ヤモリの張り付いた電信柱が
オレンジ色の灯りをともし
夜の歌を静かに歌っている
夜の秒針を刻んでゆく
ぼくは落ち着けないでいた
あの中華そば屋までの果てしない
道のりは
とても遠くて ....
鋼鉄の鎧が
にぶく光るのを見たか
青く濁った
異次元が
ゆがんで
その先に
銀色が
にぶく光るのを見たか
かっと開いた
漆黒に
あっという間に
呑みこまれ
あっという間 ....
きれいな人が 大きな昆布の束を抱えて
ピアスの石が イルミネーションに煌く
街のざわめきの中で 抱えなおした昆布の音が
雪が舞っている 北の海の潮騒に重なる
あたしは帰りに寄ったス ....
来るわけもない電話を待って
呼ばれていない場所へ出かける
いつものやり方くりかえし
たぶんわたしは終わるのだろう
降る里のない想いのことば
白い袋に詰め込んで
イブの夜にはサンタになっ ....
パソコンがなかったら仕事ができない。
年金詩人のわたしは今日もパソコンと睨めっこしている。正確にはマイクロソフトワードがなかったらということになる。その理由は文字を書く労力が半減することで、文章 ....
いつもなんか握ってる
石とか棒とか拳とか
それって子どものくせみたいで
一度風俗に勤めてみたが
最終的に
寿司屋に就職した
自動車には神が宿っている。そう確信したのは、運転を始めて一年ぐらい経った頃だろうか。自動車が人間とは独立した別の人格を備えていることは、乗り始めてすぐにわかった。自動車は人間の命令通りに動いているよう ....
酸性ガスと
アルカリガスの
満ちた路を彼らは
サイレンの響きに誘われながら
長い行列をなして
飽くこともなく歩き続ける
彼らに与えられるのは
社員食堂の定食の喜びだった
昨日はデミ ....
冬の紅い薔薇をみてみたい
いままでの悲哀を忘れるために
仕事の辛さ
部下の辛さを忘れるために
止めどなく時計が秒針を進め
ぼくらはついてゆけない
どうしたら良いのか
蝙蝠に聴 ....
あなたの ご要望には
何時 いかなる瞬間にも
何時 いかなる醜態でも
何時 いかなる形態でも
お応えします なんて
お答え しかねます
ワタクシは 空飛ぶカエル
空 ....
アフリカ鍋には
キリンさんの首と頭がまるごと入っている
そういうと、
動物愛護協会から
クレームが来るかもしれない
キリンさんも可哀そうだが、
それならなんで戦争がなくならないんだ
....
現代詩フォーラムは、リニューアルを挟みながらも、もっとも長く続いているサイトである。今ではこのサイトの馴れ合い性などが批判されることが多いが、もとは批評したい/されたい人が集まるサイトであった。現代詩 ....
何かを本気で伝えたいのは
感情がどうしようも
なくなるからだろ
好きだぁああああーーー
とか
腹立つぅうううううう
とか
さみしぃいいいーーーっ
とかね
....
すきなひとに気軽に
すきと言えないように
きらいなひとにきらいと
言えるはずもない
一緒の鍋をつついても
心にふれないよう気をくばる
湯気があたりをぼやかして
ほんとのことが ....
心臓の検査で二時間待たされた
結果説明をするのは
驚くほど穏やかな話し方の医師だ
この穏やかさは
草食動物がまどろんでいるかのようなぼんやり
草食動物が説明しはじめた
非常に穏やかにしかし ....
夕暮れブランコに揺られ
15の僕らは、無邪気に語りあった
あの子の事や 先生の事
これからの事や 嫌いな奴の事
誰だれのパンツが見えただとか
誰だれがでっ ....
天を突く壮大なプラントのサイレンが鳴り
ぼくたちはトボトボと歩みを進める
酸とアルカリの狂騒曲にもめげずに
ぼくたちはトボトボと歩く
たどり着いた溶鉱炉は
オレンジの秋の空色だっ ....
そば屋で
肩を落とした
お前をみることはできなかった
あまりにも淋しすぎて
一味でも
七味でも
やたらに振るお前を
見ていることなどできないでいた
ラジオの音だけが
俺た ....
覚め切らない皮膚 あまおとの影ふみ
ギターはたどる言葉のない遺言を
心から剥離した音は捨て猫のように理由を探さない
薄物のヒューマニズムを着せてはまた脱がす
週末の脈略は絶たれどこか乾いた ....
ぶーーーーーーぶっ壊したい
ーーーーーーー学校なんか
ーーーーーーーーーーーーーー ぶぶっ壊したい
....
夕月が
悲鳴をあげているような赤
骨の色に似た電柱の上で
闇のようなカラスが羽を休める
よどんだ、生温い空気の
送り主を忘れた鎮魂歌のような始まり
血液は半睡の眼と同じ ....
なみだ 落としすぎて、
めだま 落ちてきたんだ。
いっこ 落っこちて、
にこ 落っこちて、
もうない。と、思ったら、
つぎつぎに めだまが あふれてきて、 ....
一仕事終えた様な充実感でいっぱいで、僕は車のソファに深くため息をついて腰をおろした。泥まみれで爪の間に土の入った指でステレオをつけてザッピングすると、古いジャズボーカルや落語や人生相談が流れてきたがす ....
私は誰だろう
今日も暗い原宿の道を そして
どこかに向かって 歩いて やがて
たどりついた いつしか この部屋に
水曜日にゲスの極み乙女のライブを見た
私は客層の中で浮いていた
そ ....
機械仕掛けの身体は軋みながら
訳もなく歌い続けていた
彼の燃料といえば
バーモントカレーの甘口チーズオムレツ載せだ
彼は飽くことなく働き続け
燃料を補給する
死をも恐れない彼は ....
窓の外が雨降りかどうか
知りたくなったら
行き交う人々の差す傘を
探せばいい
雨粒は見えなくたっていい
傘は雨のことば
青、赤、黄色の点滅で
雨の居場所を伝えてる
だけど今 ....
確かではない静寂に
ぼくらは包囲されている
心配することはない
ナイフはある
鋭利ではないが
脆弱な肉体でもかま(わ)ないたくましいたましいがあれば
あたりまえにすべき ....
中島恭二(島中充)
プロローグ
気が付くと四角い格子の箱に入れられ菫の花に囲まれた駅前広場にいた。衣服を脱ぎ、こげ茶のタイツをはき、海水パンツをはき、広げると蝙蝠のようになる ....
歯がぽろぽろ抜け落ちる夢を見る
朝、畳に散乱する歯を集め
封筒に収めていく
もういくつも仏間の地袋にしまってある
いずれ程よい時を見計らって
庭の空いた箇所に撒いてやると
毒草ばかりが生え ....
驚くほど
貧乏くさいこと書いて
よく恥ずかしくないもんだ
リアルに貧乏だったとしても
もっとゴージャスに
グラマラスに
書けないもんかね
って、少なくても
ネットに書き込む金はあん ....
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