ロバートは売れない小説家
それでも彼は諦めない
波乱万丈の人生が
彼を大人にしてしまった

ロバートは少々太り過ぎ
誰も指摘する人はいない
ざらざらの肌と黒い巻き毛
見栄えのする外見で ....
近ごろホテルも駅もコンビニも公園も
洋式便座が主流である
楽なのはよくわかるが
僕は見知らぬ多くの人たちの生尻と
スキンシップしたくはない
病気を持っている人がいるかもしれないと思うと
出 ....
この哀しみは

量子や光子いっぽ手前の

自然物の哀しみです

この場合

自然物には合成物もふくみます

この次元にからめとられた

あらゆる存在の哀しみだからです

観 ....
雨上がりの清い空に流れる雲の
感情の軋轢に砂糖をまぶして

二人小さく笑い合えれば
距離感にぱちぱち淡い火花が散って

求めて欲しい
求めていたい

どこまで意思疎通に出会っても
 ....
西成の夜を歩き
フラフラと飛田まで
どれくらい更けた頃か
ウイスキーの向こう
聞こえた気がする
大山のぶ代の叫び声
何処でもドヤ~
何だかなあオカマか
寝静まった動物園
小便臭いハル ....
わたしは虫けら
幻をつかむように
漂っている

憂いに暮れ 悲しみを懐く
終わりにしたいと呟く夕暮れ
陽は滲み落ちてゆく

わたしは抜け殻のよう
風に吹かれ飛んでゆく

頬杖ばか ....
雨降りの夜は哀しいな

悲しい記憶ばかり蘇り
こんなに暗い深夜をすっかり透き通らせ
ミシリとまたミシリと
疼き開いていく胸の響き

心を無数の雨滴が滑り落ち

雨降りの夜は哀しいな
 ....
渋谷での何度目かの面接
しかし 一日の中で
他にどんな変わったことがあったのだろう
気づいたら 思い出していた その 面接


私はこれからこの街でどう生きていくのだろう
しかし そ ....
此処が何処だろうが
誰が誰だろうが
私は私だ
宇宙を横切り
宇宙大に広がり
あらゆる処に点在する
在る処の私だ

人はもはや帰属先への執着を捨てていくだろう
人は自らを異邦人として見 ....
たとえば、
呼吸や瞬きひとつで
もろくくずれてゆくような
そんなあわい羽で
夜の輪郭をなぞってる
そんなかんじ

やわらかいものから
順繰りにおちてく
それは実り
まだあたたか ....
僕は、シンプルになりたかった。ひらがなになりたかった。
ひらがなになれたら、悩むことはないだろう。苦しむこともないだろう。
悩みはなやみに、苦しみはくるしみになって、隣の文字たちと混ざり合って ....
仕事をさぼって美術館
展示室をうろついていると
赤いワンピースの女がついて来る
立ち止り絵を眺める横で
ぼそぼそと蘊蓄を語るのだ
頼んでもいないのに不躾な
学芸員にしてはずいぶん
粗野で ....
ぼくの身に止まった蝶が

羽根をやすめることができる速度と

やわらかさで生きていく


だまされても理不尽に遭っても

戦争になっても

失意のときも得意のときも

その蝶 ....
いよいよ何かにならぬときが来て

期待していたような、羽も{ルビ角=つの}も爪も牙も生えなかった

自ら首を括った同い年の匂いが残る面接会場で
信楽狸とおじぎ福助と招き猫に
頭の先からつま ....
昼に蒸された夜の町あかり

花火のあとのような煙や雲

おまえはスーパーに駆け込むのか

ならばおれと食事に出掛けようよ


お祭りあとの夜道にひそむゆらゆら

降りもしない雨の ....
蚊取り線香の匂いが好きだと
誰かが言った

すごく落ち着くんだって
わかる気がした

猫を抱いて
庭先で蚊取り線香を焚く
とても静かな夜

長い間忘れていたその匂いを
思い出そう ....
親子丼ほど
残酷なごちそうはないと
親になって思った
親父もそんなふうに思って
この食堂で食べていたのかな
     朝起きて顔を洗うとすぐに
     台所へと向かう
     目覚めのいい朝も、悪い朝も
     遅刻しそうなほどぎりぎりでも
     必ず台所へ向かう
      ....
病院帰りにコンビニへ入り
いつものように雑誌コーナーへ向かい
いつものように
立ち読みしている学生に
カロリーをチェックしている女に
記号化した挨拶を繰り返す店員に
社会を回している奴らす ....
朝を折りたたみ
昼を折りたたみ
犬を折りたたみ
猫を折りたたみ
自宅を折りたたみ
通りを折りたたみ
横断歩道を折りたたみ
バイパスを折りたたみ
街を折りたたみ
都市を折りたたみ
飛 ....
帰省した
ほんの気まぐれに
親に顔を見せた
ひどく暑い夏の折
来月に盆を控え
年のはじめに世を去った
祖母を思った
居場所なく
結局仏間でくつろぐと
線香の匂いが
また ....
道端で色褪せていく
この盛夏に色褪せていく紫陽花よ
アゲハ蝶がその繊細な触角を動かし
咲き誇った花から花へと優雅に飛び廻る時
あの青々と濡れ光っていたおまえは
早くも凋落の一途を辿っている
 ....
もうこれで、と思ったときも
ページをめくると鳥がいた
青色の羽をしていた

羽毛が抜け落ちるのを
少し気にしながら
西日の当たる部屋
ソファの上で笑ったり

片方は詩人で
片方は旅 ....
水はけのわるい布団で 寝汗をぐっしょり
 その上を歩くと 足下から不快な感じが
ねっとりと ただ 感 情 が
あふれ出していた ので。  冷蔵庫
開けたんですね、暗い部屋で。
    ぼんや ....
十代の恋は幼く
大人びた香りがした
あの夏の日暮れの
夜が落ちてくる手前の街を
指を絡めて歩いた
あなたの指は
ほそくしっとりとして
引かれるまま道を歩く
足取りはひどくゆっく ....
マスターに会った
仕事帰りの立ち寄った100円ショップ
たまたま見かけて追っ掛けてきてくれたようだ

グリーンのパジェロミニ
助手席にはkさん
マスターと一緒に
お店を切り盛りしてきた
 ....
       
凍るような闇に
おおわれている
もう先が見えなくなっている
わたしは手さぐりで
広い歩道にでるが
そこには夜はない

誰もいない路上
灰色の靴音を
ききながら歩 ....
貴方の音が聞こえるこの耳は
特別大きい物じゃないけど
とても便利です

貴方の不安も幸福も
知ることが出来るから
とてもお気に入りなのです

貴方は嘘が上手で
口も達者だけれど
貴 ....
誰もいなかった休日
陽の光さえ浴びることはなかった 私は
部屋にいた それは なぜだろう
たっぷりとある 時間だけが流れていた


外に干しておいたタオルは乾くこともなく
パセリに芽を出 ....
明日は長男の誕生日だ
生きていれば十一歳だ
たぶん生きていると思うが
確かなことは言えない

離婚した妻が家族ごと夜逃げしたのは四年半程前のことだった

離婚するに当たって当時高二だった ....
山人さんのおすすめリスト(5784)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ロバート- 無限上昇 ...自由詩617-10-15
洋式便座- ホカチャ ...自由詩217-10-13
片方の道- 吉岡ペペ ...自由詩517-10-11
無題- ◇レキ自由詩4*17-10-7
界隈- tem8744自由詩2*17-9-30
空しい- 星丘涙自由詩2*17-9-28
雨降りの夜- ひだかた ...自由詩417-9-28
渋谷の歩道橋- 番田 自由詩117-9-28
此処という場所〇私という人- ひだかた ...自由詩6*17-9-14
SPEAR- むぎのよ ...自由詩13*17-9-11
平仮名- 水宮うみ自由詩10*17-9-1
絵心- やまうち ...自由詩4*17-8-21
蝶とともに- 吉岡ペペ ...自由詩1017-8-19
二十二歳- 蓮上平晃自由詩317-8-18
夜の町- 吉岡ペペ ...自由詩917-8-3
花火- ガト自由詩10*17-7-26
親子丼- イオン自由詩2*17-7-23
ご飯と卵とわたし- 石田とわ自由詩9*17-7-22
失踪するための- 北井戸 ...自由詩317-7-19
折り紙- やまうち ...自由詩10*17-7-18
- かんな自由詩12*17-7-13
朝の光景- ひだかた ...自由詩6*17-7-13
空の教会- やまうち ...自由詩8*17-7-6
夜食- (の_の ...自由詩4*17-6-20
遠い日の透かし雨- かんな自由詩7*17-6-16
マスターに寄せて- 梅昆布茶自由詩917-6-14
距離- 前田ふむ ...自由詩13*17-6-7
6月の貴方- 卯月とわ ...自由詩417-6-6
End_of_holiday- 番田 自由詩317-6-4
告白〇魂の穴- ひだかた ...散文(批評 ...817-5-31

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193