クランクを回す
上りのエスカレーターが動き出す
人が乗る
負荷がかかる
乗る人の数は徐々に増え
更に力を込めて回す
見上げると人が
下りのエスカレーターを待っている
上り ....
)夕暮れの埋め立て地には工場が立ち並び
渋銀色に改装されたフォルム
いつのまにか潮の匂いは消えていた
聞きなれない」庭のブロックが悲鳴に聞こえるのは
蹴り返している少年のボールがあまりに硬 ....
{画像=110307010254.jpg}
{引用=アカハチ}
....
{ルビ陸=おか}にあがった魚たちは
使い古した鱗を脱ぎ捨てて
真新しい衣を羽織る
天から
愛情を受け取るための掌と
友に逢う為の足を授かる
ぎこちない足取りと覚束な ....
一日に
二度の食事
少しの甘いもの
四十分ほど湯舟に浸かり
一本のチューハイか
グラスに二杯の安ワイン
十本の指を磨いて
文章を書いて眠る
一週間に
二度か三度性交し
新し ....
110306
はなことばはボノボ
巧みにすくい
木の実をたべる
器用な手つきと
比較され
拗ねるのが
消化不良の源泉徴収証明書
切り ....
甘いからいやだなんて言わないで
2人分のカフェオレ
ことこと牛乳の
香りが満ちてくる
少しあわただしかったのは
冬と春の交差点にいたから
君の私の言い分を溶かして
飲もう一緒 ....
高速で変換される血液の濃度が突っ伏したおれの身体中を貫通し熱を塗りつけてゆく、無限のヘアピンカーブに残された感情のタイヤ痕、生はいつもすこし呻き声のような音を立てながら疾走する、誰の為のも ....
三年ぶりに異動が決まって
どんな気分かだなんて
芸術家には分かるまい。
土手から西日がもれて
絵画のような光景が広がる。
でもそこに立ちはしない
車を走らせるだけ。
整備工の友人は
仕 ....
降りつづいては
落ち着いてゆく
肌の裏側
こがねの腺
無い手を透り
こぼれるもの
失くした姿を
響かせるもの
夜の土の上
たくさんの色が話している ....
歩き始めの段階、道は同じ眺めのため選択間違いはよくあるのですが、間違いだと気づいても引き返す勇気がないため、どんどん先へ行ってますます道に迷ってしまうことがあります。特に最初選択した道が平坦で歩きや ....
わたしの
おてがるなかなしみに
まきこんじゃったから
だめ
だめになったら
だめじゃなくなるまで
いるしかないけど
むりだったら
いなくなる
だめじゃなくなると ....
長野県信濃町の
町立一茶記念館に
猫の館長さんがいるという
名を
杉山ソラという
ソラは
館内を巡回し
館長席のあたりで昼寝をするので ....
ちょっと 宇宙まで
行ってきました
地球の生活
苦しかったから
いっぱい呼吸をして
きました
ついでに 月に
寄って きたのさ
やっぱり うさぎは
一匹いたよ
....
批評とは、一体何なのか。批評される側の立場で考えても面白いものだ。面白くはないのはその散文の内容自体なのかもしれない。完成度の低い文を読まされていても面白くないと思うのは、この目に感じずとも明らかだ。 ....
身体の水分をすべて練り上げて
わたしは丸い生地になる
一晩寝かされて
発酵するのを待つ
悶々と悩む
自分はこれでいいのかと
腐って消えてしまう夢を見た後に
大爆発を起こしたい気分になる
....
M1グランプリが終わる。筆者にとってそれは絶望的な事柄であった。というのも笑い飯以降、M1は『至高のガチネタ特番』であり、『アンダーグラウンドお笑い最新鋭センサー』であったからである。千鳥、ハラ ....
雲ひとつなかった
青い空に
裸の木々の先端たちが
根のようにのびていた
空を吸って根を地球にのばしてゆく
地球という孤島に、空という孤独に、
雲ひとつなかっ ....
例えば、別の惑星の人が、あるいは幼児が、「何書いてるの?」と質問してきて、「詩」と答えると「詩って何?」とまた質問してくることが予想されるので、「青空と枯葉の関係について書いてるんだよ」と答えた。す ....
ふと目覚めた枕もとに
思い出がきていた
いつなのか
だれのものなのか
わからないのだけれど
波の音が聞こえる
思い出の持ち主がいないので
尋ねることもできず
わたし ....
どこまでも続こうとする坂道
喘ぎながら
繰り返される独り言のような呪文
聞きながら
やみくもにしがみついたあなたの背中
眠ったふりしながら
安いおしろいに混じった汗の匂い
嗅 ....
深夜、電話が鳴っている
誰もいない、何もない
とても遠いところで
そんな気がして目が覚める
電話はどこにも見つからない
安心して再び眠る
夢の中で電話が鳴る
受話器は ....
微熱を帯び逆光にかすむ夕暮れに
倦怠と人々は吐き出される
降ろされた日よけを通して見える
前と似た次とも違う底だった
何かに押されているのか
何に惹かれているのか
無数の粒子をもった可 ....
男はうろんな目で
メイビー・アイ・ラブ・ユー
と、どこかで聞いたようなフレーズを呟いては
またひとり
私をみながら笑っている
ギターをつま弾く彼の指は
長年の栄養失調のため ....
青い球体に手を突き刺して
あなたを引き抜きたい
白い球体はゆっくり東から西へ
いつもより明るい夜を巡っていく
孤独なんて簡単に乗り越えられる
と思っていたのに、私はもう潰れてしまい
そうに ....
つまがねむり
むすこははなうたをうたい
やがてそのはなうたも
いつしかやみ
ねむりがおとずれている
はやくねむりなさいとしかりながら
ねむってしまったつまのこえも
は ....
その少年が死なねばならぬ 理由はどこにも無かった
夜明けの遅い南西の島の窪み
降霜を知らぬ灰白色の谷間
その通い慣れた道を
生まれ育った町から一歩たりとも出ぬ内に
その少年が死なねばならぬ ....
朝早く起きて背筋を伸ばし
人の嫌がる重荷を背負い
嫌味にも笑顔で応えて
困難にすら感謝して生きる
あいつはいいやつだな
一言目には みんなの口から出る
でも ただそれだけ ....
もう
わかれてくれないか
きずがつくまえに
わかれてくれないか
そうすれば
きずはつかない
そのきずだらけの
こころに
もう
わかれてくれないか
そんなしあわせ ....
教室の窓から
校庭の隅をぼんやりと眺めている
机の上には
2時間前に閉じた教科書
前方の黒板の文字は粉となり
後方のカーテンは柔らかく揺れている
屋上へ続く扉を
針金で開けよ ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193