夢の中で誰かの手が伸びてきて

グルグルグルグル

ねじまわしの音
目が覚めて
鞄を持ちながら
あっちの会社こっちの会社

くるくるくるくる

回って回ってときたま鞄を叩いてチャ ....
多くの言葉に意味はない
意味があるのは 私の中だけ
色々な言葉を失った
多くは つまらない 言葉だ
人はどこに向かうのだろう
そこで 一体 何を 語るのか
女の子が産まれたら
愛子という名前はつけない
愛という字を
書き慣れてほしくないから
女の子が産まれたら
しのぶという名前はつけない
耐えしのぶなら
逃げてしまいなさいと教えたいから ....
満月のせいで
胸元に口づけしたい
それから背中に手をまわして
背筋をなぞりたい
たくさん言いたい
たくさん抱きしめられたい
その数年分の星の数だけ

だいだい色の満月
あたたかさ ....
こよい 空は銀の帯をすべらせ
欠け月を髪に飾る

{ルビ鞣=なめ}された夜の下で
仄かに光りながら伸びる翡翠の茎
その先端に やがて冠のように開く
月光を凝らした白い花
ひとしずくの涙を ....
十五夜は陳腐な満月だった

十三夜のいびつさのほうが

なん倍も美しいフォルムだった


ひとはひとに

求め過ぎる生き物だ

それもたぶん

何かの物まねだろう


 ....
品川のホテルに泊まった
行き詰まると、ときどき、
安いビジネスホテルに泊まる
もてなされている感じが、癒される
「癒される」なんて言葉、
いま初めて使ってみました。

ホテルの一階のレス ....
つよく握りしめていた 
拳を、そっと開いてみる 

この掌は、いつのまに 
透き通ったひかりの泉が湧いてくる 
不思議な器になっていた 
君がつくってくれた朝食の 
おかゆを食べ終え 
茶碗の運ばれた、広い食卓に 
何とはなしに手を置けば 

木目に残る余熱は 
一つのぬくもりのように 
指から皮膚へ 
皮膚から体内へ  ....
ある画家の内面を映し出した 
目の前のキャンバスには 
ふたりの男が描かれ 

荷車を曳く者と 
荷車に乗る者と 
ふたり共、哀しく頬がこけている 

その画家は 
「生」という題を ....
いつ植えたかも分からないチューリップが
たった一枚の葉をぺろりと生やして枯れた

抜こうとした
葉だけが千切れた

もはや太らない球根は眠り続けている
話しかけないでください

静かに
ハサミの音を聞いていたいのです

質問しないでください

今は
答えたくないのです

話しかけないでください

ただ

髪を切りに来ただけ ....
あなたが生きているのは

昔わたしと半分こしたから。




今もずっと生きてる、

死んじゃいないよ。




大きな汚れた都会で会いました




ど ....
青い服でとなりにいるけれど
距離は大きい
知らない人みたいなフリで
話さないでよ

お酒を飲むわ 昼間から

早くケリを付けたい

あなたが夫だとして
私は妻かしら?

「いっ ....
幾千もの電球がその家の周りを照らしていた

そのどれもが小さく弱い光を放ち

それはとても暖かく

そしてよそよそしく個々を消失させ

一つの個をなす静のようだった

緑の芝生は黄 ....
きのうあなたの夢を見たんだ

あなたはぼくに冷たかった

ぼくは遠い心でそれを憎んだ


秋の虫が星のように鳴いている

小さな命に割り込んでゆく術を

きょうも眠りにつくまえ見 ....
うちの猫 とってもとっても かわいかったよ
 うちの猫 摩訶不思議な模様だったよ
  うちの猫 色々なしぐさをしてくれたよ
   うちの猫 色々な声で鳴いてくれたよ
    うちの猫 爪をとぐ ....
今夜もまた眠れそうにありません
2時間前に飲んだクスリは一向に効いてくる気配がなく
仕方がないので強いお酒を呷ってみましたが
余計に目が覚めてしまう一方なのです

考えないようにしているつも ....
陸を泳いでいるのは
Kさんの舟だよね
裏山の崖で逆さになっているのは
Bさんの舟だよね
自慢の大漁旗はどこにもないね
あっという間に飲み込まれて
そして流されて
船体にかすかに残っている ....
朝に堕ちれば山が在り
迎える刻にも海はある
いつまでも生い茂る森のなか
陽射しに誘われ花も咲く
ひとにはとおく
けものには為れず
流れる水を汲み上げる朝に
映る瞳の影はつ ....
ところてんかまわず
すうっと出しちゃったら気持ちが良いよ
細長いわだかまりがいっぺんにどっと出て気持ちが良いよ

つるつるにょろにょろ
つるつるにょろにょろ

のどぼとけがなって和尚さん ....
あの娘が出て行って一人取り残された僕
スポンジケーキの星が天井にぶらさがっている
悲しみのレールを音もなくビールの泡が走る
だからといって握り締めた携帯電話には雑草が生い茂るだけで何も歌わない
 ....
ばりばり書いたばりばり


「ざんねんながらその話
 すでに書かれたものなのです」


  ばりばり書いたばりばり


「失礼を承知で申します
 あまり面白くありません……」
 ....
旅ってなんだろう

帰るところあっての旅なんだろうけど

住んだこと無いはずなのに
慣れ親しんだ気がしてならない場所へと帰ってゆく

そんな旅路もあるような気がする




 ....
 


ぼくはほら、

羽根がないから飛べなくて

年中 空を見上げてる


ぼくはほら、

口もないから呼べなくて

風が吹くのを聞いている


ぼくはほら、

 ....
  十月の豊かな光が
  いつもの駅前
  喫煙所のボックス灰皿のあたりに
  私が待たせている
  ひとりの女の額のあたりに
  しっとりと落ち、
  浸食するように広がる
  ....
新しくポストを建てました

これで十二本目です

今のところはお手紙はいただいておりません

悲しくはないです

心配は

近所の子供が悪戯に石を詰め込むことです

さきほど七 ....
魚影のない河川
子どもの工場見学
秋空にぎんぶち眼鏡のつがい
おとなの暗い話題
 
人のかたちを真似るビルと
ビルのかたちを真似る人
沈む色紙の太陽
三角座りのキリ ....
あとなんど苦しんだら

(苦しんでいるうちに

(洞窟があらわれたら

この洞窟出られるのだ


さびしくて

かなしくて

くやしくて


あとなんど苦しんだら

 ....
じゃあほかに
なんて言えばよかったんだろう

帰るひとのいるあなたに
帰るひとのいるわたしに
はじまってさえいない二人に

終わりにするためには
なんて言えばよかったんだろう

 ....
山人さんのおすすめリスト(5784)
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