林から叫び声が聞こえる
木を割いたような声である
お客は驚いて
あれは何だ
何が叫んでいるんだ
と尋ねてくる
いいえ
鶏を潰して
いるだけです
控えめに答えると
お客は安心した様子 ....
オーブンレンジが
動くときに聞こえる音に似たうねり
楕円的な渦巻きの軌道
高いところから落ちて破損した
もう聴くことのないCDとそのケースみたいな一日


テレビの ....
 
それでも星は羽ばたいて
ぼくを夜のそらへ 浮かび上がらせる
雲間からのぞく 朝のつぼみ
いずれは押し寄せる光のざんがいから
隠れているのに
 
掬い上げられた水は
もう指の間から逃げ出すことを
考えている

地球の重力から逃れて
日に日に遠ざかっていくお月様は
とうとうその背中さえ見せず

呆れ顔のスフィンクスは
もう人間た ....
どんな悲惨も
無よりはましかなと思って
野良猫たちの生を
肯定してきたのだけれど

汚いったって
臭いったって
生きてるってのは
そんなもんでしょうって

でもソマリアの餓えた ....
空いてます
ぼくのとなり

とても広くて
あなたのわがままはすべて叶います
来ませんか
ぼくのとなりへ

ちょっと高くてこわいし
階段もないけど
その右手も 左手も
ぼくに差しの ....
       
満点の暑さを引き連れて
夏はやってきた
蟻の大行列は
トンネル深く沈み込んで働くことを諦めた
公園の噴水は
温水となってまわりに放出し始めている
花々は枯れ始めた

 ....
きみという少年時代の秘境について

そこに恐れていたものなど何一つなかった

きみに吹く嵐は去り際をわきまえていたし

きみの森に虎なんかいなかった

過ち達は気前よく十字を切って ....
パスタは絶対にフォークとスプーンで食え










ワンスプーンの上にくるくる巻いたらそれがルール


それが一口の定義だ
 ....
「もしかしたら、今は見えない
戦争状態じゃないのか?」

野営地で目を覚ますと
体中が汗ばんでいた

ジッパーをあけると
ナイロンの外は青空だった

すでに日は高く
肌を焼く太陽光 ....
涼し
涼しと
思うたら

わて
こんなに
なっとった

ホンマ
涼しいなぁ
 散らばった削り屑をかき集めて呻いた。ほのかな樹木の香りがした。あたしは一個の彫刻になっていた、ことばのかたちにからだを削り上げたのだ。記号の救命艇。戦艦は撃たれて沈み、ことばに乗らない彫刻未満がうよ .... 幻の魚と書いて げんげ

富山は 蜃気楼が有名な 魚津市が有るって
富山を離れてから 気付いた気がする

本当は 聞いて 知ってたけれど
すっかり 忘れてたんだ

こっちに来てから ....
青黒い皮膚の下で
躍動する肩甲骨に
未熟なサーファーが乗り上げて
水飛沫を上げて砕け散る

白い泡立ちとなって
打ち寄せる指先は
永遠に砂浜を掴み損ねて
桜貝の汗を置き忘れていく
 ....
おしとやかな君の
パンツが見たい

純白が似合いそうな
君のパンツが
紫のレースの
シースルーだったりしたら
あるいは
Gストリングだったりしたら・・・(ゴクッ)

ああ
どうし ....
自分を殺し
自分の死体を
自分で捨てにゆく

光も闇もない
密かな墓所へ
自分を捨てにゆく

人目を逃れて
死体を隠して
何くわぬ顔をして

死はもとより
生すら
なか ....
夜の遠くから
僕を引き寄せる引力が
静かなおしゃべりのようで
ひとりぼっちの空に誘い出す

誰もいないはずの
夜の遠くへ
メッセージを僕は返信している

夜の遠くから
ほんのりと吹 ....
夏に実った果実は
その夏が暑ければ暑いほど
甘く、またみずみずしい
だからたくさんの輝く甲虫たちは
夏の果実に鉤爪を食い込ませて取り付く

夏の果実がとりわけ腐りやすいのはそういったわけで ....
     ?

百年の時が流れても
緑におおわれる事のない
荒れ果てた灰色の大地
小石まじりの砂が
地表に渦を巻いていく
叩きつける雨
照りつける太陽
数え切れない夜と昼が
淡々と ....
暖かい春を終えて苦しい夏が来て、もう残暑になってしまって
あの町もこの街も西日のまぶしさなんて陰に隠れてしまって
ああお終いなんだなと悟るよ
穴が開いたみたいに寂しかったけど
ひんやりとした日 ....
  言葉を
  影に埋めて
  やがて歩くだろう
  さっき来た道を



  あたたかい
  心から漏れる
  音、ひとつ
  ただひとつ抱いて



  本当な ....
戻れそうで、戻れない
記憶をたどる
指のさきに、夏の
光があった。


光は
しずくとなって、
虹色の、かげろうをつくった。
ゆらめいて
いのちのかたち。
輝いて
一瞬を生きて ....
みじかく、強めの雨がふる。もうやんだかなと思えばまた降り出し、まだ降っているかなとおもえばもうやんでいる。そんな調子で。

ぼうっとして、すこしずつ痩せたり、太ったり、食べたりしている。
子 ....
 
 
壊れたヤドカリが階段を上る
その先には二階があるだけなのに
暑いと感じる人は、暑い、と言う
今日という退屈な一日
下駄屋のおじいさんが亡くなった
母を斎場まで車で送った
一時間 ....
ファッションを買いに来たのではない
笑いを買いに来たのだ
一週間も笑わないと
一日の神経の隅々まで偏屈になる
笑いを売る店が
このデパートの奥まったところにある
電話売りはしないから
 ....
血管まみれのアパートに愛は血はあるのかい

囁けば、

コンクリが軋む



今日は蝉の死骸を三個みっけた
昨日は四個
おとついはニ個
夏が終わるよ、
蝉がなく

羽をむ ....
私に見えるのは青い空です
むかしむかしのお話で真っ白な山神の鹿が
かわそうな猟師に撃たれて死ぬ時に
倒れながら片目で仰いだその空です
そうしてさいごには
真っ白な鹿も猟師も病気の娘も
帰っ ....
ソーダ水の温度に惑わされて
汗ばむ景色をよじのぼる

お元気ですか、夏

遠い背中に
あなたと名付けた
ひとのかたちを追って

「おはよう」を
言いそびれると
教科書の中で殺され ....
真昼の太陽が照りつける小さな公園で炭酸がすっかり抜けてあまいだけになったぬるいコーラを地雷処理班の様な真剣な表情で飲みほしたきみはぼくの伸びすぎた不精髭に眉をしかめて公衆トイレに走って行った、きみ .... アフリカの大地に曙光がおとずれた朝

遥かなるネグロイドの神が大地にいのちをあたえ

僕たちの元初の曾祖母がおごそかに懐胎して

DNAの長いながい旅が始まった

ユーラシアに流れ出た ....
山人さんのおすすめリスト(5716)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
叫び声- 春日線香自由詩411-8-29
そしてあらゆるものが過ぎ去ったあとを- ホロウ・ ...自由詩3*11-8-28
ひかりのかげ- 四帰自由詩311-8-28
ある朝- マチムラ自由詩3*11-8-28
無と奇跡- シャドウ ...自由詩3*11-8-28
- たま自由詩37*11-8-28
満点の夏- 花キリン自由詩2*11-8-28
きみという少年時代の秘境について- 瑠王自由詩4*11-8-28
パスタは絶対にフォークとスプーンで食え- TAT自由詩311-8-28
白昼夢- 麦穂の海自由詩6*11-8-27
涼しいなぁ- 森の猫携帯写真+ ...17*11-8-27
泣きなよビリー- paean自由詩511-8-27
幻魚-げんげ-- 藤鈴呼自由詩3*11-8-27
- nonya自由詩18*11-8-27
パンツが見たい- 花形新次自由詩2*11-8-27
完全犯罪- シホ.N自由詩2*11-8-26
夜の遠くから- 折口也自由詩111-8-26
甲虫たちの記憶- 水町綜助自由詩611-8-26
灰色の大地の下で- wako自由詩311-8-26
ひのたかさ- なつか自由詩311-8-26
- 草野春心自由詩3*11-8-26
夏の光- yo-yo自由詩6*11-8-26
おびえること- はるな散文(批評 ...411-8-25
海の生き物- たもつ自由詩311-8-25
- 花キリン自由詩1*11-8-25
血管まみれのアパートに愛はあるのかい- ゆるこ自由詩411-8-25
- マチムラ自由詩3*11-8-24
どうしようもなく夏- りこ自由詩6*11-8-24
はちがつ- ホロウ・ ...自由詩2*11-8-24
モンゴロイドの旅- 梅昆布茶自由詩311-8-23

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