私の詩もまた
消費される一方なのか
思い出しては心に響く
悲しみや苦しみも
消費される一方なのか
それでもいいのです
永遠の中の一瞬のように
あなたの一念に収まれば
それでいいので ....
誰にともなく
プレゼントを贈りたい
できればシロツメクサの首飾りと
夏の朝の匂いを添えて
箱の中には
あなたの希望に一番近い
停車駅を入れておく
中が空っぽなら
それもまた ....
子供の頃
法事の時
お経の中
数珠を握り
経本を開き
目を閉じ
丸まって
念仏を唱える
年寄りたちの
小さな背が
今になって
美しい
麻の半袖ワンピースを
さっぱりと洗い
捨てる時を伸ばし伸ばしにしていた
サンダルに永遠の別れを一方的に告げる
風鈴は日曜日の新聞紙でくるみ
青いペディキュアを消す
扇風機の薄い羽根 ....
それは
あずき色の革張りで
しっかりと綴じられており
少し重い
一ページ目の
なめらかな白い砂浜には
控えめな海藻が
いくつか打ち上げられている
完璧な塩のフォントと
滲まな ....
ここ二月ほどの間にユーチューブの動画を見る時間が、だんだん増えていった。それにつれて、いろいろな情報が目に入ってきた。そうしているうちにだんだん自分の考え方や、それまで持っていた、自分のおぼ ....
昭和30年代というのはなぜあんなにも混んでいたのだろう。休みになれば映画館は場内のドアが閉まらないほど客が詰めかけたし、例えば別府温泉などいまでは考えられないほどの人々が押し寄せた。家族旅行と言えば別 ....
「また銀河ポットを買う」
町外れの
ディスカウントショップで
銀河ポットを買った
星や生命で
また遊んだみたくなったのだ
少し萎れてたので
肥料をやって水もくれた
新しい生命が芽吹 ....
色付いたリンゴの葉っぱに朝日が差していて、とても綺麗だった。収穫されたリンゴの実は軽トラックの荷台に載せられ、ちょうど農協の選果場へ運ばれて行くところだったらしい。勝手口に出て車の掃除をしていると、向 ....
東海道線下り寝台特急は尼崎駅を過ぎると、急に右カーブを描き始めた。後になってそれが福知山線と知る。福知山線の存在は知ってはいたが、その始点の一方が尼崎とは知らなかった。図らずも私をそのルートに導いたの ....
年賀状を作る時期なのに、
プリンターが壊れた
ビックカメラに行った
親切なお兄さんに説明してもらって、
納期は1か月先ということだった
外でご飯は食べるなと妻に言われていたが、
いつものカ ....
晩秋の古道を上り
辿り着いたのは
兵火で埋もれた廃寺近く
青い池がひっそりと
木立に囲まれて
残された伝説は
池の竜神さまから
祝いの膳椀を借りた者が
ある時 規範を怠り
きちん ....
20アールほどある畑に散らばった
枯草やら枯れ木やらを一輪車で集めて焚いた
すごい勢いで燃え上がり気付くと眉毛が焦げていた
全身の水分がみんな抜けてしまい
時々期外収縮をおぼえすごくくたびれた ....
柿の木には柿の実がなる
栗の木には栗の実が
畑には麦や蕎麦が
田んぼには稲が米を実らした
貧困を絵にしたような暮らしの家は
藁葺きの古くて粗末な佇まい
それでも庭はそれなりにあった
....
「10分停車らしいから、ひげ剃ってくる」
そう言って父は急行「筑紫」から降り、ホームの洗面台に向かった。時刻は夕方5時頃だった。冬のしかも正月の夕方5時といえばもう暗い。その分、ホームの蛍光灯は明る ....
月が死ぬ
日暮れから宵に沈む僅かな間
やがて消えていく
虫たちの声を聴いて
夜で夜を愛し
黒で黒を染めて
綺麗な歯を晒した後の
肌を覆う闇に浸る
冷たく ....
血を捨てる人もいれば血を拾う人がいる。
否定された/言葉は宝物
どちらにせよいったん保留してしまえば人間であることに違いはない。
休憩時間になれば袋からピーナッツを取り出してポリポリと囓 ....
旅の人は足を止める
道は遥か地平迄伸びていく
旅の人は休息を必要とする
身も心もつかれ果てて埃にまみれていた
旅の人は道端の叢に倒れ込む
仰向けにねて見上げた空を鳥の群れが飛んでいく ....
昨日の雨が水たまりのまま凍りついた海沿いの二車線は
曇り空の下で果てしなく寒々しく
わたしはブーツの滑り止めの具合を確かめてから
葬列の最後尾に着くみたいに歩いた
水平線は薄明りと虚無に飲 ....
駅
早朝
辺りはまだ暗い
耳たぶが凍りついてしまうくらい寒い
ホームで電車を待っていた
十九歳
半年振りに帰郷する
一人だった
彼は落ち着かない
気分が高揚している
昨 ....
久々に浅草の
{ルビ老舗=しにせ}の喫茶店「アンジェラス」に行ったら
すでに閉店していた
「アンジェラスの鐘」は「お告げの鐘」
もう鳴らない、その鐘は
やがて記憶の風景に響くでしょ ....
真っ直ぐなんて歩けやしない
平らなところで つまずいて
ぬかるみで ぐっちゃりなんて いつものことだし
おいしくない水だって 飲んでしまうし
....
あしおとをきいてみよう
どすどす おこってるのか
ばたばた あわててるのか
とたとた かわいいあしか
ちりとてちん らくごかさんかな
ちどりあしの よっぱらい
ずんずんずん つま ....
何千回、何万回
「死にたい、死にたい」
と私はずっと想い続けた
初めて母に「死にたい」と言った小二の春
「じゃあ、一緒に死のうか」
あまりに簡単な返答だった
人の命は鳥の羽よりも軽いの ....
ちょっと寝ていたら一世紀遅刻してしまった
お詫びにキラリと星を掴む 光になる
星々は銀で出来ていて
地味だけど価値のあるものを燻銀なんて言うけど
地味だけど価値のない私は何にな ....
六時起床
夕焼けのような朝日を浴びる
オレンジ色の卵
ニュースキャスターがヒステリーを起こす頃
目玉焼きかオムレツの分岐を右に曲がる
エネルギー収支で釣り合う選択を
自由と呼んでいる。 ....
何回剥いたことだろう
半日程度は剥けたままだったこともある
だけどいつの間にか
元に戻っていた
何回手術しようと思ったことか
その度に
仮性なんだからと思い止まった
それが良かったのか
....
過ぎ行く街並みは
コバルトブルーに浮遊して
薄暮を迎え
風はもう絶えず吹き
透き通っていく、透き通っていく
外へ外へと向かいながら
夢のなか、外に出るのは久し振り
その夕暮れ時の光景 ....
その車両には誰も乗っていなかった。ドアが開いて乗ってみると、燕尾服を着た一人の老紳士が立っていた。「ようこそ」と、しっかりと距離感を保った声でお辞儀され、こちらも軽く会釈した。車内はよくあるメトロの構 ....
どんなに辛い目にあっても
どんなに悲しい思いをさせられても
そこは大人だから
人前に弱音をはいたり
涙滲ませたり
できない
そんな事したら
見せかけの同情と裏に隠された
嘲笑を ....
山人さんのおすすめリスト
(5905)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
断片
-
渡辺亘
自由詩
2
20-11-28
星
-
道草次郎
自由詩
4*
20-11-28
when_I_lock_eyes_with_you
-
mizunomadoka
自由詩
6
20-11-28
夏をしまえば
-
そらの珊 ...
自由詩
10*
20-11-26
本を、泳ぐ。
-
道草次郎
自由詩
7*
20-11-25
投票権の破棄だけは二度としないと宣言したい
-
ジム・プ ...
散文(批評 ...
1*
20-11-25
Memory_Trains③「切り離し」
-
SDGs
散文(批評 ...
1
20-11-25
また銀河ポットを買う___他
-
道草次郎
自由詩
3
20-11-23
リンゴを貰う
-
道草次郎
散文(批評 ...
2
20-11-22
Memory_Trains②「迂回」
-
SDGs
散文(批評 ...
1
20-11-22
三連休の中日、その昼間
-
はだいろ
自由詩
1
20-11-22
椀貸し伝説
-
もちはる
自由詩
5*
20-11-22
ぼろぼろの身体と心の独白
-
道草次郎
自由詩
4
20-11-22
無花果の木に無花果の実がなる頃に
-
こたきひ ...
自由詩
12
20-11-22
Memory_Trains①「岡山駅」
-
SDGs
散文(批評 ...
1
20-11-21
黒について
-
おろはげ ...
自由詩
3*
20-11-20
かきもち
-
アラガイ ...
自由詩
5*
20-11-20
旅の人は
-
こたきひ ...
自由詩
5
20-11-20
過去の歌、散らばる道
-
ホロウ・ ...
自由詩
5*
20-11-19
人混みのざわめき
-
こたきひ ...
自由詩
3
20-11-19
お告げの鐘
-
服部 剛
自由詩
4
20-11-18
わらしべ長者
-
鵜飼千代 ...
自由詩
15*
20-11-18
足音のひとつひとつ
-
帆場蔵人
自由詩
3
20-11-18
私だけじゃなくて
-
月夜乃海 ...
自由詩
4
20-11-17
アルミニウム
-
おろはげ ...
自由詩
2*
20-11-17
エンドレス無関心
-
asagohan
自由詩
1
20-11-17
皮に包まれて
-
花形新次
自由詩
1
20-11-17
夢のなか
-
ひだかた ...
自由詩
5
20-11-17
Happy_Birth_4_stations
-
komasen333
散文(批評 ...
1*
20-11-16
極力、眼を現実から反らしたい
-
こたきひ ...
自由詩
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