こうなるとフェルナンドの狂的な公理の一つを認めないといけなくなる、偶然などありはしない、あるのは宿命だという。人は探しているものだけを見出すのであり、心のもっとも深く暗いところ、そのどこかに隠れてい .... 朝だ
扉を一つ開け放つ
爽やかな陽射し
冷たい微風

部屋の腐ったへその緒や胎盤
何度も吸っては吐き出され淀んだ思考
それら腐臭を少しづつ解き放つ

世界の約束を分かっていく
凍っ ....
冷たいね
きっと君は
トマトケチャップ銀河から来た、
 バター星人
クランベリーはもうケーキに使ったから
キュウリおばさんと一緒に寝るのは
 もうよしなよ
耐熱皿の日々は
 トウモロコ ....
静かな雨が降っていた
ここんとこ
悲しみに荒れていた私のこころを
不思議と癒す雨だった
こんな無音の音を
待っていた気がする
もう存分に泣いたのだから
これで終わりにしよう
私は虹を待 ....
最近は小説を書く事から大分遠ざかっていた。今日、私は秋の気持ちの良い陽射しの中を、近傍のショッピングモールまで書店目当てに出掛けた。先日、通っていたB型作業所を退めたので、私は毎日を特にやる事も無く、 .... そっと踏みいる、それへの入り口。プールサイドの縁に紺いろの靴下を濡らす。夏の制服姿の少女が夏の制服姿のまま水色のプールの中へと入ってゆく。やがて肩の上から頭のてっぺんまでをも水色の水鏡へとゆっくりと沈 ....
金魚の色を掬うように、
未来の匂いを言葉で掬う、
ディスプレイには光る女の子が映っている。
彼女が衛星から静かに送られてきたことを、
僕は知っている。


孤独な宇宙に、
詩は ....
(前半が要らないという指摘を受け、文章割愛させて戴きます)



『病人の館』は、そんな私が個人としての幸せを捨て、公としての幸せを手に入れた作品の一つ。
個人で勝ち組になるだけだったら、 ....
ひとつの時が停滞し
その膝の上わたしは猫のよう
乳飲み子の舌の音
水の音色をさかのぼる

叢に覆われた
つぶれかけた空き家の中で
ひとりの少女に会った
帰る場所がないという
行き着く ....
古いアルバムに
残った記憶は
ただ懐かしいだけでなく
どこかしら痛みを感じる
あの時は良かったと
無条件で微笑むことは出来ない
いつだってそうだ

生きて来たこと
それこそが後悔の集 ....
 
 見て

 このいっぱいの星空を

 君にあげたい

 でも

 私の空じゃないから

 あげられないの

 遠くから

 いっしょに見るだけ
 
初秋だ。
寒さに目を醒まされる朝が来る。裏戸を押して足下を見ると、枯れ草色の蝗が犬走に一疋かたまっている。ぼくも、一時、じっとなる。あ、ども——と言いたくなるほど、ちいさな沈黙が胚を抱いている。
 ....
 入り江にて

 大阪から車を走らせ、片道三時間。途中のサービスエリアでスマホを確認すると、通知に追われる日常がそこにあった。
 やがて夜が明け、寂れた港町を抜けると、道は雑木林と露出した山肌に ....
空がゆっくりと落ちてきて夜になると闇が呼びか
けるように地の底から光の洪水が押し寄せる。そ
の光の海と、路上のダンボールハウスの浸透圧が
重なる時刻、一艘の小舟が歌舞伎町のJRガード
下を流れ ....
 雑木の密生する土手の外れに
 一本の柳の木が俯いて
 午後の暑熱を滲ませる貯水地の水面を
 のぞき込む
 
 鳥も来ない
 辺りに虫の音の靄る静かさ
 濃い藍藻に覆われた沼底でまだ
 ....
僕は煙草を吸っていた
コンビニの庇の影 殺虫灯と踊る
虫とともに 金のないことも忘れて
吐いた煙を 月のない空を 眺めていた

遠雷だ
音もなく
暗い雲の積層が戦争のように光り
秒針の ....
「籠モル化」という言い方はまだ一般化していないが、ここでは詩の現場で見られる閉鎖的な相互評価の力学を指す仮称として用いる。語源は特定のグループに「籠もる」ことを強調した俗称で、少人数の内輪に作風や価値 .... 人柱法(抜粋)

公共施設は、百人収容単位につき一人の人柱を必要とする。
千人を超える公共施設に関しては、二百人収容単位につき
一人の人柱を必要とする。人柱には死刑囚をあてること。  ....
{引用= グラフ化される こころのなか
 それは まるで心電図のよう

 きのうであったものが 季節の符号に置き換えられてゆく
  ひと、おしながされてゆく
 ぼくはしあわせでした
 遠い ....
夜明け前の散歩
灯りのない家々を抜け
ちょっとした農道を行く

一人一人の孤独が夜露になって
暗闇を舞う小さなこうもり達の
羽を少し重くする

いつもの開けたどん突きで立ち止まり
ゆ ....
 今宵手にとる梅酒のロック
 漬け込んだ梅の実も
 取り出してそのまま齧れば
 甘酸っぱさの酔いが
 心のうらがわまでしみてくる
 
 溟い憩いにグラスを傾ける
 私の手は苦い
 梅の ....
 母親の家に用があったので、ついでに母の買い物(CD)の為に、旧東予市の方に出かけたので、帰り道のついでに、総菜の安い大黒屋に寄って、特大の鳥の唐揚げと、赤飯と、太巻きを一本、買ってきた。全部で1 .... 夏を通り越すとき、むすめの背が伸びる。目線がもうほとんど同じになった。靴のサイズも。手のひらはまだわずかにわたしのほうが大きい。平板だった身体は迷いながら造形されていく粘土細工のように、昨日よりも ....   〇


ぽつぽつ、と、将棋盤が降ってきた。と思う間もなく、将棋盤が激しく降り出した。じゃじゃ降りの将棋盤のなか、道に溜まった将棋盤を一つまたいだ。街中が将棋盤に濡れて、びしょびしょだった ....
『思い出の渚』 ザ、ワイルドワンズ

きみを見つけた この渚に
一人たたずみ  思い出す
小麦色した  可愛いほほ
忘れはしない いつまでも
 水面走る  白い船
  長い黒髪 風に ....
入道雲は
青蜻蛉がみる白蜻蛉

さっきの雨が焦がしたフィルム

こぼれたひとつのいきを

つまさきまで吸いこんで
花山椒鍋。

要は熊肉のしゃぶしゃぶだ。
春、四月から五月、緑色の山椒を、鰹と昆布で出汁を引いた鍋に大量に散らし、
その出汁で、熊の薄切り肉をしゃぶしゃぶする。
熊肉は食べたことがあるのだが ....
盆前の最終勤務日の今朝、ぎっくり腰になった。
時折、酷い腰痛に悩まされるが、ここまで酷く、まともに起き上がれないのは久しぶり。結局、仕事は休ませてもらった。

腰がここまで悪くなったのは、あの仕 ....
月が光ったり包むように照らす記憶のない、まだはじまったばかりの夜だった。
顔の何処かで泣かないように空に瞳を任せていた。どこを見上げてみても
わたしが知らないだけで、星はやさしく奏でていたんだった ....
コンコン、と
ノックはするけど

返事もしないうちに
入ってくるママ

机の上に
紅茶とお菓子を置いて

口をあけて
パクパク、パクパク

何を言ってるのか ....
山人さんのおすすめリスト(5905)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
全行引用による自伝詩。_05- 田中宏輔 ...自由詩1125-10-16
気づき- ◇レキ自由詩325-10-12
冷蔵庫を開いて- トビラ自由詩5*25-10-12
- りつ自由詩9*25-10-12
平日昼間のショッピングモールで- 喫茶大島散文(批評 ...325-10-10
ししゅん- 本田憲嵩自由詩1625-10-8
- 由比良 ...自由詩625-10-7
ナレーション魂_あさひてらす採用作品『病人の館』について- 鏡文志散文(批評 ...5*25-10-5
寝過ごす夢を見た- ただのみ ...自由詩11*25-10-4
古いアルバム- 花形新次自由詩325-9-29
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新宿の幽霊たち_(「センテンツィア」改題)- 室町 礼自由詩6*25-9-18
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図書館の掟。- 田中宏輔自由詩10+*25-9-8
9月の朝- ryinx自由詩1425-9-8
夜明けまで- ◇レキ自由詩8*25-8-31
晩夏- リリー自由詩22*25-8-30
クレクレ星人の独り言「僕の小説を読んで下さい」11- ジム・プ ...散文(批評 ...4*25-8-28
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