怖い
怖くて
誰か守ってくれる人がほしくて
そんな独りよがりな私に
神様がくれるのは
いつも冷たい雨。
おばあちゃんやおじいちゃんの最期
心臓マッサージをすると
ボギッと
....
すき焼き食べ過ぎちゃって動けないのよ
太田胃散ちょうだい
久しぶりだから
久しぶりだから
松茸なんかいれるから
食べ過ぎちゃったのよ
中国産だろ
韓国産だ ....
プルプル
携帯電話がプルプル
マナーモードでプルプル
プルプルのゼリー
ゼリーの中に子ども
子どもは内側から食べる
だからますます
ゼリーは大きくなり
携帯電話は擦り切れ
....
奥深い森のなか
大蛇のような泥の河を下り
僕が猿の真似をする
ヤノマミがそれを見て笑う
彼らはよく知っている
人間がそのむかし猿の王者であったということを
僕は踊る。覚えた ....
あなたはわたしに「ななし」と名付けた
それ以来わたしは薄い皮膜を漂っている小さな虫。
光らない星、開かない窓、結ばれない紐、濡れない傘、
ない。ない。ない。ということでしか ....
わたしは
夜のトイレの
においが好きだ
扉をあける前の
懐かしいにおいと
便座にすわるときにする
芳香剤のにおい
背後には
紅白歌合戦の
賑やかな音声と
家族の ....
断崖から波をのぞくと
悪童のおののき
かもめの群れ
シャチにかこまれる氷上のこども
黄色いバスの後部座席で
届かぬ祈り
胸の奥の井戸に映る月
断頭台の彫刻の施されたドアー
....
ところで自分は女性と一緒に川沿いの茶店で団子を食べたり
丘の上の風車を見に行って四つ葉のクローバーを探したり
するはずでしたが いつまでも実現しないので
最近はもう誰でもいいような気がしま ....
私の住む町を
夕焼けが染める
黄金色に
稲穂が熟して膨れる
ご飯の暖かさに
黄金色であった
幼子であったときの日々のように
大地よ
私はあなたに感謝する
鳥は私を呼ぶ
瑠璃 ....
壊れた時計をいくつか
この部屋に飼っているので
どうやら時空にちょっとした罅が入ってしまったらしい
ふいに宙の思いがけないところから
時ならぬクロッカスの花が咲いたり
誰のものとも知れぬ指た ....
夜空から剥離した星明かり
星騒に眠られぬ夜
人知れずやってくる 孤独は、
ただ一人でいることでも
まして、理解されずにいることでもないのです
それは、答を待ちわびるということ ....
◇
◇
◇
◇ ◇
◇
◇
◇
なみだに暮れていた
ずうっと眠っていた
赤いパジャマはおとうさんがくれた
おめめが腫れていた
じぶんを責めていた
ぬいぐるみがお母さんに似ていた
だれかに必要とされ ....
君が生殖本能からくるアプローチを好むのは
機能を満たしたいという欲求からで
私の子宮はそれを受け入れようと氾濫するので
剥がれ落ちまいと壁を厚くしている
そのせいでここ半年間は不調に悩まされ
....
薄い靴下に 冷気が渡ってくる
凍りかけた土に 残る雨水
青につらぬかれた 空が濁る
遠い所で カラスが鳴いた
歩く頭上を 羽音がかすめる
振り返ると 朱色の実が いく粒か
....
轟音が
前頭葉を打撃し
頭蓋は中空に
中空に咲くイメイジ
種子は咲けぬ地平に
飛び散り
干乾びながら
次の運命を待つ
飛散した眠り
目覚めは
触れぬ距離を保ちな ....
今日の終わりの夕暮れに
街は開店前の呑み屋のようで
ぽっぽっ ぽっぽっと
灯が灯る
昌平橋から見上げる高架
縄のれんのような柳の木
ぽーっと灯る提灯脇に
昭和の夕暮れ 宵の口
....
空よ 月よ と 鳴くばかり
空よ
月よと
鳴くばかり
わたしは芋虫
かえるの 子
明日を夢見て
明日
に
棄て
られ
それでも
....
{引用=
ハナアブのはねを千切って
裏返すと コメツキ虫のように跳ねた
しばらくすると独楽(こま)のようにその場所を回転していたが
捨てた記憶もないのに 朝になると消えた
僕らは身体を突き合 ....
冷たい直線が
流れていく
今日は朝から
ろれつが回らない、
白い紙へと
その先に長く続く
生物の住めないプール
それは時計にある
二つの瞳孔
人が唇を触りながら
ゆっくり ....
ストロベリーとカスタード
生クリームにマスカルポーネ
いちばんカラダが甘くておいしい
スペクタキュラス、インテグラル
五反田のペントハウスでクンニリングス
ゴーヂャスに裏さびれたお肉の宴
....
この夏何匹のミミズが死んでいったのか考えています。
死んでから干からびたのか、干からびたことで死んだのか、
そういったことです。
それは世界の秘密、
幼いころはどんなことでも秘密のように感じて ....
ぼくは力をかき集めた
あんなことを我慢した
あんな日々を暮らした
あんなつらい思いをして
もう少し様子を見る勇気
そんな勇気をかき集めた
そんな勇気を思い出した
....
急に寂しくなってまたメール
返事はいつもすぐか日をまたいでのどちらか
お金が欲しい
休みと彼女が欲しい
癒しと居場所が欲しい
急に寂しくなってまたコール
「電源が入っていないか電波の届 ....
.
正義はきみの中にはない。もちろんぼくの中にも。それは空にかかっているが遠くではないいつも宙を漂っているがすぐ近くにあるのだ。見ようとすればいつでも見えるのだがきみは見ようとしないなぜなら ....
深夜帰宅して
一人で遅い食事をしていると
ふと封が開けられないままの
なわとび縄を見つけた
息子がなわとびが苦手だから
ある休日
百円ショップで買ったものだった
次の ....
洟を垂れた
十円玉
若い空き缶のなかに転がる
長い
一本道の
震えた
神経
友達は
黄色いセイタカアワダチソウたち
幻想王国で
手を振る
道路の
向こう
夢と夢を繋い ....
気がつくと
もう時計は
1週間の時を経過していた
どれくらい
眠っていたのだろう
この 北の磁気の中で
どんなに
どんなに
愛されても
情けないこの心は
元の位置ちゃん ....
撃たれても怖気づかずに黙々と着々と引き金を引いて敵を殺すそんな末端の部下を持つインターポールの最重要指名手配のゴッドファーザーになりたい
....
降下した米兵を殺してロープに繋ぎ
歌いながら曳き回すモガディシュの人々
襤褸さながら転々する、頭のもげた死体
Mercy
蹴倒され髪を掴まれ哀号と泣き叫び
腑抜けのように脚を開いて
日 ....
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