どんぶり一杯の葉
あなたはそれを
毎日食べているので
肌がうっすら
緑色に変わってくる
緑色のままで
接客も料理もする
時々、糸を吐き出す
さっき捕まえた蛾が
腹をひくひくさせていて
卵を産むのかと思う
葉の上に置いてやると
動きが止まり
腹を破って
なにかの虫がこぼれる
その虫が世界に広がる
緑波立つ
一面田の面
太陽真上に
正午の沈黙

見時葉の月
一よう多様
大気の底で
焦土の地が沸く

あの夏の日々
われを失う
瀕死の乱心

あの夏の日々
割れる脳内 ....
 日本海にしずむ
 落陽は
 おおきくて美しい
 と、ラジオでだれかが言った

      *

 かつて
 五島灘にしずむ
 落陽を
  ―― オレンジ色のおおきな
 ....
遠くを過ぎていく船
雲の波紋
今日も川岸で一人
友達のいない私は
一人なのだと思った


誰もいない
遠い街で
私は喫茶店でエッチな小説を読んでいた
誰かが 私のことを待ってい ....
あそこを
触れば
ビクッと
反応する
さすがディックの
素晴らしさ
「あそこ」
「なあんだい」
パンツ弾ける
あなたは若い

ペロッと
舐めれば
ムクッと
答える
テクニ ....
ちーちゃんの誕生日の朝
いつものように洗濯機のスイッチを入れる
昼前には電話をしよう
生まれてきたことをお祝いする日だ。


  ぽかんと夏空がおおいかぶさり
  蝉は式典に関係なく鳴き ....
着信音
淡いブルーの光
点灯

はい、もしもし。






駅前の大通りで
時差式の交差点で
地下街へと降りる階段で
すれ違う
たくさんの人たちは知らない

私がこ ....
あなたが
あんまりにも
潔く笑うので

わたしの胸に
轍ができた

そうしてそのうち
深い森になった
ピルキュルと
遠く鳥の飛び交うのを聞く

重ねて飼い犬らの間歇的な
へだてて呼び合う吠え声が

窓は笛の穴ともなって
聞かせるつよい南風

〈なにものでもない耳の人間〉

例 ....
 そろそろ塾から帰る時間だ。
 慌ててエプロンを外し、玄関を出る。外は真っ暗だ。ついこの間まで湯
の中を泳ぐような暑気に買物も億劫だったのに、もう星光のような風がそ
よめいている。
 勤め人の ....
夏のお空は賑やか
雲の鯨が群なして
北さしゆっくり泳いでく

夕べ摘まれた胡瓜はポリエチレンの中
萎れた黄色の花を畳んで重い体をしんなりと
むらさきの影踊る無人販売所

朝の優しい静け ....
俺よ、この世の汚濁よ

ビルを探せ

階段を見つけろ

屋上にたどり着け

そこから身を投げろ

コンクリートに散れ

俺よ、この宇宙から消滅しろ
朝、6時15分に目を覚まし
冷たい水で、じゃぶじゃぶ顔を洗う
ついでに、寝癖のついた髪を濡らし
ドライヤーで乾かして、整える

コットンのシャツを身につけて
きのう買った、新しいスカートを ....
ウォークマン、買いました。
という非常に唐突感の否めない書き出しで恐縮です。
何故買ったのか、ということにつきましての詳細は省略しますが、端的に言いますと、我が家のコンポはリビングに1台と娘の ....
誰かに手紙を差し出したい
秘めた恋心を
白い便箋の罫線の間にそっと忍ばせて

誰かに手紙を差し出したい
今朝咲いた朝顔の欠伸が
黒いインクの文字から聴こえてくるように

誰かに手紙を差 ....
兎よ 緑野を駆けよ
波頭を思わせる草の中を矢のように
丘の向うにある青空の方へ

我等の屍は地層の奥に
罪の証は幾星霜を経ても消えず
ああ せめて夢見る事を許されるなら
兎よ・・・

 ....
こころの中に海がある

いくつかの海流も流れている

灯台へ続く道は
岬を縫うように走っている

海峡を渡る風は
わずかに強く吹き雲を散らす

僕は背中の軽い荷物を感じながら
ゆ ....
ありの行列は
時間の砂をせっせと運んでゆくような
そんな気がして、わたし
のどが渇きました

真っ白、とは言い難いミルクを
すっと飲み干せば
胸の時計は
狂いはじめます、やわらかに ....
よごれた指を
水につけて

すこし
きれいになり
水は
わずかに
濁る

わたしを
これ以上
みじめに
させないで
お盆
虫取り
夏祭り
生に近いし
死に近い

いつから
八月になったのか
私には記憶がない
そう言えば
今日
「意味」を全うした蝉が
地べたに落ちていた
とたんに
歪んだ蜃 ....
夜の森は怖い
手入れされた花壇の植物は怖くない
花瓶の花は才能のない画家がデッサンの練習に使っている





アスファルトを突き破って出てくる双葉に村人は勇気をもらう
地球にやさし ....
セミ
かと思ったらエビ
枝にたくさんの甲殻類が
困っている
あさおきて、かおをあらって、ごはんをたべて、それからがっこうへいきました……
そこでもう、ただ鉛筆を舐めている。その先へは進めない。
楽しかったことや、辛かったことも書いたらいい、と先生。
やす ....
葬式のことをかんがえてる

僕の死んだ後を考えてる

死んだ後は
どうなるんだろう

魂は他人がもっていくんだ
自分はどうなるんだ
自分の続き
自分が終わるって
結局どういう ....
かあちゃんが
もうこれいじょうは
酒を飲んじゃならねえと言って泣く

とおちゃんが
いてえいてえと言って
時々真顔で俺を見て泣く

外は雪が降りしきる
ここ何年か
止んでるのを ....
悲しみの海で、一人船を漕いでいる。

たどり着けそうな島もなく。

日が登り日が沈む

目の前の困難をやり過ごすだけの肉体。

細い指も、白い首もなんの役にもたたず。

ぼーっと虚 ....
その時
わたしの目は
久しぶりに
対象をとらえ
ああ
ぼやけていたのは
前髪が伸びたせいではなかったんだと
思ったのです

その時
わたしの耳は
久しぶりに
わたし自身の声を聞 ....
 近頃は、どうにか心身の具合も良好のようで、妻に手を引かれては外へと出掛けたりもしている。
 閉じ籠っていた殻の外へと出れば当然他人と会わない訳にもいかなくなるのだが、今のところは以前のようなパニッ ....
座席らしいから座ったのです。
何も座ったから座席だと
言いたいわけではありません。

ただ座席が空席を導いたのだとしたら
それは誤りたいと思っています。

回避する曖昧のために
曖昧さ ....
山人さんのおすすめリスト(5784)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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ほら、- salco自由詩14*11-8-6
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ウォークマン買いました_第一回「一発屋ビリー・ジョエル」- たもつ散文(批評 ...8+*11-8-4
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スクエア_- 竜門勇気自由詩2+*11-8-3
僕が生きているとみんな泣かなきゃならなくなる- 竜門勇気自由詩4*11-8-3
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