穴からノームが這い出て
ら、るほ、ら、ら、るほ、
ダークダークノームダーク。(あれるっちぇんど)
君たちの手に掴めるものはわずかしかない
ら、るほら ....
長い夜が
ためらいはじめた後で
ピアニストを失ったピアノ
黒の空から白く降る
白い壁には 拳銃の跡
ピアニストの血の赤が
巨大な蝶に見える
靴の先に電話の受話器が
転がってる
そ ....
みずくぐり の 破線

ついた先に
からひく みつる 淵

蛍光灯 の 粉
から うまれた

眠る 
石 の 蝶

そっと
たずな を
もてば

つらつら
頬を 

 ....
    春の夜の

    朧な月を仰ぎつつ

    草露を踏む

    真白い素足 
六月の雨のように優しい歌を女は
歌いたい と思った

穏やかな雨は
静かに大地を潤し
木々に柔らかな緑の葉を育てる
埃を払い
全てを清め
紫陽花の青を鮮やかにする

八月の情熱を胸 ....
墓標に刻んだ自分の名前に背を向けて
てのひらはいつまでもとどかないのです
生きることの意味を知らされないこぶしが
硬く握られたその先で照らして

夕日が水平線を越えて旅立つこの場所で
朝日 ....
ボール紙の小さな箱が濡れしおれている

白地に赤い矩形を散らした面は泥じみている

その上で蟻の細い行列が幾筋も

行きつ戻りつし交錯しあっている

つややかに黒い頭蓋のうちの

 ....
ぼくは詩人

美しいものを感じるとき
それは幸せが生まれる瞬間

今日もまた

朝の散歩をしていると
小鳥に出会いました

近くの木に止まっては
綺麗な鳴き声でさえずる

こ ....
きのう
夢の中で
誰かが死んだでしょう?

ボクの夢の中で
毎日
誰かが死んでいく
君はそのことを知っている
それは
君が仕組んだことなの?と
おそるおそる聞いてみる
ひ・み・つ ....
ギガバイトのうねりのなかで
わたくしの三半規管
忘れない 忘れたくない
あなたの 優しい こえ


花蜜から花蜜 あまりにも
気まぐれ過ぎる あなた
プラトニック と プラスチック
 ....
すべての音楽

すべての詩や小説が

慰みにならない時が

勝負だ

涙が乾いたら瞳孔が開いちゃうだろう

お前がこれまで背追ってきた傷を自慢するつもりなら

お前は狂うよ
 ....
新幹線のドアの出口を
今日もニュースは流れてゆく
私たちの住む国は
800兆円の借金をしている、と

そう
そうかも
私たちの豊かさは
何を犠牲にしたのだろう
労働があって対価がある ....
どんなに遠くを見つめても
そこは一面のブルースカイ


「青」は

けしてきれいな色じゃない
少なくとも
けしてきれいなだけじゃない

無邪気に微笑んで
悲しみを忘れるために見上 ....
(夏)

波音の届きそうにない
部屋でただ
いき過ぎるのを待ってる
テレビにはめ込まれた
冷たいガラスの匂いだけが
わたしに似ている



(秋)

言葉になり損ねて ....
鏡に映せない
言葉は綺麗な現象
だから私には
似合わないのです

指をつたう血が
涙と同じ温もり
人の温度と気づくから

  生きると言うことは
  {ルビ連星=アルビレオ}を見る ....
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