小石には刻まれた文字がある
忘れられた形見
鯨の骨の穴三つ
祖父が死んだ日は知らない
祖母が死んだ日は少し悲しかった
花びらのなかに埋もれて
小粒の涙が乾くのも早かった
遠 ....
渋谷で夕食にした
友人はペスカトーレのセットと生
私はアスパラガスとウニのトマトクリームを頼んだ
隣の若いカップルは今しも席を立つところ
突き当たりにはインド系のカップル
パキスタン人かも知 ....
残業に疲れて、
地下鉄のつり革につかまって、
エスカレーターの列に並び、
街灯の下を、
とぼとぼと歩いて帰って行くと、
窓から、
あの子が、赤ちゃんを抱いて、
「パパ!」と手を振る。
 ....
「疲れる薬だと言うと変に思うかもしれませんが、これは正真正銘の医薬品です」
 あのとき、高木はそう言った。
「疲労薬」と印刷された赤唐紙が、半透明の茶色い瓶に貼り付けられている。私は彼の説明を聞き ....
 他人の詩をたくさん読むようになってから、まだ日は浅い。

 詩集というものも、特に自腹を切って買ったことがなく、゛現代詩フォーラム゛が、 僕にとって最初の本格的な読詩経験だと思う。ちょっと気が向 ....
ほいと 見知らぬ人から 
土のついた球根をもらった夜
その人の 笑顔が こだわりのなさが 
他人の私に わたされた 球根が
わたしの夜を あたためる

昼間と違い雨が降 ....
もくもくと
立ちあがってくるもの
頭をもたげて

どくどく血は駆け
はみだしそうな
身の皮一枚

こんこんと
湧き出る想念
いき場もなくて

つんつん立って
はりつめる呼 ....
小雨に濡れて
ススキの銀色の
穂を少し羨みながら
宵口のやたらと
ライトが眩しい

足元を見詰め
プラスチックの袋
足もふらふら
空っぽの心と筋肉
ヤクはやってません

こんな ....
雨が降ると私は
主を失くした犬のように大人しい
夫を亡くした妻のように淋しい
世界は私と一体何の関連性があるのか
此処に生きている意味などあるのか
いや、予めの墓標に過ぎないのだと
そんな ....
絶望と希望はいちにち一往復が限界だった
苺のような滴りに身をゆだねながら
時を呼びよせる甘い夢をみている

木から落ちてゆく大きな白い花びら
スローモーションの重みの永続
僕の傷口で虫たち ....
遊覧船の幽霊、と、融解、

湖、そう、湖だ

おまえは笑っている。
糞尿の中、で、も、
安楽を光らせている。
だがおまえは、泣いていやしないか
その乱れた髪は、乳白色のともしびではな ....
 
 
湿った自転車を押して
海に向かいます
水つながりで
相性がとても良いのです
防風林の間を進むと
しばらく進むと
ポケットに小銭があります
ものが買えるくらいあります
壁に手 ....
黒土、
氷晶、
霜柱。
霰ころがり。

新芽、
日光、
桜花。
小鳥のあしあと。

葉桜、
新緑、
にわか雨。
翡翠に息吹き。

抜殻、
枯草、
弦の月。
涙しみこ ....
炎に包まれた車の中で

絡み合う最後の優しさ

弾ける音は皮膚の音で

流れる油に血が混ざる

口づけする二人の姿が

最高潮の音楽にも似た

黒く悲しい歪みの様で

彼ら ....
生きてるだけでもうけもん
さんまちゃんは言う
そうだね

ときどき
2ちゃんねるをみる
実にうつくしくないことばの羅列
そうだ
ボクらは紙一重で
生きてる
生きてない

ここは ....
きはひとりでは
きになれないことを
しっている

だから
もりになった

さみしいなんて
ことばもしらずに
毎朝毎晩 僕は憂鬱で

死にもせず 生きもせず

脈打つ鼓動を感じもせずに

ただグダグダと ウダウダと

何かを壊したくて 守りたくて

繰り返してるんです


 ....
骨を噛んで壊れた

ブリリアンス壊れた

あーりゃりゃこりゃりゃ

いーけないんだいけないんだ

曇り硝子の海馬

刃磨いで裂けた


判断力あつらえた

 ....
私が見ようとしているものは
きっと 小さなものだ
この世界の中で 私が見ている
目の前を通りすぎていく出来事は
とてもわずかなものでしかない
日曜日、妻が駐車場に面したわが家の塀を指さす。そこにコンクリートの粉が詰まった袋がたてかけてある。
近所の男がゴミ置き場にだしたものだ。しかし、ゴミ回収車がもっていかなかった。別の近所の人が、それを ....
ゆっくりと風呂につかる
ゆっくりと時間が流れる。
ゆっくりとビールを飲む。
ゆっくりと夜空を眺める。

身の上の境遇を嘆き
一人涙をする。
人生が狂った。
こんなはずではなかったのに
 ....
ほんとの自分を探したって
ぼくらは液体だ

この人の前では四角くて
あの人の前ではまん丸い

あいつの前では黄色くて
あなたの前では水色だ


どれがほんとでどれがうそか
考えた ....
仕事帰りに、
病院へ、丸ノ内線から、
総武線に、乗り換えて、
7時の面会時間に、
ぎりぎり間に合う。
電車の窓は、
外が暗くなると、
自分の影を通さないと、
外の景色を見る事ができない ....
優れた作品はその表現手段を選ぶことなく、絵画的であり、音楽的であり、文学的である。

受け手の感受する入口が違うだけで、感性のフィルターを通過して、本質へと伝わり、何らかの示唆を与えるものである ....
腰から
あなたの右足が
つきだしているから
歩くときには
きまってふらふらとする
電車では
みなが嫌な顔をする
あなたの右足以外の部分は
どこにいってしまったか
知らない
キスをす ....
 
 
窓ふきをしていたはずなのに 
気がつくと父の背中を流している 
こうしてもらうなんて何年ぶりだろう 
父が嬉しそうに言う 
十五年ぶりくらいじゃないかな
僕が答える
父の狭い背 ....
毎日薬を15錠飲む
そのままだと味気ないので
皿に盛った

白い錠剤5錠の苦さで
自分が健康でないことを知った

オレンジ色の5錠で
副作用の意味を知った

青い錠剤の5錠で
意 ....
ボクが文章を書こうと思う契機は単純なものです。
大概は、ボクの外側に転がっている、ちょうどそこにあるもの、今流れている音楽、たまたま目に入った人や景色といったものが発端になっていて、ボクの内側に長い ....
人の多くは 疲れた 幻のようなものなのであるが
私は 何も知らない そのことについては
いつまでも そっと 川面を見ていた
疲れだけが 転がっている
空の真上に へばりついたようにも見える ....
 


雪降る夜の静寂も

夜降る雪の輝きも

夜空の下の人々は

独り籠って共有してる


望みはないよと言う人の

凍ってしまった星空に

取り残された絶望は

 ....
山人さんのおすすめリスト(5784)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
化石- アラガイ ...自由詩10*11-11-2
出て来ない- salco自由詩12+*11-11-1
ただいま- はだいろ自由詩711-10-31
疲労薬- 「Y」散文(批評 ...4*11-10-31
心のギャラリー- さすらい ...散文(批評 ...14+*11-10-29
坦懐- るるりら自由詩20*11-10-22
試練- シホ.N自由詩311-10-21
青春の孤独に似てる- 木原東子自由詩11*11-10-21
- salco自由詩7*11-10-21
振り子の夜- つむ自由詩5*11-10-21
かるでら子の枯渇- 自由詩111-10-21
海へと- たもつ自由詩411-10-21
地層- つむ自由詩4*11-10-21
午前二時に炎上する車のバックライトは点滅を繰り返す- 空中分解自由詩5*11-10-21
フライング・ソーサー- umineko自由詩18*11-10-21
- 小川 葉自由詩811-10-21
失うもの- faik自由詩1*11-10-20
骨折- faik自由詩3*11-10-20
影の中で- 番田 自由詩311-10-20
近所での小さな争い- 殿岡秀秋自由詩411-10-20
身上話- ペポパン ...自由詩2*11-10-19
ほんとのぼく- 凪 ちひ ...自由詩711-10-19
川面の灯り- はだいろ自由詩311-10-19
私的な考察(私の中の基準点として記す)- 蒲生万寿自由詩1*11-10-19
斜陽- イシダユ ...自由詩1011-10-19
窓ふき- たもつ自由詩10*11-10-19
オードブル- あやとり自由詩5*11-10-19
ボクのマスターベーション(1)- 花形新次散文(批評 ...10*11-10-19
川の幻影- 番田 自由詩311-10-19
- mortalis自由詩211-10-19

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