深夜0時
オバケが出ます。
トイレにオバケが出ます。
トイレに行くのが怖い。
じいちゃんは強い
オバケは怖くないという。
そのかわりおばあちゃんが
怖いと言う。
僕はばあちゃん ....
夕立が来るぞ
洗濯物入れて
布団取込んで
窓閉めて
空が暗くなる
風が強くなる
鳥が巣に帰る
世の中が死ぬ
寂しくなる
悲しくなる
泣きたくなる
つらくなる
飲み会に
よばれなかった
なかまはずれ
だから
これから
みんなを
不快な
気持ちに
するために
いきていかないと
いけないから
うめあわせのために
深夜、きみが
コップを割ってしまった
きみの夢の中で
思い出の品だったのだろうか
きみは泣き出して
泣き止まなかった
ぼくはきみの夢の中で
ただおろおろするばかりだった
....
もうちょっとを掬い集めても
もうちょっとはもうちょっとのまま
それでも息なんかふぅっと吹き付けたら
袖口でゴシゴシ磨いてみたけど
やっぱし、もうちょっとはもうちょっとのままだった
....
電車の真ん中で
子供がはなしていた
たちあがって
家族の真ん中で
みなは
耳だけいかしながら
きいていた
からだじゅうから
ききほれていた
キリストのように
子供は
予言 ....
そろそろ満月かしら
既に満ちてるかしら
ふくよかなラインに間違いはないわ
激昂 目に触るのよね 子宮にかしら 触るのよ とにかく 激昂は
コペルニクス窪み そこには金粉が波紋してるわ ....
例えば建設重機でも安全に扱う指があります
能書きばかりを連ねて
誇る指とは違います
妻の眉間のあたりに
凪いだ海がある
うみねこが飛ぶ
貨物船が渡る
風が吹く
少し波立つ
虹、と
妻が指差す
知ってるよ、
海に映ってた
美しい指を
持つものがおりました
絶望の夜
静かに瞬く
光と光をつなげて
星座をつくりました
美しい指を
持つものがおりました
歓喜の朝
深く広がる
闇と闇をつなげて
瞳をつ ....
あなたの骨というものは、果たしてあなたそのものなのでしょうか。
それとも、それはただあなたを指し示していたに過ぎなかったのか。
あなたの肉はひどくあなたに似ていたが、どうもあなたではなかったようで ....
人生は旅だという
人生は忍耐だという
人生を楽しむという
人生を苦しみという
人生にはいろいろあるよという
人生には意味なんてないという
ただひとついえることは
....
月や星が必死に輝いているのを初めて知った
駅から出ると月が雲を照らし星が輝いていた
タクシーで久しぶりに家に戻ると泥のように眠った
夢の中でもずっと月や星が必死に輝いていた
ぼ ....
夕だちが風をおこす
わたしの中にはわたしを包むたくさんの気泡があって
ひしめき合い、じぶんのかたまりをばらばらにしている
夕だちのあとにふく風は、プリズムの階段に繋がっている
そんな寓話を ....
人間も焼けば油が出るわねと腹まわりさする君のしこ名は
妻曰く健診は品質管理の第一歩
ラブレター誤字と誤解は付き物か
懲らしめに柱に吊るした藁人形なれてみればチョット可愛い
五 ....
新しい下敷きと筆箱
小学校に上がる頃
新緑が眩しくて
世界のすべてに希望が満ちている気がしていた
水泳 習字 ピアノ 絵画
同級生と通う教室
集中して 戯れて
成長の度に褒められてい ....
無作為過ぎる
光線の向こう
落ちた椿と
濡れた路面
道路わきのドライフラワー
いくつかのスナック
そこに佇んでいるのは
たぶん年端もいかない子
....
海への道を進む
枯れ枝の軌跡を追う
その感動的なフレーズが生まれたのは偶然
はるかと名づけられた子供が
遠くを見ている
一生その名に囚われ続ける
その名から出ることはできない
....
きみの手を引いて
日がしずむ方へと川べりを下っていくんだ
すごいだろ
すてきだろ
たえまないせせらぎが聞こえて
ずっと向うのカーブから
潮のかおりを連れた風が吹いてくる
....
耳って鍵穴で
君がするりと入ってくる
なんにも言わずに
直に心にふれるから
こわくて
うれしくて
きっとだから泣くの
声って光りみたいな
音ってつかめない鎖
離れたら
もう思い ....
けれど
明るいほうから暗いほうをみたのだった
逆からよくみえるということに気づきながら
ぼくたちは暗いほうを暗いねと言い
明るいほうから笑いながらみつめていたのだ
赤いひかりだけが1つ2つ3 ....
彼らは死に慣れてしまった。だが
校庭で炊いた焚火に身体を当て、燃え上がる
湿った潮風が鼻を擽る中で心が揺れた時、死そのものが、
何故生きているのか問い掛けてくる。彼らは死に祈りを捧げた、
....
たたみ一畳あれば
Iの字に寝そべれる
――静止
二畳あれば
大の字になって
寝返りもできる
――開放
半畳あれば
膝を抱えて
あなたのことを
想うことが ....
かいすいのなかのつぶは
ひとつとしておぼれてはいない
小さな子供が、星の矢に射られ、
浜辺の町の大人が、
空を向いて祈り始めた、
(その間にも子供の胸は砕かれ、
背 ....
数時間前に死んだ呪術師の膚から
化粧が剥がれ落ちて生ッ白い足が出てくる。と、
おれはかの女が化粧だったのではないかと思っている
毛細血管ごと飛び出して皮膜はすべて用済みのようにドブ川 ....
いくつもの
肥え太った想いが
出口に殺到して
立ち往生している
よこしまで
メタボリックな想いが
喉の奥でせめぎ合って
脂汗をかいている
バイパスを回り込んだ
耳障りの良 ....
通う眼差しに灯せない夜はない
瞑り日 損なわれた約束は
名を変えて ほどけつづける
折り返しみつめた指の先も
ひとつひとよ のばして重ねる
掌のまま さしだしても
届かないものに でも ....
奴隷みたいだった
犬の目をしている
僕の目は 人を睨み付ける
夜の闇をさまよう猫の目か
人間たちが 憎かった
自分自身の罪も忘れて
ゴールデンウィークを人並みが歩きまわる
バ ....
心がからっぽになった気がして
あわててひっくりかえしてみた
ぱらぱらこぼれた今日から
太陽の匂いがした
少しすくって空にぬった
明日が生えてきますようにと
おほしさまの間に
しず ....
野良猫が生垣から顔を出して
じっとこっちを見ている
/かけとび
あやとび/
/ステップとび
去年はできなくて癇癪を起していた
ふふふ、まあ頑張れよコワッパ と思った ....
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