菜の花を食べて
 咳きこんだ


 あの日の熱は
 そのあたりに置いてある
 曇り硝子
 ロー・テーブル


 けれども 一体どこなのだろう
 ぼくはきみを見たことがある
 ....
果てしない空にいる
姿なきしゃにむに
あるときは
つまづいて転がっていく石ころ
あるときは
風が止まったやにわに交わすキス
ときどき現れては
影だけを残して
もとからいなか ....
アレが来た夜
紫色のコガネムシは
仲間の死骸を食んでいた。

ニュースキャスターは
アレの被害者をランキングにして
並べて分析して
怒りを露にしながら
内心
自分がアレになっていない ....
降り続ける雨は永遠の化身
わたしたちは閉じ込められている
どこかで花の匂いがするけれど
確かめに行くことはできない

濁った窓の外から聞こえてくる
心を削り取る無数のノイズたち
に耳を傾 ....
お酒とバカ騒ぎの魔法が色褪せ
宴の糸も解れて独りになる時刻
酔いが醒めると共に膨らんできた
得体の知れぬ不吉で黒々とした塊から
逃げるように入ったファミレスの
無機質なトイレで化粧を直せば
 ....
とてもつらいことがあったとき

暖かいご飯を一口食べて

涙が止まらなくなったことがあったな



生きるって

そういうことだな
私は魚ではなく
人だから

海は
陸とつながってる部分が
好きだ

見渡す限り海だけの映像は
空恐ろしい

そこに岸があるからこそ
安心して美しいと思える

そして
岸から ....
愛は真っすぐ丘を登って行った
蹄の跡を頂に置き去りにして
光は渦巻いている
春の風がむき出しの土を{ルビ弄=まさぐ}っている

あの日太陽を塗りつぶしたのは誰だったか
わたしの心臓を突き刺 ....
世界は薬品用小瓶に入っていた。

そんな朝に動物園でキリンが

生まれたよ。



きみは喜び、驚いた胸の地平線から

太陽がのぼり世界を照らす。



ぼくたちの世界 ....
空間に
手を差し出し
ゆっくりと
上下左右にかき混ぜる 
けれども
存在する
はずのグラスは
見つからない
空間は
次第に重く澱んでいき
だらんと開いた手のひらに
粘りつくように ....
たれさがりが奇麗だね
魚竜の鰭の一夜干しかと思ったよ
春のおわりを
そしてそれは夏のはじまりを
予感させる
夜の漆黒の稲光
瞬間を狂喜する視覚野
背後から呼ばれたような気がした
雑踏に立ち止まり振り返ると
それは自分ではなかった

ぜんぜん知らない誰かが
知ってる人間を偶然見かけたらしい
呼び止めて懐かしげに言葉をかけていた

 ....
人権を守るべきか

人命を守るべきか

否 否 否

2020年の春も終わった

やはり独我論に至らなければならない

国家にころされてはならない

水たまりに気を ....
瞼のおくに
鼓動がやどって
かなわなかった祈りも
血肉となって
いつか
癒える日を
ゆるさないでいる

それぞれの
さいはてに立って
白い旗をふる
くさはらのそこここは
まあた ....
バターは素晴らしい
バターは偉大だ
バターを見ているだけで幸せな気分になれる
人類はバターの前にひれ伏すべきだ

おかしいな
ぼくはバターが好きなだけなんだ
それがどうしたことか
こん ....
あなたがわたしの近くや遠くにいる
騒がしいので目を塞いでいた、
この暗くて曖昧な場所に
午後の日差しがようやく届き始める
長い時間がかかって
忘れ物はないかとポケットを確かめる
駅の時刻表 ....
夜空に
でっかい月が
ぽっかり浮かんでいる
こんな時だもの
コロナを忘れ
じっくり眺めよう
かぐや姫みたいにさ

地球に近づいたから
何かメッセージが
きこえるかもかもしれない
 ....
かれはすごい 
てんかんの発作で
鼻の骨が見えそうな傷を負っても 
支援学校の上級生に引っかかれ
ほおに血を流しても

夜、パパが家に帰り 
ドアを開くやいなや
百万ボルトにまさるほほ ....
山の中腹に
本堂が鎮座する
その床下の
戒壇を
 独り
  降りる

   ひんやりとした
   そこは真っ暗
   右手は壁を伝い
   左手は闇を泳いで
   目を見開いても ....
昔 夜の渋谷で
自転車を 必死で走らせていた時に
誰もいない仕事場へと向かっていた時や
クラブにでかけた時のことを思い出す


暗い 人気のない道の
電灯から電灯へと
僕は見えないもの ....
話して 話しつづけて
話しても仕方の無いことを
病院の屋上から見えるもの
遊ぶ犬たちのことや
食べられてしまった飼い兎のこと
売薬の無駄遣いで喧嘩しても すぐにほぐれて
直らない足の痛痺れ ....
このお店は改装中です。
ですから、お立ち入りにならないでください。
改装が終わったら、
あなたも入ってみると良いですよ。

わたしは言葉を商っています。
わたしは「無限」という言葉の意味を ....
ばらばらの時間を指して止まっているいくつもの時計たち。食器棚は四つもあって、そのすべてにぎっしりと食器がつまっているーたいていが五つ揃えで、花柄で。商店名の入ったカレンダーや手ぬぐい(開封されて ....   目の前に置かれたコップに
  なみなみと注がれた透明な夜を
  一息に飲みほせば
  僕はもうすっかり自由になれる
  高い窓の鉄格子の隙間をすり抜け
  出ていける
  幽かな光 ....
ざわざわと
視界を埋めて啼き騒ぐのは
梢で触れ合う
青葉たち


輪郭をなぞろうとすると
否定形しか使えない
あまりに崇め過ぎたから


信じるということが
見ないという事でし ....
重いテーマじゃない詩は軽いと誰かが言う
震災、津波、原発、自殺、貧困、差別、
そういうものを扱わなければ詩じゃない
そういうものを書かなければ詩人じゃないと
重いテーマを重い言葉で綴った重い詩 ....
強烈にどうでもいい事を書こうと思う。って、別に狙って書いた訳ではないのだが、。純粋に昔から疑問で誰かに聞きたかったが聞けずに今日まで来た事を書こうと思う。思 .... わたしはさいきん
けずりぶし
いえ、最近じゃなく
常時そうなんです

ふりかけられては
振り落とされては
そこが あつかろうが
さむかろうが
おどっている
おどらされている
 ....
生きている道
生きていく道

途中踏み切りにぶつかる事は何度もあった
無情に遮断機がおりているときは
じりじりと待たなければならず
運よく遮断機が上がっていても
慎重に渡る必要があった
 ....
窓の外は春らしい春の日
郵便配達員などもいつもの時間どおり

うちの中では冬を生き延びた一匹のハエがお試しフライト

楽しそうだ
でもあまりはしゃぎすぎるとウィルスにやられるかもね ....
山人さんのおすすめリスト(5784)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
菜の花- 草野春心自由詩620-5-17
しゃにむに- 自由詩11+*20-5-17
アレが来る- asagohan自由詩320-5-13
やわらかい牢獄- もとこ自由詩14*20-5-10
もう若くない- もとこ自由詩7*20-5-7
茶碗- ガト自由詩6*20-5-4
堤防- ガト自由詩7*20-5-4
術もなく- ただのみ ...自由詩10*20-5-3
非常事態宣言が出された日- フリーダ ...自由詩920-4-29
空と盲目- ひだかた ...自由詩920-4-25
終雷- ナンモナ ...自由詩8*20-4-22
傷口が塞がらない- こたきひ ...自由詩720-4-19
ケムール人はこう言った- ナンモナ ...自由詩6*20-4-17
くらげの骨- むぎのよ ...自由詩10*20-4-16
バターのうた- 一般詩人 ...自由詩820-4-15
あなたがわたしの近くや遠くにいる_____________( ...- ふるる自由詩520-4-14
スーパームーン- もちはる自由詩1*20-4-13
電球のひと_――ダウン症児の息子に――- 服部 剛自由詩1120-4-8
よみがえる- もちはる自由詩2*20-4-6
2010年、渋谷で- 番田 自由詩620-4-6
話しつづけて- 大村 浩 ...自由詩14*20-4-5
言葉屋- 朧月夜自由詩6*20-3-26
メモ(東北)- はるな散文(批評 ...420-3-26
出ていける- Lucy自由詩7*20-3-25
緑の風を見ていた- Lucy自由詩9*20-3-24
重さ- もとこ自由詩10*20-3-22
私の人生に横たわる大きな謎- TAT散文(批評 ...320-3-21
けずりぶし- 唐草フウ自由詩8*20-3-17
踏み切りの前で- こたきひ ...自由詩820-3-14
ぶーんぶーん- ナンモナ ...自由詩5*20-3-12

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