君のために
鶴を折ってたり
するんだけど
ねぇ
君は何色が
好きなんだろうか
わたしは
何も知らないんだ
ごめんね
本当にごめんねと
謝ることしかできない
わたしを
憎いと思う ....
風を浴び
空を見上げ
擦り切れたシャツのほころび
海は凪いで
光の粒
さらさらと歩いてくる
中学の帰り道
君の部屋のカーテンは揺れ
膨らんでは遠 ....
夜空が綺麗でね
吐く息が
ふわぁって白くて
冷たくなってる
洗濯物
取り込んで
指先とこころが
冷たいんだ
わたしは
いつも君を探してる
どこかな
あいたいよ
この ....
さかな色の、光が
夜の道を跳ねる
記憶にふる 蒼い雨の想い
街灯の光りは、やすらぎの
{ルビ七色=にじ}を生むこともない孤独に満ち
つめたい 明かりを揺らす
力尽き 腐植し始 ....
母は酔って
元恋人に
生まれ変わったら結婚してといった
私の目の前で
かわいそうだから早くしんじゃえ
私はほんとうにそう思った
母の願いを叶えたくなった
母は まるきり弱い女にみ ....
蛙が跳ぶのを見つめながら
小川の脇を歩いていった
トンボが飛んでいて
今日の景色は 神秘的でいて 美しい
私は煙草を吹かして
喫茶店の中で 眠る
古くからある 線路を 子供が通り抜けて ....
カレーうどんを食べるなんて邪道らしく、
うどんはうどんで、
カレーはカレーで食べるべきだと、
グルメのひとはゆうけれど、
ぼくの大好物は、
カレーうどんなのだからしょうがない。
駅 ....
念のため訊いときたいんだけど
お前らって本当に絶望してんの?
お前らって本当に葛藤してんの?
貧乏だったり孤独だったり童貞だったり
なにかしらそういう事情があるんだか
まあ事情があるにしろな ....
一昨日の昼に雨ん中道を歩いていたんだよ俺は
したらお前、道端に路駐したイエローのシエンタな
そっから変な顔いろの悪いおっさんが声かけてきてな
なんかそいつ時計の営業やってんだけど発注ミスしてな
....
中学の用務員パンパカは
第二グラウンド裏手の平屋に住んでいた
戦争中はラッパ手だったのでパンパカ
短気な爺さんでからかうと怒り出すのでパンパカ
上級生の一部男子は面白がってかまっていた
かば ....
昔に買ったよれよれの服を着て
伸びきったぼさぼさの髪を揺らし
半年以上鳴ったことの無い携帯
意味も無く充電し続けている
ハイホー! 叫んで街へ飛び出そう
ハイホー! サンダルでアスファル ....
何もない街の中を歩くと喜びがにじみ出る
言葉を無くした人間のようでいて 悲しい
今日は強い日差しが降っていた
アルバイトから帰ってくる若者たちの 明るい顔
君たちは 何を求めて 生きている ....
冷たく重い油膜が 舐めるように
横たわる裸の そこかしこを
ゆるゆると 圧迫してゆく
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細やかに泡立つ銀色の音像から 油色の真空の中
混沌とした精神の渦中へと 流れ出す音 ....
土屋さん
百日咳ではありませんでしたよ
あぁ
長引いた風邪は
大人の百日咳ではなかった
そう言われて
病院を出たとたん
おなかが空いてきた
朝 家をでるまで
ずう ....
粒立ったアコースティックギターの音色
少し鼻にかかった涙腺に刺さる歌声
陳腐な誉め言葉ならいくらでもあるだろう
そんな誉め言葉なんて弾く強さを秘めた
彼の奏でる音楽は荒野に存在するが
荒 ....
乗り継ぎの最終電車を待っている
訳もないのに懐かしくなっている
知らない町の明かりたちが
気配をころして僕を見張っている
建物に切られた夜を見つめている
ホームの ....
かんらんせきに
いしがおかれている
きっとだれかが
せきをとるためおいたのだ
けれどだれもこない
まつりのじかんになっても
ふしぎそうに
いしがてんめつしてる
....
風邪と初冬の寒さは
欝をつれてきた
朝 起きるのはやっと
かろうじて
娘のお弁当を作る
冷食でチン
もう 1週間
こもっている
貴方の匂いのする
枕を抱きしめて
夕 ....
きらきらと留まるものを見ているのなら
手を伸ばさず 歩いていくのなら
近道ではないかもしれない
それは 近くにあるんだろうと 知る
川の畔に 綺麗な鳥が飛んでいくのを抱き合って 見ていた
....
重心を失った雨が、バラバラに散乱している。
あまりにも長く家を離れていたので、今や自分の家が湖の畔にあったのか、山の裾野にあったのかも、忘れてしまった。なのに俺は、無性にそこへ帰りたくなって、当 ....
小人たちは夢をみる
浅い湖の石の上
椿の葉が幾重にも覆いかぶさった
不安の幹のたもとに辿りつくまで
爪を噛みながら
地蔵の華奢な静けさに
殴り倒されて反吐を吐き
やがてしずしず立ち上 ....
その夜の舞台で歌手が
「ぞうさん」を唄った時
観客様は皆、懐かしそうに
うっとり微笑みを浮かべるのでした
途中出演のチベット人が
故郷の山々を唄った時
タイムスリップした観 ....
おかしなもので、
呼ぶ前から、この女はきっと、
がっかりするような女だろうな、と頭のどこかでわかるのに、
何かのひっかかりがあって、
呼んでみたら、
やっぱり今日のように、ハズレの女なのであ ....
明滅する スクランブル交差点
吐き出される人の群れは
ぼろぼろと名のかけらを 落とす
熟れ過ぎた柿を食おうと
台所の明かりをつける
歩道橋の上 夢想する
そろえて置かれ ....
冬に一歩ずつ近づいて
通りの桜並木の葉も
完全に散って
僕と君との思い出は
遠い過去のものになろうとしている
大丈夫かな?
大丈夫だよな?
繰り返し呟いていた
確かなものは何一 ....
そらは
だまっている
なにかつたえたくて
だまっている
にくしみもかなしみもない
そらのことばを
うつくしい
あおにひめて
+
しょうがが
きい ....
あなたの想いが緑なら
今 枯れて風に飛ぶのでしょうか
ひらりひらり秋の空は
すぐに黒に変わる
あなたの今が移ろうのなら
どこへいっても落ち着かないのね
かたりかたり秋の風は
すべて動 ....
光る小さな玉が
ふわふわと三つ
それぞれに適度な引力を持ち
時にはふわふわと引き合い
ふわふわと離れ
角もないのに接触した拍子に
傷をつけ、傷をつけ合い
そうかと思えば
....
ずっとお前のドアを叩いている
コンコン
お前は返事をしない
お前が中にいることはわかっているんだ
早く出てこいよ
コンコン
ドアの向こうはひっそりとしている
まるで誰もいな ....
僕は時刻表を忘れたけど
家に取りに戻ってる時間がなかったので
そのまま歩いたら
案の定バスは行ってしまって
遠い彼方へ行ってしまったので
僕はそこで足を止めたんです。
たんぽぽ ....
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